
尖閣記事は来週以降にしようと思ったのですが、また書いてしまいました。
1月17日に鳩山元首相は尖閣は係争地との声明を出しました。一私人の立場で政治に関与するのは問題ですが、発言内容は理にかなっています。
■鳩山氏は「国賊」と防衛相
2013.1.17
小野寺五典防衛相は17日夜、北京で中国要人と会談した鳩山由紀夫元首相が沖縄県・尖閣諸島は日中間の係争地だとの認識を伝えたことについて、「日本にとって大きなマイナスだ。中国はこれで係争があると世界に宣伝し、国際世論を作られてしまう。久しぶりに頭の中に『国賊』という言葉がよぎった」と述べ、鳩山氏を痛烈に批判した。BSフジの報道番組で語った。
日本政府は「尖閣は係争地ではない」という立場ですが、1997年の日中漁業協定で、中国漁船が尖閣の排他的水域内に入ってきても日本は取り締まらないという意思表示を行っています。この内容はウィキペディアでも見られます。
■日中漁業協定(ウィキペディア)
これが何を意味するかと言うと、尖閣は係争地と日本政府が自ら認めているのです。だから中国に尖閣付近の日本領海内に漁船が入ってきても、日本は取り締まらないという特権を中国に与えています。
詳細は外交筋の評論家、佐藤優氏が解説しています。
■尖閣問題にどう対応するか(2)-佐藤優氏の解説(2012/9/21)
ではなぜ漁業協定の件を日本国民が知らないかというと、日本のマスコミが一切報道しないからです。日本政府自らが係争地と認める協定を結んでおいて、それを国民に隠し、「尖閣は係争地ではない」と嘘をつく。こんな二枚舌的な行為は海外では絶対に理解されません。
古くは太平洋戦争で撤退を撤退と言いたくがないために「転進」と呼び、自殺を「玉砕」と呼ぶ。このようなダブルスタンダード的な振る舞いは世界では通用しないのです。
最も日本政府が「係争地ではない」と幾ら釈明しても、事情を知っている世界中のメディアは既に尖閣を「係争地」と認めています。知らないのは日本人だけ。その証拠に電子新聞では尖閣を係争地であると書いています。
「東京(日本政府)、中国大使を召喚し係争中の島(尖閣)近くの監視船4隻に抗議する」
disputed islands = 係争中の島
「係争中の島(尖閣)の緊張が高まり、日本と中国ヒートアップ」
【グローブ&メール】(カナダ)・2012年12月13日
「中国機が係争中の島(尖閣)侵入の為、日本機がスクランブル」
私は別に中国に肩入れしている訳ではありません。日本政府のやり方が国際的にみても非常にまずいことを指摘しているつもりです。日本政府が「尖閣は係争地ではない、領土問題は無い」と言っている限り、日中交渉もできません。
しかし海外では、尖閣が係争地であることは各国で把握しています。知らずは日本人だけ、裸の王様状態です。だから海外から見た場合、日本は中国の言い分も聞かず、外交交渉を全然行わずに、問答無用でいきなり戦争に突入するような態度に見えるのです。
これが海外で日本の評判を悪くしている理由です。その証拠に、尖閣問題で日本に味方する論調の海外新聞はありません。
日本政府は尖閣を係争地と認め、そこから日中交渉を改めて仕切り直した方が、現状を打開するより良い方法となると思います。その上で「尖閣は国際法でも日本の領土」と主張すればよいのです。ここを改めないと事態はさらに悪くなる気配がします。
しかし日本のマスコミって、ホント~~~~に当てにならないですね~。ヽ(;´ω`)ノ