高石宏輔さんという、心理カウンセラーが書いた本がある。今まで精神科医や心理学者の書いた本なども自分は読んできたけど、彼の本はそのどれとも違っていて言葉ではちょっとどういう本なのかを説明しづらい部分がある。
もちろん非常に素晴らしい本で、内容から高石さんがいかに繊細な感覚の持ち主なのかが伝わってくる。ただ、本にしては珍しく知識という部分に全く焦点を与えておらず、どのように普段の自分の中の感情や感覚を研ぎ澄ますかという、著者の経験や物事の捉え方に焦点を当てて書かれている。つまり知識ではなく知恵を与えてくれる本なのだ。こういう本は珍しい。
今の世の中には、うつ病やら統合失調やら依存症やらで心を病んでいる人たちがいっぱいいて、むしろ心が健全な人に会う方が珍しい世の中になってきている(と自分は感じる)。その心が病んでいる人たちというのは言ってみれば普段の生活の苦しみの中で自分自身の心を乱雑にしてしまった人たちで、自分自身の繊細な感覚を失ってしまった人たちだ。それでいて周りの人たちの感覚にも鈍感になってしまう。
高石先生の本はそんな感覚を鈍らせてしまった人たち(自分も含めて)に、また繊細な感覚を取り戻させるきかっけになれる本だと自分は思う。