海軍では日常用語でも独特な言葉を使用していました。その一部をご紹介します。
●面石:石けんのこと。「めんせき」と読みます。
戦前の石けん
●ソーフ:雑巾です。しかし普通の一般家庭で使用する雑巾ではありませんでした。
「古くなった直径40ミリぐらいの麻綱を1メートル半ぐらいに切り、二つ折りにして中央を別のヒモで結び、麻綱を女性の毛髪のようにほぐすと、ソーフができる。」
ソーフを使用しているところ
これを甲板掃除に使用しますが、最初は海水をざぶざぶかけたブラシで甲板洗いをします。次にこのソーフで水浸しの甲板を拭いて水気を取りました。
ソーフで甲板を拭いている場面。『男たちの大和』
●ゴキ悪い:えっ、あの黒い虫か!?と思ってしまうかもしれないですが、機嫌が悪いという意味です。例えば、
「今日は○○兵曹はずいぶんゴキ悪いから注意しろよ。」
という風に使います。
●ジャクル:八つ当たりで周囲の者を困らせる行為。例えば進級が保留になったり、転勤先が気に入らなくて八つ当たりすることに使用します。
「あの野郎、最近ジャクッとるな」