恵化的公演生活(ふぇふぁろうん こんよんせんふぁる)YouTubeチャンネルの「ワイルドグレイ勉強放送」の抜粋。私にはこう聞こえたという意訳です。
(1:40:46)
Q. スビン・ロスから見た3ボシはどんな感じか?また練習や公演で一番大変だったことや、ロスとして一番心が痛んた瞬間は?
スビン:リヒョン先輩は、一番気の毒そうなボシだ。ギボムも可哀そうな感じが少しあるが、それ以上に子供のような幼さが見える。フィ先輩はボシそのもの。
(1:44:15)
Q. ワイルドが「ドリアン・グレイの肖像」を出版していなくても、ボシに出会っただろうか?どんな想像をするか知りたい。
ジョンミン:会ったんじゃないだろうか。形は違うにしろ。運命論のようなもので。
(1:44:39)
Q. 初演から見ているが、今年は(ジョンミン・オスカーの)涙が増えた気がする。ほとんどすべてのナンバーで涙ぐむか、涙を流す姿を見る。それだけ感情が豊かになったのか?それから、「汚れた血」と「あなたの目」はボシに向けた涙だと思うが、涙の理由(どんな感情なのか)を話してもらえるか?
ジョンミン:さっきも話したが、以前は感情を見せないワイルドだった。個人的に感情の解消が必要だったのもあるし、観客にも相手の俳優にも感情表現したかったのもある。ワイルドという人自身も笑いと涙の多い…私は笑いと涙は同じ感情だと思っている。良く笑う人がいつも楽し気に見えても、実際はよく泣く人でもあるだろうと。だからワイルドは感情の起伏の多い人だったろう。だからロスを必要としていて。という訳で、隠すよりも見せるほうがオスカーというキャラクターに良い気がして、感情表現をしている。
(1:46:39)
MC:するかどうか迷った質問だ。一応見せるが、必要ないと思ったら答えなくても良い。
Q. 強硬ロス心(ロス派)でボシ憎しのデス(MC)の心を変えられるか?(アルフレッド・ダグラスそのもののフィ俳優なら可能)
フィ:「うちの子がかわりました」(問題のある子供の子育て番組?)を見たことがあるか?そこに出てくる子供たちが憎らしいか?
MC:ある種の感情は感じる。
フィ:誰もが似たような感情を持つと思うが、(彼らの問題は)子供たちだけのものではなく、常に環境や外部的影響が存在する。それを考えると、可哀そうに思うのではないか。誰もが理想的な環境で育つわけではないから、人はそれぞれ特有の満たされないものがある。そういった部分の多様な欠落の一つだと思えば、(ボシを)気の毒に思える部分もあるのではないか?
それと、公演を最後にご覧になったのはいつ?随分時間が経っているから、気持ちの変化があるかもしれない。もう一度見て、そしてまた見れば、新しい部分が見えて、人物を理解できる部分が生まれるのではないか?
MC:分かるような気はするものの、今の言葉よりも、先ほどジョンミン俳優の言葉に涙ぐむ姿を見て、私がボシとして生きていない以上、むやみにあれこれ言う資格は無い、3人のキャラクター中でロスに一番心が行くだけ、こう考えようと決心した。
フィ:人は常に考えが変わりもするから、新しい情報を取り入れながら、他の理解も増えるものだ。そういうことも起こり得る。
(1:51:47)
