(17:22〜21:23)
どうしよう。服が少し…。事情があって私の服を洗うからと、この服を貸してくださったんですが…。やはり着替えた方が良さそうです。
いけません。つまり、あなたはお客人で、私がここにいるんです。
え?
私は何を言ってるんだ?
やはり洋服には慣れません。
似合ってます。ドレス姿が素敵です。どうしたのかな?私のフランス語が難しいのかな?
いえ、そうではなくて。鳥肌が立ちそうなことを表情も変えずに、法に触れるようなことを…。
法って何ですか。私の感情より重要なんですか?
いえ、公使様。
コレンと呼んでください。ここは法だの何だのが及ばない所ですから。
コレン。
リジン。招待に応じて下さり感謝します。
私はただ、シスターが朝鮮とフランス両国の外交が発展的に…。
文化授業?
ええまあ。
それでは、始めましょうか?ドイツでワルツは「波」を意味します。
「波」ですか?
恋に落ちた人間の心が、波のように上がったり下がったりするそうです。
波のようにうねる この心
良く分からない この心
輝くあなたの瞳
上がったり下がったり
永遠に続くだろうか
まずは正しい姿勢から。視線は正面。背筋を伸ばして、頭は少しだけ上向きで。
こうですか?
いいですね。では、右足から。1,2,3、1,2,3、1,2,3、回転!1,2,3、1,2,3、1,2,3。一度やってみますか?
はい。
ステップは 新しいけど
目の前に あなたがいるから
息をする一瞬一瞬に震える
でも私には あなたがいる
私に教えてくれますか?光の舞を。
光の舞?
「光の舞」と名付けました。私にはそう見えるので。
私に光りは見えません。私にとってはただの息詰まる単調な踊りです。
人が何と言おうと、私の目には「光の舞」でした。もっとも、常に輝いている人には見えないのかも。そうすると、自分自身を見つめれば光を見つけられるかもしれませんね。おっと、前言撤回します。行き過ぎました。
では、その「光の舞」を習ってみますか?まず呼吸が大事です。吸って、吐いて、吸って、吐いて。
息に染みこんだ人
胸に抱きたい人
いつか 戻ってくる人を
胸に刻む
ほんの少し離れても 彼女が消えそうで
上がったり下がったり
明日のために
上がったり下がったり
愛のために 上がったり下がったり
上がったり下がったり
波のような心 波のような心