更生年、更生労働省、、、
中央更生保護審査会委員の国会同意人事案についてである。聞きなれない名前の機関であるが法務大臣に対し特赦,減刑、刑の執行の免除、復権の実施について申し出、また地方更生保護委員会の決定を再審査する機関である。簡単に言うと恩赦を検討し内閣に申し出る機関といえる。恩赦には政令恩赦(大赦、一般減刑、一般復権)と個別恩赦(特赦、刑の執行免除、特別減刑、特別復権)とに区分される。両者の最も重大な相違は、個別恩赦は中央更生保護審査会が審議するのに対し、政令恩赦にはそのような審議機関がなく決定が時の内閣の判断にゆだねられる点にある。恩赦上申書を読み、犯罪後の事情、刑事施設内での行状、被害者の感情、更生の程度、再犯の可能性などを多角的に検討する。昨年度の恩赦の審査は54件、20件を議決している。議決の内容は不明だが毎年30件程度が受理されている。少し古いが平成30年には刑の執行免除が3名、復権が16名、併せて19名が恩赦を受けている。復権とは有罪になったことで資格が停止されたり喪失した場合の復権である。審査請求は13件受理し12件を裁決している。審査請求とは地方更生保護審査会で釈放や仮釈放が取り消された者が再審査を申し立てるケースのことだと推測する。裁決の内容については開示請求していないので不明である。
さて、中央更生保護審査会は委員長を含む3名の常勤委員と2名の非常勤委員から成る。件数が多くないことから十分な人員配置であると考える。再任予定の小野正弘氏は検事として各地の検察庁に勤務し、最高検察庁に勤務後、宇都宮検察庁検事正も歴任している。委員5名の中で唯一の検事経験者であることから欠かせない人物であり人事案には賛成するべきだと考える。
再任予定の山脇晴子氏は日経新聞社で長らく記者を務めてきた人物である。唯一の民間企業出身の委員である。国民目線に立った検討を期待されていることを鑑みても再任には賛成するべきであると思料する。
以上、中央更生保護審査会委員の国会同意人事案に総じて賛成することが適当だと考える。
参考
中央更生保護審査会 法務省
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/shingikaitou_04_01_03.pdf
中央更生保護審査会 Wiki
政治マガジン NHK