Q. 最後のボシが裁判に立つ場面で、2人が見つめ合いながら、ワイルドのセリフで幕が下りるが、そのシーンにはどういう意味があるのか?
フィ:法廷で、ワイルドに対する否定的な陳述をするシーンだ。実体ではないがワイルドがボシの傍にとどまっていて、僕が話す力を与えてくれるシーンだ。2人だけが分かる、僕たちでなければ知ることができない、そういう感じを含んでいると考えている。
人の目から見れば、ボシは法廷でワイルドに対して良くないことばかり言う人間だ。「数回会っただけ」「よく知らない」「恋人でもない」そして「私の考えでは、この世で1番大きな悪だった」これらは、ボシが実際に法廷で語った言葉だ。
ワイルドはボシがどんな人間なのか、1番よく理解しているし、それら全てを包み込んだ人だ。僕がこう陳述することも分かっていると思う。
最後に2人がにっこりと笑う。微笑みながら悲しくもあり、本当に本人たちでなければ誰にもわからない、そんな2人の関係。世界中の人が僕たちを非難しても、誰にも理解できなくても、この愛を2人だけは知っている。公演の時はいつもそんな気持ちを感じながら最後の場面を演じているようだ。
そのシーンの微笑みと涙、お互いに共感している…そんな感じがすごく…。
(1:54:45)
MC:なるほど。「ボシ、お前のためなら世の中を騙しても構わない。私はお前の気持ちを分かっている。」
ワイルドがそう考えるだろうと、ボシは信じているということだ。
フィ:そうだ。僕の考えだが。
ジョンミン:初演で作品を作っている時、最後のこのセリフに対してたくさん話し合った。
「これはボシに言わせよう」でも、ワイルドが代わりに言ってやる。そこに関する話をたくさんしたのだ。「ボシが自分で言ってはいけないのか?」ワイルドたちがそう言ったこともある。演出的にはシーンを完成させる前だったから。
思うに作家と演出家独特の解釈がそこに現れているんだと思う。実際にはボシの言葉だが、作家と演出家のボシにむけた視線(見方)が込められているシーンだと思う。ボシの言葉をワイルドが代わりに言ってあげるように書いたというのがお二人の心と言うか。そこまで話した事は無いが、私はそう捉えている。
MC:演出家と作家がそう考えたからこそ、この話を作品にしようと思ったのかも。
ジョンミン:その通りだ。ボシ心(派)でなければこの作品を書こうとは思わないだろう。
MC:私のように「ボシ憎らしい!」と思っていたら書かないだろう、これを。
(1:57:08)
Q. 公演中、特に心に刺さるセリフはあるか?作品を象徴するような?
スビン:「観客」
最後にワイルドが僕に「私を俳優でいさせるただ1人の観客」と言い残して退場する。「観客」は僕がなりたかった存在の一つだ。それが僕ではなく、ボシだと言って去るから、一番心が痛い。
MC:ボシの立場を理解しようとしていて、急にロスの話を聞いたら、何だか申し訳ないような気がする。アップにしてあげるから、一回悪態でもついてみるか?(笑)
ジョンミン:どのセリフも刺さるから…特には無い。
(2:00:31)
Q. 一番腹の立つボシのセリフは?(ロス、頑張れ!)
スビン:腹の立つのが1つや2つじゃないから…
フィ:僕だってそうだけど?
スビン:強いて1つ選ぶなら「観客は退場」。「口出しは遠慮するよ」のシーンもかなり腹が立つけど、「観客は退場」はもう…。
フィ:考えてみれば、ボシはいつもロスに負けている。唯一勝つのが、ここだけ。正直言うと、いつも少し申し訳なく思う。気まずいだろうなと。でも、他のシーンではいつも負けている。
「口出し」のシーンも実際最後は「おぞましい人間だな」と言われて、後の言葉が出てこない。「お前はいなかった」もそうだし。一見ロスはボシにやられているように見えるが、僕の感覚としてはいつも負けている。だから余計に腹が立つ。
MC:私ごときが観客代表にはなれないが、ワイルドの選択が…
フィ:確かに。でも2人だけの関係性においてはいつもボシの負けだ。
MC:舞台挨拶の時など、ロスたちがボシに腹を立てて寂しがるのは十分に理解できるのだが、それを聞くボシたちが、自分たちも腹が立つと言うんだ。
フィ:なぜかと言うと…こんな言葉がある。
「我慢するのが勝つことだ」
やられる側からすると、同じレベルになって一緒に奈落に落ちるべきなのに、一緒に低俗になるべきなのに、こいつは最後まで高尚なんだ。矜持を守って僕をバカにする。そういうテンションのせいで、僕がどんなに怒りをぶつけても、叫んでも、それを受け止めるロスの行動様式が勝者のように感じる。
(2:04:36)
