
昭和の戦時中に出版されたジョーク集です。
●「ノムハン事件後」
ソ連司令官「して状況はどうじゃ?」
空軍将校「ハイ、それが勝負半ばいたしています」
司令官「そうか、詳しく報告せよ」
空軍将校「初日の空中戦は日本軍の勝ち、二日目は吾軍の負け、で以後同状態つづく・・・終り」
(『週刊朝日』朝日新聞社、昭和14年10月8日号)
【解説】実際にはこのジョークとは違い、1939(昭和14)年5月から9月にかけて起こったノモンハン事件ではソ連と日本が衝突し、日本が敗北しています。しかし国内では日本軍の劣勢を隠し、新聞では日本軍は圧勝と報じていました。
ノモンハン事件
●「天気予報」
夫婦が日曜日に郊外散歩に出かけたが、途中で雨に遭った。
夫「おかしいな、昨夕(ゆうべ)ラヂオじゃ晴だったのに」
妻「だから、私が始終家のラヂオは毀(こわ)れているッて云ってるじゃありませんか」
(『キング』大日本雄弁会講談社、昭和8年9号)
●「嘘の色」
凸坊「おじさん、真赤な嘘って嘘にも色があるの?」
おじ「ソレはその・・・ソレが嘘なのさ」
(『日曜報知』報知新聞社、昭和10年3月17日号)
●「とんだ遺産」
孤児院を訪れた未亡人、
「私の死後、遺産は全部こちらへ寄付致し度(と)う存じますが」
「それは御奇特なことで・・・で、どの位おありですか」
「はい、八人・・・」
(『日曜報知』報知新聞社、昭和9年11月4日号)