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政府は「いわゆる移民政策は取らない」と説明してきた。しかし、実態を見れば、日本はすでに事実上の移民大国へ急速に向かっている。出入国在留管理庁によると、2025年末の在留外国人数は412万5395人に達し、初めて400万人を超えた。前年から約35万6000人、率にして9.5%も増加している。外国人労働者も2025年10月末時点で257万人を超え、過去最多となった。製造、建設、介護、農業、外食など、外国人なしには成り立たない職場が急速に増えている。在留外国人の人口比率は欧米より低いとはいえ、人数と増加速度を見れば、「日本は移民国家ではない」と言い続けるのは現実逃避である。政府が移民政策と呼ばないまま国民的議論を経ずに受け入れだけを拡大していることが最大の問題だ。その危険性を示すのがスウェーデンである。同国では移民・難民を積極的に受け入れてきた一方、言語教育や就労、地域社会への統合が追いつかず、社会から孤立した地域が生まれた。近年は犯罪組織による銃撃や爆破、麻薬取引、詐欺が深刻化し、少年が実行役として勧誘される事態にまで発展している。2023年には363件の銃撃事件が起き、55人が死亡したとされる。スウェーデン警察は、犯罪組織の構成員を約1万4000人、周辺まで含めれば約6万2000人が犯罪ネットワークと関係していると推計している。
もちろん、外国人や移民を一律に犯罪者扱いしてはならない。当然のことだが、日本でも大多数の外国人は真面目に働き、地域社会を支えている。しかし、それを理由に移民政策の危険性まで語れなくなってはならない。問題は受け入れ人数と社会の統合能力との不均衡にある。短期間に多数を受け入れながら、日本語教育、学校、住宅、医療、社会保障が追いつかなければ社会から孤立した外国人集住地域が生まれかねない。そこに低賃金、失業、教育格差が重なれば、外国人の子供が疎外感を抱き、犯罪組織に取り込まれる危険も高まる。スウェーデン政府は国籍取得条件の厳格化や移民政策の転換を進め、2026年には自主帰還する成人への助成金を一人35万クローナへ引き上げた。しかし、一度生活基盤を築いた人々が給付金だけで帰国するとは考えにくい。移民政策は入口を広げるのは容易だが、後から元に戻すのは極めて難しいのである。
日本が行うべきは低賃金の外国人による穴埋めではない。賃金を引き上げ、省力化や機械化を進め、就職氷河期世代、女性、高齢者が働ける環境を整えることだ。外国人を必要とする場合も、分野別・地域別に受け入れ上限を定め、企業に日本語教育や生活支援の責任を負わせるべきである。永住や国籍取得には、日本語能力、安定した生計、納税、社会保険料の納付、法令順守を明確な条件とする必要がある。家族帯同によって必要となる教育、住宅、医療、福祉の費用も国民に示さなければならない。
移民政策への慎重論は排外主義ではない。治安や社会保障、地域共同体を守ることは政府の責務である。日本はすでに、移民政策と呼ばないまま移民国家化を進めている。スウェーデンの混乱を対岸の火事とせず、なし崩しの受け入れ拡大を止め、人口減少を前提とした社会と産業の再設計へ踏み出すべきだ。
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