〈ムーンストーリー〉観覧 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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韓国ミュージカル
想像と創造だらけの翻訳
(注意: 目標はネタバレ100%)
近頃はメモ付き写真アルバムとしても使用中。

もしかすると、今シーズン最も刺さった作品かもしれない。
(4回観覧分を追記)

 

 

① 9/28

 

トライアウトは2018年だったらしいが、コロナ中の2021年4月に初演を迎えた作品。今回は再演。

 

配信では観たことがあったが本物は初めて。正直映像をまともに観ていなかったので、ほぼ初見のようなフレッシュさがありはしたのだけど、

 

映像の10倍くらい魅力があるんじゃないかと思うほど惹きつけられた。

 

美しい孤独と美しい癒しの物語。結果、号泣。

 

ウッと涙が込み上げたと思ったら、いきなりボロ泣き状態に。

 

 

セットが2次元的なシンプルな作り、かつ登場人物が4人にもかかわらず、オープニングのナンバーが圧倒的なハーモニーで、なぜか大劇場のように舞台が華麗に見えた。

 

ドアセン音響が良いのか?ナンバーが良いだけじゃなくて、音に包まれる臨場感で没頭してしまう。

 

ちょっと意味深なスタートであるものの、コメディチックに始まり、月から来た子供が登場するくらいなので軽い話か?と思わせておきながら、胸にズシンとくる切なさ辛さで切り込んでくる韓国コンテンツ。油断してはならない。

 

個性ある登場人物に全員お似合いのキャストだった。リン役のチャン・ボラムさんは初めてだったが、複雑で様々な姿を持つリン役を色鮮やかに演じてらした。

 

リヒョン君は〈ワイルドグレイ〉のボシも良かったけど、やはりヨンの方がもっとお似合いで、破壊的な可愛さ。

 

突然だが、昔のフィギュアにはコンパルソリーという種目があった。課題の図形や直線をいかに正確に滑れるかを競うものだ。フリー競技などと合計して順位を決めていた。リヒョン君の歌はコンパルソリー的な面が弱くて揺れちゃうことがある。

 

だが不思議なのはそれが下手に聞こえない事だ。規定のコンパルソリーは弱いが、総合的に表現するフリー競技がめっちゃめちゃ上手いイメージ。すべてひっくるめて訴えてくる芸術点が高いのだと思う。私にとっては。

 

 

② 10/31

 

本来はイム・ジニョク君の〈こんなに普通の〉の予定だったが、当日にキャスト変更の知らせが来た。ジニョク君は2本掛け持ち+ドラキュラ準備で大変なのだろう。

 

大急ぎでキャンセルし、急遽ムーンストーリーへ。残念だがムーンストーリーを予定外に早く観られる嬉しさもある。

 

悲しくて、切なくて、暖かで、結局幸せな気持ちで劇場を出る。この幸せ感がクセになる。

 

そして本当に音楽も好き。


2回目だと、イホン、リン、ヨンの3人が賑やかに会話しているシーンで、隠れた関係性がはっきり示されているのに驚く。こんなにヒントが転がっているのに、なぜ気付かなかったのか!確かに瞬間的に「ん?」とは思った。1回目も。


うまいことしてやられたのが痛快だ。


ジヌク君は久しぶり。声が大好きだ。大劇場向きの声の持ち主だと思う。釜山で〈レミゼラブル〉出演中でもある。

 

リン役のチョン・ジョンファさんとはリアルご夫婦ペアだ。キャストでジヌク君を選ぶとジョンファさんが付いてくる。釜山に同行しているから必然的にソウルにいるタイミングが同じで共演が多いんだろうか。正直他のリンも観たいのだが・・・。

 

カンチャン君のヨンは期待していた。顔は可愛いが10年選手だ。歌も演技もめちゃくちゃ上手い。コンパルソリーも、フリーも安定のベテラン感がある。

 

 

③ 11/4

 

本日のスケジュール

マチネ、14:00〜16:30 〈燃ゆる暗闇にて〉

ソワレ1、17:00〜18:30 〈こんなに普通の〉 (実際の終了は18:40)

ソワレ2、19:00〜20:40 〈ムーンストーリー〉

 

朝、洪城(ホンソン)の地方公演から戻った日。最初のソワレが終わっても、もう1本見られる事に気付いた。体力が持ちそうだったので、急遽追加。

 

ダオン・リンも観られた!音域が広いこと!でもリンとしてはボラム、セヒムの勝ちかな。

 

期待してなかったジウン・ヨンが良くて拾い物。可愛くて歌うま。ソフトな声に癒される。

 

タイトルに騙されるのか、実際見たらイメージと違う(かもしれない)ムーンストーリー。ここまでしても観たい作品。


 

 

④ 11/21

 

今回特に良かった気がする。

 

配信を見た友人に、この作品そこまで良い??!!と言われ、何が良いのか考えてみた。

 

ホームシアターでもない限り、劇場の音響は味わえないのが一つ。音響が良い。さらに大きいのは生身の人間が目の前で苦しんだり泣いたり癒されたりすること。彼らの後悔、寂しさ、生きる辛さ、そしてそれに寄り添う温かい応援の心に波長を合わせると…涙がぶしゃー。


さらに言うと、初回のイホンが長身のイケメンだったこと。これは実に重要だ。今日もそのイホン、ソンヨンさんである。ジヌク君も長身イケメンだが、ソンヨンさんの方が甘さのあるイケメンだ。ジヌク君はなぜかやつれメークが濃い。(もしや本当にやつれているのか?)

 

この回を見た直後の要約がこれ。

 

イホン:孤独が映えるやつれててもイケメンなのにかわいい長身ロングコートラブ死ぬ

 

リン:かっこかわいいグラサン強そうなくせに泣き虫イホンを見守ってる愛深い

 

ヨン:反則ディテール多すぎ泣かされる泣くうさぎ本人もボロ泣き剥製して何度も見たい

 

スヨン:ださいけど最高世界を救うスヨンニコニコ

 

セヒム・リンは泣いてる率が高い。聞いたら1番感情的なリンなのだそう。「ヨンは実在しない!」とイホンに言われた後、たった1通の手紙を何度も天に差し出しすがポトリと落ちてしまう。イホンが否定したせいで届かなくなったみたいに。その切実な様子がとても印象的だった。

 

今日は私がキャッチできただけで、カンチャン・ヨンとしては普通なのだろうが芸が細かい。街中で仲間を探す時、誰かに叱られたみたいに「すみません」と謝る。大都会で独りぼっちで探している彼の微力さを感じる。リンの手紙で「しばらくリンの事を忘れていた」と読んだ後、祈りのジェスチャーを最後までできなかったり。寂しさ辛さが伝わる。膝立ちでちょこちょこっと進むのがやたら可愛かったりもする。

 

どうやって見せれば観客の想像力を最大限に刺激できるのかしっかり把握している気がする。

 

 

⑥ 11/23

 

ご褒美のOSTをもらえるスタンプがこの1回で完成なのと、〈インタビュー〉ジョアン役で気になっていたヨンファ・スヨンも観たいので、最後のムーンストーリー。

 

結局観たスヨンは全員良かったので、彼女が特にどうとは思えずに終わる。

 

ジヌク・イホンは音響を少し絞らないと全体のバランスが崩れる声量だ。

 

ジウン・ヨンは今回もなかなか良いと思ったが、カンチャン・ヨンが素晴らしく良いので平凡に見えてしまう。

 

こうなるとリヒョン・ヨンを1回しか見ていないのが心残り。弾丸を企てようかとも思ったが、マッコン近くはずらっと満席だったので、企てる前に挫折した。助かった。