A:俺と飲んだじゃないか。
(エリックがフィリップと出会った過去に戻る)
フィリップ:俺はフィリップ。なんでいつも1人なんだ?カッコいいこと、見せてやろうか?
声:どこのどいつだ?!おい!
フィリップ:逃げろ!
君はそうして 僕のところに来た
僕の世界を壊して入って来た
フィリップ:心配するな。大人はもっと悪い事してるんだから。飲もうぜ。
エリック:これ何?どこから?
フィリップ:いいだろ?味はどう?
エリック:甘い。
フィリップ:おまえも大人になったのさ。
君が僕に教えてくれたのは
人生の苦さと 甘い自由
僕が君から学んだのは
本当に気持ちが楽な感じ
フィリップ:ほら見ろ。何日か学校に行かなくたって誰も気にしない。きっといない方がマシだと思ってるさ。お前の父さん母さんは何してる人?
エリック:父さんは酒ばっかり飲んで、母さんは寝てばかりいる。朝から晩まで家から1歩も出ない日もある。
その時 僕たちが感じたのは
君がいるから大丈夫だって気持ち
その時 ただ1つ怖かったのは
また1人ぼっちで残される時間
男:ガキども、学校をサボったな。だめだろ。なんだお前は。まだ夏の制服か?寒くないのか?ママが冬の制服くれないのか?返事が遅いぞ。
お前の友達か?おい、こいつの目を見ろよ。薬でもやってるんじゃないか?
フィリップ:もう一回、ふざけた事言ってみろ!エリック、行こう。
僕たちはそんなふうに親しくなった
喜んで似ていきながら
君が僕に教えてくれたのは
一緒にいれば強くなれるってこと
その時 僕たちが分け合ったのは
苦しみから抜け出す方法
エリック:ただいま。母さん、僕ケンカしたんだ。
母親:面倒なこと言わずに出てって。
フィリップ:そんな隅っこにいないで出てこいよ!
その時 僕たちが感じたのは
君がいるから大丈夫だって気持ち
僕たちはそうやって大きくなった
僕たちはそうやって大人になった
フィリップ:俺はここから脱出できたら旅行するんだ。
エリック:どこに?
フィリップ:ランズエンド。
エリック:そこに、なぜ?
フィリップ:何となく。地面の最後に何があるのか知りたいだろ。絶壁しか無いんだって。お前は行きたい所ないの?
エリック:僕、ジェットコースターに乗ってみたい。
フィリップ:スリル最高だな。だからとりあえず、金を貯めてる。
エリック:僕と一緒に行こう。
(フィリップに嫌いなことを尋ねられたエリックは、何年間も毎朝食べ続けているピーナツバターと、貧乏なのをいつも馬鹿にしてくるクラス委員のアンジェラだと答える。)
とてもほのぼのとした曲調なのに、こちらを辛くさせる要素がたっぷり入ったナンバー。
辛い現実の中で救ってくれる大人も導いてくれる大人もいない、心を許せて安らげるのがお互いの存在しか無い2人。
エリックの世界を壊して入ってきたフィリップ。孤独から救われて、2人なら強くなれて、似ていきながら大人になって。
そんな事を学んで似ていっちゃいけないのに。そんな風に大人になっちゃいけないのに。
こんな環境に放置しておきながら罪を問う社会が…それこそ許せない。
(カテコではなく本番では)ランズエンドに一緒に行こうと言うエリックにフィリップがとても複雑な視線を向けるのは、彼がそこで死ぬ事を考えているからだそう。
エリックがジェットコースターに乗りたいのは、家族や友だちと一緒に乗るものの象徴だからとのこと。どれだけ孤独なんだ。