演劇〈鎖骨に天使が眠っている〉観覧 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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韓国ミュージカル
自分の予習復習用につき、かなりの偏りあり
(注意: 目標はネタバレ100%)
メモ付き写真アルバムとしても使用中。


(インターパークより、Papago訳)

 

 

6/7

 

〈フランケン〉に勝って枠入りした日本産演劇の〈鎖骨に天使が眠っている〉

 

でもこれ面白いんだろうか?

戯曲を読んでしまったが、実際に演じるとどんな感じになるのか。特に、最後の表現がどうなるのか怯えている。

 

 

 

やばい。開始前の案内で「物語の最後に過激?な内容の独白があります。気分が悪くなったら手を上げて合図してください」って言ってる気がする。

 

問題の箇所は真っ暗な舞台で、Eメールで届いた内容が読み上げられる演出だった。

 

苦手だから耳を塞いで、心の中でアーアーって妨害音出して聞かないようにした。(幸い韓国語なので、意識して聞かないと意味が入って来ない。)

 

作品自体は面白かった。ぎゅっと固形になってるタオルを水につけるとほぐれて広がっていくみたいに、ストーリーがだんだんほぐれて全体が見えてくる感じ。その構成が面白い。

 

義男役のパダさんは〈M.バタフライ〉でもリリンの役だったし、ひねった演劇が好きなんだろうか。

 

「異なる」存在を受け入れること、失った相手に対する後悔、それをどう昇華させるか。演技が見応えあるので、こぼれた水は戻せないけど「昇華」させることに対して厳粛な感動を受けて涙がこぼれる…みたいな体験。前のおじさんも結構泣いていた。

 

 

6/28

 

うああー聞きたくない〜ってなる〈鎖骨に天使が眠っている〉2回目で最後。息子に入れていないけど、隠し子と称したいアン・ジファンを見る。
 

葬儀屋の黒いスーツを着込んで登場した27歳役のジファン君は、おっさんに向かっていくんだなーという佇まい。


上着を脱ぐと一瞬で17歳の高校生に変身。何かを大きく変えているわけじゃないのにちゃんと見分けがつく。(ベンジャミンのジェボムさんもそうだったっけ。)

 

重いような苦しいような話だけど、見終わるとふわーんと不思議な余韻の残る作品。涙が出るけど、何に対する涙なのか決めかねる。

 

劇中のような事件が本当にあった記憶がある。

 

危険と分かりきっている紛争地域に勝手に行って、人質に取られて国に大迷惑をかけた大馬鹿者…と世論に叩かれた事件。記憶も定かじゃないし、作品との関連性も知らないけど、重なる部分がある。(後に知ったが、まさにその事件をモチーフにした作品だった。)

 

「そこ」へ行った理由や、残された家族や友人の部分は創作だろうけど…とにかく…余韻が…残る…。‪あるがままの自分は「普通」じゃないと世間が批判しあざ笑う時、何ができるのか、どんな選択をすべきなのか。家族だったら、友人だったら?‬

 

最後の「湯灌とは、現世での煩悩、痛み、苦しみを洗い清める儀式です」という挨拶に救われて、安らかに眠って欲しいと祈ってしまう。

 

過去と現在を行ったり来たりしながら、タイルの1枚1枚に小さなエピソードが描かれて行くかのような構成。タイルを全部並べると最後に大きな壁画が見える仕組み。ピースを全部正しく繋げられたかは疑問だけど、面白かった。


(後に知ったこと、その2。キャスボで白い服を来ているのはこの世を去る人たち。黒い服は見送る人たち。


その3。なぜ鎖骨に眠るのか。鎖骨は国籍や性別に関わらず骨の形が同じなので、人種やジェンダーの差別から自由なところで眠るのを意味する。


その4。舞台奥中央のベンチには劇中カズエとヨシオだけが横たわる。ベンチが鎖骨を象徴していると思われる。)