
シルバーバーチとはかつて3000年前に地上生活を送り、地球を霊的に浄化するため、人間に霊的真理を届けようと地上に降りてきた高級霊です。
これまで数回にわたり、自由意志とは何かについて述べてきました。人間には本来、性善説・性悪説と言うものはなく、自分の意思で良くも悪くもなる行為を選び取れるという内容です。
しかし自由意志には、自由に物事を選択できるが、その行為に責任を取らねばならないという義務が生じます。
シルバーバーチは「自由意志があるということは、同時に自分の行為への責任もあるということ」と述べており、自由意志と責任は表裏一体の関係にあります。
(質問)
「自分の思念にはすべて自分が責任を取らねばならないのでしょうか。」
(シルバーバーチ)
「(精神障害などがある場合は別として)一般に正常と見なされている状態においては、自分の言動に責任を負わねばなりません。これは厳しい試練です。」
【解説】シルバーバーチは自分の意思で行った行為には、必ず自分で責任を取らねばならないとしています。
さらにその責任の取り方も、ただ反省や懺悔をしただけでは駄目で、それは単なる責任を取るという決意を表明したに過ぎないと、別の個所で語っています。
つまり自由意志により行った行為が債務超過になった場合、必ず因果律(カルマ)という行為で責任を取らされます。行為が人のためになる良い方向へ行った場合は、霊性の向上という形で現れます。
しかし例外として、精神的に障害や病気がある場合は責任の対象外となります。これは例えば精神錯乱者が殺人を犯した場合は刑罰を免除されるという、地上の刑法と一致しています。
(シルバーバーチ)
「一人一人の人間が、自分の行為に自分で責任を取ります。それが自然の摂理なのです。いかに愛する人とはいえ、その人に代わってあなたが責任を取るわけにはまいりません。
その人の行為の結果をあなたが背負うことはできません。それを因果律というのです。過ちを犯したら、過ちを犯した当人がその償いをする――霊的法則がそうなっているのです。」
【解説】シルバーバーチは自由意志で行った行為には、自分で責任を取らねばならないと戒めています。
それでは歴史問題として、事件の渦中にいた当事者たちが既に死に絶えてしまった昔日の事件には謝罪すべきでしょうか。以下に英国とインドとの間の植民地問題を例として示しました。
2013.3.16
キャメロン英首相が2月、インドを訪れ、植民地時代の1919年に北部パンジャブ州で起きた「アムリトサル虐殺事件」の現地で犠牲者の慰霊碑に参拝した。この事件は集会のインド人群衆に英軍が発砲し数百人の死者が出たもので、インド独立運動の大きなきっかけになったものだ。
英首相の現地訪問は初めてでキャメロン首相は慰霊碑に献花し「英国史において深く恥ずべき出来事。われわれは決して忘れてはならない」と記帳したが「謝罪」はしなかったという。
キャメロン首相は謝罪しなかったことについて「私が生まれる40年以上も前に起こったことにどう対処すべきなのか。私がすべきことは歴史をさかのぼって謝罪できることを探すのではなく、起きたことについて敬意と理解を示すことだ」と述べたという。
個人的見解としては、上記の謝罪しなかったキャメロン首相の対応は妥当だと思います。
理由は事件の起きた1919年から既に90年以上が経っており、事件の関係者は全員が他界してしまったためです。現在の英国民はそれ以後新たに生まれた人たちであり、植民地を運営していたわけでもなく、事件に対する直接の責任もありません。
ただ代わりに事件に対する哀悼の意と、犠牲者の辛苦に共感を示したのは良い事だと思います。加えて旧宗主国として、必要なら経済援助を行うなどの配慮があれば、過去の行為との収支も合うのではないでしょうか。
しかし以上のような援助など埋め合わせをしなかった場合は、イギリスにはこの事件から生じた、国家としての因果律(カルマ)がやって来るかもしれません。(既に来てしまった場合もある)ここでのテーマは因果律に関してではありませんので、これは別の機会に述べます。
『シルバーバーチの霊訓』(11)、7章 人類の宿題-地上天国の建設
『シルバーバーチの霊訓』(3)、13章 質問に答える
『シルバーバーチの霊訓』(9)、5章 死別の教訓
キーワード:責任、自由意志と責任は表裏一体、植民地問題、精神障害者の責任