〈メアリーシェリー〉1回目 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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(本当はスモークは今日の分だったのに、予定投稿の設定を間違えて昨日2本あげてしまったので凝視、今日はメアリーシェリーを軽くまとめてみた。)



1月1月

新しくなったとは言え、さほどの好評も聞こえて来ず、フィバイロンさえ見られれば、と思っていたら、


これが意外に…面白かった!


唐突だったり、どう解釈したら良いのか分かりにくかった所が、補足的なシーンやセリフで十分納得できる。


かつてメアリー父が言った「今そうしたら(出て行ったら)もう戻れないぞ」という言葉が響いた後に、現在部屋に1人でいるメアリーが今の自分をとても後悔しているらしき様子。

「逃げろメアリーもう戻れない」と歌うナンバーが意味深い。(初演ではイマイチ繋がらなかった)


パーシーが彼女に「いつも逃げようとしてばかりだ」「君だけが被害者じゃない」と言うのも、こんなメアリーなら納得できる。


本を出版しようとするメアリー母に向かって父が「今そうしたら(自分の名前で出版したら)もう戻れないぞ」と同じ言葉をかけるシーンがある。


メアリーとは反対にメアリー母は、今大変な思いをしてもいつかこの出版が未来を変えるでしょう(娘のためにも?)みたいに強くて希望に溢れる姿を見せる。


自分が陰口の中で生きてきたのは母の著書のせいと思っていたメアリーが、今になって初めて本を読んで一方を踏み出すのも説得力がある。



注目の変化としては、アヘン注射を直接打つのではなく筒のような容器からグラスに注入、というのがある。アヘンを要求してバイロンが手を差し出す名シーンが無くなるわけで、それが残念ではあった。


けれどもパーシー奥さん自殺の後、バイロンが2階、左右階段にパーシーとクレアが立って、舞台中央のポリがグラスに注入する動作をすると、怪しく赤い照明の中、3人が同時にアヘンに酔い始めるシーンに変わって、これが良かった。


初演では涙に暮れていたパーシーも早々と夢の中に逃避。「愛なんて!」と笑い飛ばされたクレアも夢の中。


それで余計に2人の苦悩がはっきりした気がする。そこに加わるメアリーがアヘンに酔うのも強調されて、ほぼ全員が何かから逃避しているのだと分かる。


どの変更がどう働くのか分析できないけれど、全体的に登場人物それぞれの闇(怪物)がよく見えて、テンポ良く面白くなった。


メアリーが自分の小説の序文を頼みに行った時のパーシーが、何やらしっかりした男になっていて、彼もまた何かを乗り越えて前進したのだと思わされた。小説に関する助言をしたり、正式に結婚しようと申し出るのに違和感が無かった。もしかすると演じるキ・セジュンが良いのかも?


低俗にも初演時にバイロンとポリドリに怪しい空気を期待してしまったが、再演を見るとポリドリにとってバイロンはアヘンだったような気がする。自分の執筆を諦めてもバイロンの側にいたい気持ちや、バイロンの文章自体。快楽を与えるけど、自分をダメにしていくもの。


だから彼だけは本物のアヘンが必要なかったのかな!


反面、ポリドリに対するバイロンの感情をもっと知りたい気がする。9列目だったが、舞台が大きくて深くて遠かった。表情をもっと前で見たいものだ。