最後のムスリム国家イラク旅①ーイランからイラクへ陸路入国ー | Travel is Trouble 107カ国目

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10カ国連続のムスリム国家旅
終焉の国イラク
過去最高のおもてなし

100IQD=約10円、入国日=2023年8月15日

※各詳細情報は文末


イラクへ向かうため、シュシュタルからアフヴァーズに戻り、イラク国境に近いホッラムシャフル(khorramshahr)へ。ホッラムシャフルから国境へは配車アプリSnappで向かった。



この国境通過に関する情報が皆無でだったので少々心配ではあったが、意外とすんなりアライバルビザ($76)を取得。

そして陸路入国税$10を支払い入国できた。私はツイッターにこの陸路入国についての情報をアップしていたのだが、私の後に続いて入国した2人は支払っていないという。先人が損をするのは当たり前なのだ。先人だからしょうがない…。パイオニアなのだ…。

ぐぬぅぅぅ!うまい棒150本!


入国初日には国境から程近いバスラを訪問。この時、イラクディナール(IQD)はなし。両替に必要な米ドルも残り$100と絶体絶命のピンチだった。国境からのシェアタクシーはバスラのガラージが終点。ガラージとは他の国で言う所のバスターミナル。とりあえず近くでATMか両替商でも探すかと試みるも見つからず。どこにあるのか聞くと5km程度離れた場所にあるとか。バスラも気温は50℃近いと言うのにその距離を歩かなければならない状況は辛い…。というか死…。

2kmくらい歩いただろうか。両替所があるという場所まで向かっている途中で限界。金が一切ないので水も買えない状況。そして何より厄介だったのは荷物。冬のヨーロッパを旅していたこともあって重量も普段より重い。ここで野垂れ死ねのか…と思った矢先だった。

「中に入りんしゃい」
辛そうにしている私を見てイラク人が話しかけてくれた。

水道管の会社の事務所のような所。冷房はガンガン。社長の側近みたいな人がすぐに水を提供してくれた。水はコップに入ってたりペットボトルの物ではなく、小分けのヨーグルトの入れ物のようなものに入った水。どうやらイラクではこの水が一般的なようで、後々何度も命を救われる。夏のイラクはもう暑すぎて気温が50℃を超える日なんてザラにある。イランで50℃以上の気温に慣れたと思っていたのだが身体は正直。精神が勝った所でいつか限界はやってくる。

普段なら頂いた物に睡眠薬が入っているのではないかと疑ってしまうが、飲まなければ死んでしまうような状況だったので有無を言わさず飲んだ。さらに小一時間は滞在させてもらったおかげで回復した。

両替所を探していることを伝えると徒歩では行けない距離だと言われたのだが現金がない。歩きで行かなければならないのだというと

「ほれ、タクシー代」
と5000IQDを差し出す社長。流石に現金を貰うわけにはいかないと断ったのだが一向に引く気配がない。一悶着ありながら行き着いたのは側近が車で送ってくれるということ。


それならとお金を返却しようとすると

「それで何か買いなさい」
と言うのである。うっ…ここまでおもてなしをしてもらうと何か裏があるのではないかと勘ぐってしまう自分がいるのだが、この事務所に戻って来ることはないはず。だとしたら一体なぜこんなにも…。大人しく彼等の優しさに甘えさせてもらうことに決めた。

両替所に到着。米ドルからIQDは公定レートの+10%で両替できた。言わずもがな、イラクではよっぽど高級なレストランやホテル以外はクレジットカードが使用不可。さらに不可能だと思われていたキャッシングにも成功。バスラタイムズスクエアというバスラ唯一のショッピングモール

ATMが数台並ぶ。中にはキャッシングできないATMもあるが、バグダッド銀行ATMだとIQDを引き出すことができた。万が一金が引き出せなかったら$100分のIQDで過ごすことになっていたので道は開かれた。今考えたら無謀過ぎた。これでキャッシングできなかったら何もろくに観光できずに終わっていたのだから。楽観主義にも程がある。


とりあえずバスラのホテルにチェックイン。そこで拙い英語で話し掛けてくれたイラク人宿泊客。イラクは全体的に英語を話せる人が少ない。肌感で言うと旧ソ連国よりも少なく、アフガニスタンと同レベル程度か。なのでこういった英語で話し掛けてくれる人は珍しいので絶対に手放してはいけない。
拙い英語で話す彼は、バスラについてかなり詳しいようで、案内してくれるという。バスラというかイラク自体が初日だったということもあって、何とも嬉しいオファーだった。
バスラにはメソポタミア文明で有名なチグリス川とユーフラテス川が合流した「シャットゥルアラブ川」が流れる。拙い彼はボートに乗ろうと言ったがこういった観光系のボートは高いので断わりたかったのだが、せっかくなのでシャットゥルアラブ川という文明の固まりのような川の上に行ってみようかと思い、乗ることにした。


乗ってみて感じたのは「無」。そらそうだ。こんなに発展した街をボートの上から眺めたってメソポタミアを感じれるわけがないのだから。
最後に金を払おうとすると
「あなたはゲストなのだから金は払わなくていい」
と制止され、拙い彼が私の分も払ってくれていた。
その後、5000IQDのフルーツジュースや商店で菓子類など何もかも拙い彼が払ってくれた。流石にそこまでおもてなしされてしまうのは悪いので奢り返しを試みるも尽く断られてしまった。
イラク到着初日でこんなにもおもてなしを受けてしまうとは一体この先どんな未来が待っているのか。

飴があれば鞭もある。


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イラク情報

・イランのアフヴァーズ→ホッラムシャフル(khorramshahr)シェアタクシー(85万リアル=$1.7)所要1.5h、乗り場(31.3360076, 48.6315893)

・ホッラムシャフル(Khorramshahr)→国境=Snappで50万リアル($1)

・イラクアライバルビザ$76、陸路入国税$10、国境→バスラ(Basrah)シェアタクシー5000D

・バスラ安宿

10軒ほど訪れるも最安25000Dと高い

結局Restaurant and hotel Rumailah(25000D)、Hotel and Diamond Restaurantも同額