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当時の資料を読むと、日本はよくぞこんな資源不足と国力で戦争を始めたものだと思ってしまいます。
軍部上層部はその両国の国力の差を知っていながら、勢いで太平洋戦争に突入してしまいました。
これには日露戦争のとき、日本の国力の10倍とも言われた帝政ロシアに勝ったことも影響していました。そのため戦いは物量にあらず、必勝の信念でするものだという意識が生まれてしまったのも原因の一つでした。
しかし日本と米国の間には、必勝の信念で超えがたい物量の壁が立ちはだかっていました。以下、日米間の国力の差を比較してみます。
●アメリカの国力の対日比(昭和16年)
(1)国民総生産: 米国が日本の12.7倍
(2)生産力
艦艇: 日本の4.5倍
飛行機: 日本の6倍
鋼鉄: 日本の10倍
(3)保有力
鉄: 日本の20倍
石炭: 日本の10倍
●電力量
日本: 300億キロワット
米国: 1,800億キロワット。米国が日本の6倍。
●原油生産量
日本: 5,200バレル(日産)
米国: 3,840,000バレル。日本の740倍の原油を生産している。つまり米国は日本の1年分の生産量を半日で生産している。
●日本が米国から輸入している石油の量
昭和12年: 665万キロリットル
昭和13年: 639万キロリットル
昭和14年: 493万キロリットル
昭和15年: 591万キロリットル
米国からの輸入なくしては、戦艦も巡洋艦も動けず、太平洋上での猛訓練など不可能だった。
●日本の戦時編成の兵力・人員所要量(昭和16年7月現在)
戦時下での望ましい兵力・人員の所要量を100%とします。
艦上戦闘機: 90%
陸上攻撃機・飛行艇: 50%
戦闘機の20ミリ機銃: 28%
技術者・工員: 60%
昭和16年で所要量を100%満たしているものがない。