原題:Flammen & Citronen、言語:デンマーク語、ドイツ語、公開:2008年(日本:2009年)、製作国:デンマーク・チェコ・ドイツ、時間:136分、
監督:オーレ・クリスチャン・マセン、出演者:トゥーレ・リントハート、マッツ・ミケルセン、スティーネ・スティーンゲーゼ、クリスチャン・ベルケル

第二次大戦中のデンマークが舞台の珍しいヨーロッパ映画です。原題の「フラメンとシトロン」(炎とレモン)は主人公のレジスタンス2人のコードネームです。
実話ということで、デンマーク・アカデミー賞で5部門を受賞した作品です。
1944年の大戦末期、デンマークはナチス・ドイツに占領されていました。デンマークの地下組織の一員としてフラメンとシトロンの2人は、ナチシンパの人間を次々と暗殺して回っていました。

しかしある時2人は、上司ヴィンターがナチシンパの人間に混ぜて、自分の都合の悪い人間も一緒に一掃させていたことに気付きます。
またフラメンは、地下組織のスパイである年上のケイティに次第に惹かれていきます。

しかし彼女がナチスとの二重スパイであるとの理由で上司ヴィンターから暗殺司令が下ります。ヴィンターのやり口に気が付いたフラメンは、果たして本当に彼女が二重スパイなのか苦悩します。

一方シトロンはレジスタンスの一員としての行動に誇りを持ちますが、愛想をつかした妻子は彼から離れ、妻は別の男性と付き合い始めます。シトロンは懊悩しますが妻子の幸せを願い、それを認めるしかありませんでした。
シトロン一家
フラメンとシトロンは次第に地下組織に疑問を抱くようになり、一体何のために戦っているのかわからなくなってきます。やがて地下組織を抜け出した2人は次第にナチスに追い詰められていきます。
レジスタンスの話なのですが内容は一筋縄ではいかず、正義の裏に悪玉が存在し、裏切りが錯綜するといった複雑な話になっています。
正義のために始まったレジスタンス運動なのに、最後には誰のために戦っているのかわからなくなってきます。
だから邦題は「誰がため」となっているのでしょう。