公式からの情報③〈ライカ〉【製作陣トーク】 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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近頃はメモ付き写真アルバムとしても使用中。


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ライブラリートーク

キャロライン編

ミュージカル〈ライカ〉の物語全体は
キャロラインの夢ですか? 
 「オー、ライカ」というナンバーが出てくる一番最初のシーンと最後のシーンを除けば、すべてキャロラインの夢です。
 その夢はキャロラインの願い、罪悪感、怒り、無力感などが合わさって完成した世界だと設定しました。

 「ライカ」について書こうと思った時から、結局人間の視点から外れることはないだろうと思っていたので、そう設定しました。

 ライカを宇宙に送るのも、彼が宇宙で豊かに暮らすことを願うのも、結局すべて人間の姿なのです。

 「ライカ」の心に移入できるようにする設定が、私たちが非人間の存在について推しはかるのに役立つのではないかと判断しました。
 
ミュージカル〈ライカ〉は、キャロラインという人間がライカをはじめとするB612の存在たちに、自分の意識と無意識を投影した世界なのです。


キャロラインとライカの再会シーンも

キャロラインの夢なんですか? 

 王子は、キャロラインがライカを送った後長い時間苦しんだろうし、ほとんど死を控えた時期になって初めて少し感覚が鈍ったろうと考えたことでしょう。

 (実際に2008年は実際にライカ追慕銅像が建てられた年でもあります。)

 それでその時になってようやく不自由な体を引きずってそこに行ったと思ったのでしょう。 


 しかし、銅像の前でライカに実際に再会したとき、キャロラインは混乱を感じます。

 常識的に考えて、ライカが戻ってきたのはあり得ないと思うかもしれません。

 それで勘違いをしたんだな、と考えを変えて背を向けたのです。


 もちろん勘違いしていただろうと自分自身を説得し、そっぽを向いたのかもしれません。

 キャロラインは無意識に自分がライカと気軽に向き合える時間というのは事実上存在しないだろうと考えたと思います。

 死ぬまで罪悪感を持っていたのでしょう。

 

 死期を迎えた自分と一緒にいるよりは、B612で暮らす方がライカにとってより良い人生だと思ったことでしょう。


(訳注:そもそも質問の答えになっていない気もするし、状況のわからない観覧前は更に意味が良く分からなかった。


王子はライカを地球に戻してやることにするが、ライカはキャロラインと安心して会える時代に戻してくれと頼む。

それで王子は2008年に建てられたばかりのライカの銅像の前にライカを連れて行く。それが「キャロラインがほとんど死を迎えた時期」でもあるのだろう。


このシーンも夢に含まれるのか、ロケット発射の直前に見た夢を心の支えにしてきたキャロラインが現実にライカに似た犬を見て、その背後に星の王子様とライカを想像したのか、王子とライカが本当にこの時代に現れたのか、解釈は好きなだけしていいように思う。)




バラ編


劇中でバラと王子はどんな関係ですか?

 『星の王子さま』の原作では、星の王子さまが地球でバラの大切さに気づき、再び関係を回復しようという気持ちを持ってB612に戻るようになっています。


 ところが、その間にすでにバラは誰の世話を受けなくても一人でとても豊かに暮らすようになった状態になったと、私たちの作品では設定したのです。


 帰ってきた王子にバラも未練や懐かしさ、切なさがあったかもしれません。

 しかし、バラの性格上それを表に出さずに、むしろ王子が必要なくなったというふうに見栄を張ったのだろうと思いました。


 王子もその言葉をそのまま信じて、バラに対して変化した考えや『星の王子さま』の本についての内容を隠したのだろうと思いました。


 B612に一緒にいながら、バラが幼い子供のように純粋にぽんぽんと投げる質問が、王子の心の何かに触れたりもしたと思います。



バラが一番好きな本のジャンルは

何でしょうか?

 バラは哲学書をたくさん読んだのではないでしょうか。 

 「美しい」のナンバーで、サルトルの言葉が言及されるじゃないですか。

 それが、バラを今のバラにした決定的な思想だったと思います。


 バラは王子に興味がないふりをしますが、なんとか「星の王子さま」やサンテグジュペリについての内容が知りたくて、人間の本を貸してほしいと言います。


 フランスの本を主に読んだと思いますが、サルトルもフランスの哲学者じゃないですか。

 フランスの本を読みながらサルトルの本にも触れたと思います。


 これまで自分が持っている心が概念的に整理されていなかったはずなのに、サルトルを見ながら理論的に確実に自分の価値観を確立するようになったと設定しました。




王子編


王子はどのようにして人間を嫌悪する存在に

成長したのですか? 

 サンタクジュベリの死後、王子は悲しみと喪失感を持ったまま、遠くから人間たちを見守っていただろうと設定しました。


 彼らがなぜ戦争のようなことを起こしたのか、どういう訳で他の存在が死ななければならなかったのか納得できなくて、ずっと人間たちを見守りながら理解しようとしたのでしょう。 


 ところが、大部分のニュースを通じてその事実に接してみると、人間の蛮行と暴力を主に見ることになり、幻滅を感じてついに人間が消えなければならないという極端な考えに至ったのでしょう。


 王子がサンテクジュベリの死を経験した年齢は、劇中で10代半ばから後半くらいです。

 人が大きな事件を経験すると、そこに没頭するようになるじゃないですか。

 王子も青少年期に恨みと怒りにとらわれ、そこに没頭していたら、さらに嫌悪が深まったのです。「その取るに足らない」ナンバーが、これをよく表現しています。


 実は「王子」と表現しますが、ある面では「星の王子様 (幼い王子様)」に留まっていたと設定しました。



王子にとってライカはどんな存在ですか? 

 王子はライカを通じて自分の矛盾に気づきます。


 小惑星の衝突によって他の存在も死ぬということを知った時、ライカは「私たち本当に人間みたいだ」と言います。


 その時、王子は少し驚いたと思います。

 それでもむしろ、もっと強硬に自らを正当化し合理化しようとしたのでしょう。


 でもその後、バラとの会話や彼らも実はライカを利用したという事実、自分も人間と同じ罪を犯そうとしているという事実を徐々に実感しながら自分を振り返り始めると思いました。


 自分と違う答えを探そうとするライカを見ながら、王子は「それなら私は何ができるか」を悩むようになり、ライカの心を全て知ることはできなくても、その心が傷つかないように努力するようになったと思いました。



王子とバラはどんな賭けをしたんですか? 

 バラが劇中で「世の中にあなたのような子が他にどこにいるだろうか。いるなら一度連れてきてみなさい」と言います。

 それがバラと王子の正式な賭けになったのです。


 王子はそんな誰かを本当に連れてくれば、バラやバオバブたちも自分の計画に参加すると思ったでしょう。


 後半部にバラがこの賭けの話を切り出しながら「ライカは私たちにまで利用された」と言います。


 それが王子が自分を振り返る出発点になったと思います。

 ライカに「人間のように」振舞ったということを自ら容認することは難しかったでしょう。


 そこから王子が矛盾に気づき始めたのではないでしょうか。