
アメリカ人など欧米人は年齢に関係なく、それぞれ背が高かったり低かったり個人差がありますが、日本では年配者になるほど身長が低い方が多いです。もし80代の方などでこの記事をご覧になって、気分悪くされた場合は申し訳ありません。
下のグラフを見ると、現代日本人(30代)の平均身長は2010年時点で、男性171.5cm、女性158.3cmとなっています。
対する1910年代の大正時代に生まれた日本人は、1950年(年齢:30代)には男性160.3cm、女性148.9cmで、現代人より実に約10cmの差がありました。年配の方は背が縮んでしまったこともあるかもしれませんが、実際に当時の平均身長もかなり低かったことがわかります。
また海軍志願の際の必要条件を見ると、身長は昭和16年には156cm以上、昭和19年には154cm以上を要求されていました。
戦前の平均身長は現代よりも10cm低くなっています。ということは、当時の必要身長を現代男性の身長に換算すると、166cm(昭和19年は164cm)以上を要求されていたということになります。
ところが現在の自衛隊の募集要項を見ると、応募条件が身長は男性で155cm以上、女性で150cm以上とあります。平均身長は伸びているのに、必要身長は旧海軍より低くなっていますが、こんなに低くても勤務に支障はないのでしょうか。
上記は1910年代生まれの日本人男性(160.3cm)の例を挙げましたが、全体の平均身長としては、男性は155cmだったという記述もあります。
「平均身長1 m55cmの日本兵は、10日分の食糧を含む50kg近い荷物を担いでスタンレーの山奥へと踏み込んだ。」
(『山本五十六』、田中 宏巳)
50kgというのは尋常でない重さですが、現代女性の平均身長以下の背丈でこれを背負い、ニューギニアの4,000mあるスタンレー山脈を越えようとした日本人は、現代人と比べてもとてつもない体力を保持していたのかもしれません。
戦前の日本人の背が低かった理由としては、やはり栄養事情が悪かったことが挙げられます。1937(昭和12)年に日中戦争が始まってから、日本での軍事費の割合は、国家予算の実に70%~85%を占め、予算の大半が戦争に消えました。(下の図参照)
日本人の平均身長の伸びは近年頭打ちになっていますが、欧米人ほど伸びないのは遺伝もあるのではないでしょうか。余談としてYahoo! の知恵袋にあった質問をご紹介します。
(質問)「日本はなぜ食生活がこんなに良いのに先進国で一番平均身長が低いんですか?ろくに食べれないアフリカの方が高い場合もあるし」
(答え1)「『ろくに食べれないアフリカの方が高い場合もある』のなら身長は食生活とはあまり関係が無いって簡単に答えが出ますよね?馬鹿ですか?」
(答え2)「日本では、出る杭は打たれるという言葉があるように、背が高いといじめられるからです」
(国、男性平均身長、女性平均身長)
ロシア 175cm 、 162cm、 2001年 成人
ドイツ 180.2cm 、 168.3cm、 1996年 15~25歳
イギリス 178.1cm 、 164.2cm、 1996年 15~25歳
イタリア 176.1cm 、 164.1cm 、 1996年 15~25歳
※アメリカ、カナダなどの移民国は世界中の人間が住んでいますので、平均身長を見ても当てになりません。