社会保険審査会の委員の国会同意人事案について | 坂本雅彦のブログ

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 社会保険審査会の委員の国会同意人事案についてである。委員は6名おり全員が常勤である。部会は4部会に分かれ週2,3回の公開審査や要件審査が行われている。社会保険審査会は年金事務所や健康保険組合の決定等の処分に不服がある場合に通常の裁判制度によらず社会保険審査官または社会保険審査会という機関に簡易迅速に不服申し立てができるというもの。年金事務所等の処分に不服がある場合、まずは社会保険審査官に審査請求をし、その社会保険審査官の決定に不服がある場合には社会保険審査会に再審査請求をすると審査会が何らかの決裁を示すことになるという制度である。令和4年度の再審査の受け付けは1651件(前年からの繰越しを含む)で採決は1107件、翌年に繰り越したのは544件。採決の内訳は容認が73件、棄却が853件、却下が87件となっている。保険が694件、年金が413件である。件数は減少傾向にあるが委員の職務量は比較的多い。委員の報酬は年1845万円であり任期は3年となっている。

 委員の新任の予定となっている石丸順子氏は東京海上開催保険の人事企画部長である。他の委員は元裁判官か医師か社労士なので保険業界を代表しての委員枠である。長年、保険会社の損害サービス部門に勤務した実績から国が所管する社会保険と民間保険の約款や運営には精通していると思われる。出身業界と専門性を鑑みて石丸氏の就任に賛成するべきだと考える。

 もう1名の人事案は石森正二氏の再任案である。石森氏は医師として大阪医療センター副院長を務めたのちに社会保険審査会の委員となっている。外科医として保険医療の指導的役割を果たしてきたことから社会保険分野における豊富な知識を有している。再審査申し立ての7割は障害年金関係だと言われていることから医師としての判断が必要となるケースは多いであろう。石森氏の再任は必要不可欠なのではないかと思料する。

 以上、社会保険審査会の国会同意人事案に賛成するべきであると考える。


参考

社会保険審査会 厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/shinsa/syakai/index.html

社会保険審査会 Wiki

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%BF%9D%E9%99%BA%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E4%BC%9A