『ジパング』登場の艦艇名とその命名法(1)【ジパング】 | 太平洋戦争史と心霊世界

太平洋戦争史と心霊世界

海軍を中心とした15年戦争史、自衛隊、霊界通信『シルバーバーチの霊訓』、
自身の病気(炎症性乳がん)について書いています。



 以前、ドラマ「坂の上の雲」で、ロシアにいる広瀬武夫が「日本の軍艦名には自然の名前を付けるので風流だ」みたいに話しているのを聞いて以来、なぜか艦艇名の名付け方が気になっていました。

 

ここでは艦艇の特徴と、『ジパング』で登場した日本軍の艦艇名(名前だけの登場も含む)を記述しました。また日本の軍艦は命名のしかたに一定のルールがあったので、その命名法をご紹介します。

 

赤文字の艦は、途中で改造されたなど何らかの理由で、通常の命名ルールからはずれている艦艇です。

 

1.【戦 艦】

 

軍艦中最も堅牢強大で、優れた攻撃力と防御力を備え、戦闘において軍の主力となる。

 

(戦艦の命名法):昔の国名を付ける。

 

■『ジパング』に登場した戦艦: 大和、武蔵、伊勢、
霧島、金剛、榛名、比叡

 

⇒ 霧島、金剛、榛名、比叡は最初は巡洋艦で、のちに戦艦に改装、又は計画変更となったので、巡洋艦である山岳名が付けられている。

 

霧島は霧島山、金剛は金剛山、榛名は榛名山、比叡は比叡山にちなんで命名された。


戦艦「伊勢」  戦艦「伊勢」。設定では草加少佐が昭和12年に乗艦していた。(ジパング・8巻)

戦艦「霧島」

戦艦「霧島」。ミッドウェー海戦で、草加が霧島から水偵で飛び立ち消息を絶つ。(ジパング・1巻/31巻)



2.【巡 洋 艦】

 

攻防二力および排水量は戦艦に劣るが、元来運動力を主とし速力および航続力にすぐれ、主体主力の耳目となって捜索偵察および警戒に従事し、あるいは敵主力部隊の雷撃、敵巡洋艦以下の撃破その他通商破壊、運用船の護衛に任ずる。重巡洋艦と軽巡洋艦がある。

 

2-1 重巡洋艦(重巡)

 

巡洋艦の中で大型のもの。1930年のロンドン条約で定義された艦種で、厳密には6.1インチ以上、8インチ以下の艦砲を搭載する1万トン以下の巡洋艦を指す。

 

(重巡の命名法):山岳名を付ける。

 

■『ジパング』に登場した重巡: 足柄、那智、熊野、
利根鈴谷、筑摩

 

⇒ 利根は河川名から名付けられ、命名ルールからはずれているが、もともとは軽巡だったためである。

 

⇒ 鈴谷はサハリンの鈴谷川、筑摩は筑摩川にちなんで名づけられた。なぜ軽巡の河川名が命名されているかはわかりませんでしたが、やはり元は軽巡から改装されたのかもしれません。



重巡「足柄」  昭和16年秋の日米開戦前、草加が赴任した重巡「足柄」。(ジパング・外伝「風の道」/ 2巻)



2-2 軽巡洋艦(軽巡)

 

軽度な舷側装甲を装備した比較的小型の巡洋艦。

 

(軽巡の命名法):河川名を付ける。

 

■『ジパング』に登場した軽巡: 長良、大淀、
球磨(くま)、阿賀野、香椎(かしい)

 

⇒ 香椎(かしい)は福岡の香椎宮(神社)から命名された。もともと香椎は練習艦だったため、命名法からはずれている。練習艦には神社名が付けられる。



軽巡「長良」  ミッドウェー海戦時、津田大尉が乗り組んでいた軽巡「長良」。(ジパング・2巻)


軽巡「阿賀野」  軽巡「阿賀野」。草加が分捕ったイージス艦「みらい」を曳航するために使用した。(ジパング・24巻/25巻)


軽巡「大淀」  軽巡「大淀」。草加の進言により、司令部を戦艦「武蔵」から「大淀」に移乗させた。(ジパング・28巻)。史実では連合艦隊最後の旗艦となった。