
シルバーバーチとはかつて3000年前に地上生活を送り、地球を霊的に浄化するため、人間に霊的真理を届けようと地上に降りてきた高級霊です。
今回は引き続き、因果律(カルマ)がテーマです。因果律の特徴をいくつか上げ、以下に述べました。以下の引用はすべてシルバーバーチの言葉からです。
■国家・民族の因果律(カルマ)
「摂理の裏側に別の次元の摂理があります。大自然の成育、国家ならびに民族の進化をつかさどる摂理とともに、一人一人の人間を支配している摂理があります。これらが裏になり表になりながら働いているのです」。
【解説】因果律には個人のカルマだけでなく、国家や民族に代表されるような、集団の因果律も存在します。国家・民族単位で種(原因)を蒔けば、因果律(カルマ)という刈取りがその集団に適用されます。国家・民族の因果律は、また後日取り上げる予定でいます。
■自分の責任は自分で取る
「原因と結果の間には何一つ、誰一人として介入することはできません。あなたの行為の責任を他人の肩に背負わせる方法はありませんし、他人の行為の責任をあなたが背負うこともできません。各自が自分の人生の重荷を背負わねばならないのです」。
【解説】自分で蒔いた種は自分で責任で負うことになります。これを戦争責任で例えれば、戦争において虐殺を行った日本兵は自分自身で因果律を作ったことになり、死後か再生後に彼が何らかの償いをしなければならなくなります。
これは国家としての責任とはまた別で、先人の犯した個人的な因果律は、後世の日本人として生まれた個人が引き継ぐわけではないという意味です。
同じく広島・長崎に原爆を投下した責任は、当時原爆投下を計画・実行したアメリカの責任者と国家にあり、戦後生まれのアメリカ人には個人的な責任がありません。
■因果律(カルマ)は懺悔しても消えない
「良い行いを すればそれだけ幸せを味わいます。利己的な行いをすればそれだけ苦い思いをさせ られます。摂理はごまかせません。死の床でいくら懺悔(ざんげ)の言葉を述べても、すでに始動している因果律の働き を止められるものではありません」。
【解説】懺悔とは今までの間違った生活を反省し、これからは「自然の法則」に則った人生を歩むという、単なる決意の表明にすぎません。
意識としては軌道修正の入り口にやっと立った状態であり、懺悔する気持ちになったからといって因果律(カルマ)は決して撤回されません。因果応報の法則は、誰にでも容赦なく機械的に発動されます。
■償いをすればカルマは発動前に消えるのか?
(質問)「大きな業(ごう、カルマ)を背負って生まれてきた人間が、何らかのキッカケで愛と奉仕の生活に入った場合、その業がいっぺんに消えるということは有り得ますか?」
(シルバーバーチ)
「自然法則の根本はあくまでも原因と結果の法則、つまり因果律です。業(ごう)もその法則の働きの中で消されていくものであって、途中の過程を飛び越えていっぺんに消えることはありません。
原因があればかならずそれ相応の結果が生じ、その結果の中に次の結果を生み出す原因が宿されているわけで、これはほとんど機械的に作動します。
質問者がおっしゃるように、ある人が急に愛と奉仕の生活に入ったとすれば、それはそれなりに業の消滅に寄与するでしょう。しかし、いっぺんにというわけには行きません。愛と奉仕の生活を積み重ねていくうちに徐々にきえていき、やがて完全に消滅します。業という借金をすっかり返済したことになります」。
【解説】因果律が発動する前に、自発的に償いの道に入った場合、その償いの行為度に応じてカルマは減少していきます。しかしそれでも一度にカルマが消えるということはなく、償いを行うたびにカルマはその分相殺されていくという、緩やかな消滅過程をたどります。
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『シルバーバーチの霊訓』(10)、10章 質問に答える
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キーワード:因果律、カルマ、集団の因果律(国家・民族)、自分のカルマは自分で責任を取る、懺悔でカルマは消えない、償いでカルマは減少する