11月24日
暗そうで敬遠していた作品だったのだが。
〈ラフヘスト〉の登場人物でもある詩人「イ・サン」についての物語であると聞き、興味をそそられていた。そこへ持ってきて発表されたキャスティング!観劇リスト上位に食い込んだのは言うまでもない。
難解で知られる詩人の作品が溶け込んでいるので撃沈覚悟で臨んだが、「イ・サン」に関する若干の知識と若干の予習のおかげか撃沈は免れた。極限の精神世界での丁々発止とでも言おうか。分からない部分に興味津々でまた観たくなるという点でも、私にとっては〈ザ・テイル〉系。(しかも演じている人が同じ)
予想より面白い。美しさを感じる。俳優だったり、音楽だったり、俳優の声だったり。とにかく歌は堪能した。3人ともパワーボイス!最後のナンバー「翼」の解放感たるや半端ない。カタルシス。
(感情移入を含め)高い技術力で舞台では常に余裕を感じるパク・ジョンウォンが、全力で舞台に立っている気がする。それだけ聴きごたえのあるナンバーが多い。観客としては幸福だ。
スンアン君は私のイメージとしては強いキャラの「超(チョ)」タイプなんだけど「海(ヘ)」。いじめられて苦しむ側(?)でも私は好きだが、いじめる側(?)も見てみたい。未見なのでどんな雰囲気かは分からないが〈R&J〉ではジュリエットを担当する学生2だ。これはどちら側?(話は逸れるが、同じ作品を2度はやらない彼が2回目の〈R&J〉に出るということは、よほどやりがいのある作品と思っているのかな?)
チェ・ジヘちゃんは若さ溢れる「紅(ホン)」。キャラクターとしてこの若さが吉なのか凶なのか、私の中に原型がないから何とも言えない。ビジュアルだけでなく歌声がとても美しい。とんでもない高音も美しく力強い。演技的にも最後の方は感情の奔流だった。
面白い演技をする俳優が集まっているし、圧巻のナンバーと惹かれるストーリーなのでリピ確定である。