従 兵 | 太平洋戦争史と心霊世界

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海軍を中心とした15年戦争史、自衛隊、霊界通信『シルバーバーチの霊訓』、
自身の病気(炎症性乳がん)について書いています。


給仕する従兵  ガンルーム(第一士官次室)で給仕する従兵(奥の白衣の2人)


 海軍の軍艦には士官室や、少尉~中尉クラスが使用するガンルーム(第一士官次室)、准士官室などがありました。そして各部屋には、従兵という准士官以上の日常生活の世話係が付いていました。

 

・士官室:士官2人につき1人の従兵

・士官次室:士官候補生以上24人につき1人の従兵

・准士官室:准士官23人につき1人の従兵

 

 従兵には気が利く兵が選抜され、仕事として上記の公室ばかりでなく、私室、食器室(従兵の控室)、浴室、洗面所を担当としていました。

 

起床後、朝食前に准士官以上の公室を掃除します。輪番で食器室に当直し、准士官以上が食事につく時は、真っ白いテーブルクロスを掛け、先任順に小さい木製の名前札を置き、食器を並べておきました。


木製の名前札 

先任順に小さい木製の名前札を置く。ここでは「田中少佐」という木札が置いてある。


 朝食が終わると食事の後片付けを行い、公室・食器室を整頓した後、各人受け持ちの寝室を掃除しました。当番の者は、各公私室の消灯時間まで当直し、公私室、食器室を片付けた後に寝ます。

 

 洗濯物の管理も従兵がしていました。従兵自身は洗濯をしませんが、洗濯物を出すときは控えをとり、洗濯物を受け取った時はそれらを一つ一つ照合しました。

 

 浴室に関しては、准士官以上が入浴する時はその準備をして、終わると浴室を掃除します。

 

 他の仕事として、注文を受けた物品を酒保で購入し、受け持ち准士官以上の衣類にブラシをかけ、靴を磨き、寝室のタンスやチェストの中にある軍服・背広もよく把握していました。

 

 要するに従兵は軍艦の中で、准士官以上のメイドに相当する役割を果たし、衣類箱の整理整頓まで任されていました。