Q. 最近「お前はいなかった」が終わってロスとの会話中、いきなり床に伏せて泣く演技をされているが、ここで一番怖いロスは誰か?ボシを本当に殺せそうな(?)ロスは誰?
フィ:これは確信を持って答えられる。本当に殺されそうなロスはジュニョンだ。ナイフを持って近づいてきてブルブル震えて、「彼が望まなかっただろうから」と最後には言うが、マジで怖い。本当に刺されそう。
MC:もう1人のミノ・ロスはどうか?
フィ:ミノもスビンも、もう少し僕を哀れに思っているかもしれない雰囲気がある。それが見えるから一層惨めになる感じがある。ジュニョクはストレートにやりそう。
MC:ロスとボシ同士の俳優別印象は話したが、ワイルドからの印象は聞いていなかったので、シンプルに話して欲しい。
ジョンミン:意外だが、スビンに一番底力を感じる。会えば弱々しく見えるが、意志が強い。逆にミノの方が弱さを感じる。背が高くて、ロスどこだ?と見ると顔が上にあったりするのに。ジュニョクはフィの息の根を止めそうな勢いだから…ご覧になって確認すると良いだろう。
フィはフィで。フィはそのままボシで。リヒョンも前回から一緒にやっているが、とても弾けていると思う。ギボムが意外と、ボシの中で一番芯が強いと言うか。時には目つきで僕が制圧されることがある。ワイルドとして説得されてしまう。重みのあるエネルギーのあるボシだ。ギボム・ボシが初めて経験するボシ像なので、すごく新しい。
MC:スビン・ロスから見たワイルドは?
スビン:3人とも愛している。
MC:うっかりしたことは言わないタイプだ。木曜日に会って聞けば話してくれそう。キム・ギョンス、チュ・ミンジン、ジョンミン。3人とも個性が…。見れば分かるということで。フィ・ボシから見た3人のワイルドは?
フィ:ジョンミン兄さんは「愛」!全てを受け入れてくれそうな無限の愛をとても感じる。なので一番頼れて一番心が安らぐ。惜しみなく与えてくれるのに、残念ながら受け取る方が…。だから悲しい。チョンフイとしては凄く受け取りたいのに、ボシは(受け取り方を知らない)。愛が深いほど悲しくなる関係が…ハァ。
ロスもワイルドに与えるが、ワイルドは受け取れない。それがこの作品の…悲しく切ない…。
ジョンミン:愛が溢れて流れる公演なのに、受け取る人がいない。
フィ:ギョンス兄さんとは前回からやっているが、元々芸術家的な気質が強いワイルドだと思っていて、一番寂しさを感じるワイルドだった。だから余計に縋り付く感じで。だけど今回はいきなり愛情深くなった。
MC:舞台挨拶で会った時機嫌が良かった。前とは違う。良いことでもあったのか?
ジョンミン:この頃浮かれてる。ロトを買うのを見たけど、その後からかも。
フィ:片方でワクワクしているかと思うと、反対側で…愛と芸術と、その境界線で危なっかしく…。
ミンジン・ワイルドは初めてのタイプ。完全に新しい。僕もロスも愛してるみたいなワイルド。だから腹立たしいワイルド。ロスにもばかに余地を残してあげている。
こんな人物たちが絡み合う関係と、キャラクター性格、音楽などが相まって魅力的なのがワイルドグレイだ。
MC:公演は8月17日まで。
(2:18:03) (ファイティング・コールで終了!)