
先週の「非効率だった日本の暗号システム」の続きとなります。
ここでは暗号の作成のしかたをご紹介します。暗号なので説明を読むのがちょっと面倒くさいかもしれません。暗号の組み立て方には以下の方法があります。
■第1次暗号:文字列をコードに変換する「コード暗号」と「サイファ暗号」に大別される。
■第2次暗号:第1次暗号に乱数表の数字を足して使用する方式
1.第1次暗号(陸海軍使用)
①コード暗号
例えば、次のような電報が打たれたとします。
「第一大隊 電報 第135号 大隊は 14時 ごろ 山形において およそ 二個大隊の 敵と 遭遇し、 目下 交戦中なり」
この場合、暗号数字なら、「156
785 659 452 ・・・753」となります。受け手が同じ暗号書を持っていれば、以下のように解読します。
「156」⇒「第一大隊」
「785」⇒「電報」
「753」⇒「交戦中なり」
アルファベット暗号なら、「RTU
POK LKW VCZ ・・・OWR」となります。これは以下のように解読します。
「RTU」⇒「第一大隊」
「POK」⇒「電報」
「OWR」⇒「交戦中なり」
②サイファ暗号
転字式:例えば「COMBAT」という文字を約束事によって「AOTBMC」と入れ替えます。
換字式:はじめに以下のように決まり事を作っておきます。
例)「C = Z(5)」、「O = C(20)」、「M = U(17)」、「B = T(2)」、「A = R(9)」、「T = K(24)」
これで「COMBAT」という文字を一語ずつ置き換えます。
「COMBAT」⇒「ZCUTRK」 あるいは
「COMBAT」⇒「5 20
17 2 9 24」
実際にはこれをさらに複雑にして暗号として使用しますが、各国でそれぞれ独自の加工技術を工夫して使用していました。