初演のレビュー記事
観客の目と耳を虜にする演出
公演場に入ると、瓦を表現したように大きな鉄製物が舞台を埋め尽くしている。青い照明でいっぱいの舞台はどこかうら寂しいながらも一層美しく見える。
鐘楼のように見えたりもする舞台は多様な場所に変わるが、登登会の集いの場所にもなり、チェ·ユンの母親の墓所にもなり、宮殿内部としても現れる。
公演序盤から観客を圧倒する最初のナンバーは魅力的なサウンドと扇子を活用した華麗な群舞まで加わり一気に目をひきつけ、観客の熱い拍手で公演を始めることになる。
俳優たちがやり取りする面白さの要素と共に観客に話しかけるように投げる冗談で、多少恐ろしげでもあった最初のナンバーの時とは違って、公演会場は観客と俳優の笑い声で溢れた。
笑いの陰に隠された彼らの目的
「人が人らしくないね」
登登会には「キム·ヨンウン」の奴婢である「チョ」も参加していたので、身分に縛られずに皆が一つになって賑やかに楽しむ集いと見られた。
だが、劇が進むほどお互いが隠していた本当の欲望が現れ始め、それぞれ異なる目的と刀を隠したまま登登会が続いていく。
ある者は今の時代を守ろうとし、ある者は時代を覆すために努力し、また別の誰かはすべてのことを正すために自ら犠牲になることを選択する。
そのように各自が信じる世の中と夢のために進み始め、彼らの集いは壊れていくばかりだ。
同じ夢、違う過程を選んだ彼らの結末
「鬼に取り憑かれて鬼になるな」
目まぐるしかった時代の中で、人が人らしく生きる世の中を夢見てきた「ヨンウン」と「チョ」そして「チェユン」は同じ目的を持っていたが、「チェユン」は自分の父親が犯した罪に背を向けることができず、その責任を負うために別の道を選択する。
王の命令に従って「キム·ヨンウン」を捕まえようとした「イ·ギョンシン」は結局、最も大切な存在を失い、本人まで切ない最後を迎えることになる。
作品のエンディングを見た後は、果たしてどんな世の中が皆に良かったのか疑問として残る。
固く信じていた信念と夢のために大切な人を失い、悲劇で汚された登登会の終わりは観客に深い余韻を与える。
ミュージカル「登登曲」は朝鮮時代を背景に作った作品だが、現時代を生きる人々にも共感と理解を得られるほど考えるべき主題が多く含まれた作品だ。
韓国固有の衣装である韓服の多彩な色合いが見る人々の目を引いた。 韓国の伝統楽器や衣装が満載で、歴史が好きな人なら一度は見ることをお勧めする。
初演は2回見た。イマイチ理解が及ばなかったが、苦労して理解するほどの話じゃないと請け合う人々がいたので、素直に聞き入れておいた。
人間関係は何となく分かるとしても、政治的な流れがさっぱり。詩を詠んで競い合う場面とかも撃沈。詩の意味わからん。
今回歌詞を訳し始めて…こんなの、分かるか!
という気がしている。
途中で間があくことになると思うけど、いつかは完成させます。