士官用の第二種略帽。帽章は下士官と同じ錨 の上に桜
を配置。昭和12年制定当時の士官用略帽は、ストライプが全然ないデザインとなっています。また略帽の種類も第一種(濃紺)
、第二種(白色)
だけでした。
お馴染みのストライプ2線が入った士官用略帽は、昭和17年以降あたりから登場してきました。
上記画像は「上海陸戦隊」(昭和14年製作)で、昭和12年の第二次上海事変を扱った映画です。
陸戦服はネクタイを締めているので士官ですね。しかし昭和12年なので、被っている第一種(濃紺)と思われる略帽にはストライプが入っておりません。映画製作時の昭和14年にもまだ略帽の改変はありませんでした。
映画「ハワイ・マレー沖海戦」で、これは昭和16年12月の日米開戦直前の南方基地での場面。
この画像中の軍人たちは階級章から見て全員士官ですが、ストライプの入っていない第二種略帽(白)を被っています。昭和17年製作の映画なので信憑性はおけます。
こちらも大尉ですが、帽子に2本線はありません。
このストライプなしの略帽は、昭和16年12月の真珠湾攻撃の頃まで使用されていたようです。