なんで〈ランボー〉なの!
〈インタビュー〉見たかったのに!!
〈インタビュー〉が予定されていた枠に〈ランボー:アンコール〉が上演されると知った時の反応だが、結局オープニングの週にいそいそと見に行った。
3月までは〈イフゼン〉の大きな舞台で「ルーカス」として見てきた長男だが、やはり「ランボー」の方が魅力的
当然ランボー中心に見る人間なのに、なぜか目がしきりにアン・ジェヨンのポール・ベルレーヌの方に行ってしまう。
初めてだから新鮮でもあり、そうきたか…という面白さもあり。
まずは千鳥足でヨロヨロ登場し、刺すような苦しみを酒で誤魔化している感じ。情緒不安定と身体的不健康な割にはガタイの良いポールではある。
ロンドンに到着し海を見つめるポール。ランボーが後ろからそのがっしりした肩に、甘えるようにあごを乗せて、「パリの方角をちらりとも見ないで」と甘い声で言う。
他のポールとで見たことのない絵面。寄りかかっても不安感のないポールとの特殊な親密感と甘えてる感が美味しかったです。ご馳走様でした。
今回初参加のジェヨンポールは、幻聴が聞こえる時には必ず耳を押さえていたり、ディテールが分かりやすいので、ランボー見始めの観客にはありがたいかもしれないと思った。
再び泣き虫ランボーを見ようと思ったら、ランボー以上に泣き虫で、吹けば飛びそうなポールだった。だから全体的にランボーの方に保護者感があったかもしれない。
ドラエが野菜を持って連れ戻しにくる時、詩の解釈でポールとランボーだけ盛り上がるシーンは、ランボーの方がハッとしてポールに身を寄せるのをやめるパターンが常だ。なのに今日はポールの方が「ドラエがいるだろ」って目配せしてランボーを止めた。なんかそんな違いだけで喜んでいる観客が私だ。
違うと言えば「永遠」の後、今日はランボーが常にも増して泣いていると思ったら、空に手を伸ばさずに崩れるようにしゃがんで終わった。泣き崩れ。
初めてのバリエーションだったので有識者に尋ねたら、やはりその時点までに積み上げてきたランボーのキャラクターに相応しい感じで俳優さんごとに変わるのは良くあることだそうだ。まして、同じ俳優でもその日の感性で変わるのだから、やめてくれと言うべきか、ありがとうと言うべきか…。
なんか本当に荒んでヨレヨレのポール。手が震えてるのアル中ですかね。
独特のあの感じだから1曲目から泣けるんだろうか。前回のボムポールの時もそうだった。
詩の朗読会で傍若無人なランボーに加わりたいのに、気が小さくて一歩を踏み出せないポール。ワインをラッパ飲みしてお酒の勢いで飛び出していく。
現在に戻ると、上から歳月が降ってきて一気にヨレヨレになるの、相変わらず鮮やか。
笑わせないでジェボムさんシリーズ:
① 「こんなに若くてハンサムな詩人」と言うジョンウォンランボーに向かって「自分でも笑えると思うだろ?」って言うのやめて。현타(現実自覚)を必死に隠す長男。
②ランボーの真似して寝そべるのは良いけど、起き上がれなくてジタバタするのやめて。すいっと起き上がったランボー、隣にくるはずのポールがなぜ来ない?と振り返って、ジタバタポールを発見。慌てて助け起こしに行った。
シリアスな方では、今日のランボーはブリュッセルで、いつまでもグジグジと銃なんか手元に置いて、奥さんのことも切れない優柔不断なポールに怒っていた。
前は辛そうに泣いてたのに…と思ったら途中から哀れに泣き出した。
なんてダメな奴だと思って怒ったけど、それはつまり別れを意味するから悲しみが押し寄せたんだろうか?
でもまた急に冷ややかになった。「見放した」に近いのか。冷ややかなまま、醜く苦しんで生きて死ね!と言い放つ流れだった。
だから泣いた部分は、いつもウジウジしているポールのモノマネをしたのかと思ったくらい。あんたの姿はこんなに情けないんだぞと見せつけるために。
どうせ毎回違うから、何か結論づけようとするのはやめる!
(小枝はロンドンで別れた時ポールがランボーに押し返したから、ブリュッセルには無い。)
その流れのせいなのか、초록Repでランボーの孤独感が増していった感じ。
反対にドラエとポールだけ馬鹿に感動的に盛り上がって、「帰りましょう、うん帰ろう」と手を取り合うものだから、なんか腹が立つ!
ランボー、松葉杖をいやに遠くに投げつけて岩に登ったは良いけど、悲しそうに?辛そうに?震えていたから、またしゃがみ込むパターンかと思ったら、ちゃんと手を天に伸ばしていた。
きっと、全ての制約から抜け出して未知の世界に到達したはず!せめてそう感じて欲しい!
本当はマッコンで見たかったこのメンバー。しかし、三重苦の悪条件が重なりチケッティングの壁は余りにも高く玉砕
だがしかし!この日は上演後に500回記念のミニコンサートがあると言う。超ラッキー
詳しくは、次回に続く!