ヒョン・ソクチュンが語る〈少年A〉
〈ザ・テイル〉特集だけれども、ヒョン・ソクチュン君が〈少年A〉に出演しているので、少し語っている。
(4:25〜6:17)
スンアン:最近は何してるの?
ソクチュン:〈ザテイル〉と〈少年A〉。
スンアン:〈少年A〉の宣伝しなよ。どんな話?どんなメッセージ?
ソクチュン:それは明確。人によって視点は違うとは思うけど、罪を犯した人が刑を終えて出てきて、社会の一員として、一歩を踏み出すことができるか、そんな質問を投げかける作品かな。
スンアン:社会的メッセージが強いんだな。罪の報いを受けたけど、社会に混じることができるか?
ソクチュン:生きていくことができるか?
スンアン:それを与えるか、与えないかと言う質問を投げかけるわけか。
ソクチュン:もちろんそれはどんな犯罪だったかによって違うだろうけど。とにかくそういう本質的な質問を投げかける作品。
スンアン:どんな罪を犯したの?
ソクチュン:10代の頃、両親のひどい無関心と家庭暴力に苦しんでいた子なんだけど、友達もいないからすごく孤独なの。で、自分に似た友達ができた。でも、その子がクラスメートの学級委員の女の子を殺しちゃう。
スンアン:友達が?
ソクチュン:そう。殺すのを知っていても傍観した。止められたのに。なぜか?唯一の友達を失うかもしれないから。
それで刑を終えて出てきたけど、話題になるんだ。ある女の子を助けるんだよ。それで顔が新聞に出て、あいつだって。
スンアン:英雄になったんだけど?若干、レ・ミゼラブルだね。
ソクチュン:それで再び社会から捨てられるって言う内容なんだ。
スンアン:最後に捨てられるの?
ソクチュン:捨てられて、そして自分である選択をすることになる。そんな質問を投げる、作品。
スンアン:どうすればいいんだ?
登場人物
ジャック
本名を隠し、新しい名前で
新しい人生に第一歩を踏み出す少年
「よくわかりません。
僕にうまくできるでしょうか」
ジェッド & A(2役)
ジェッド* 子供の頃、両親の離婚で
父性愛に対する欠乏があるテリーの息子
「一度でもただ僕に本気だったことはあるの?」
A* ジャックと一緒に犯罪を犯した
ジャックの幼い頃の友達
「僕をこんな風に
一人で放っておくつもりか?」
クリス
ジャックが新しい人生を得た後に出会う
最初の友人であり、人生で2番目の友人
「僕は誰でも新しく始める資格があると思う」
テリー
少年院からジャックを担当した保護観察官
「果てしない許しを請うのだろう。
私たち皆が誰かに対してそうであるように」
インターパーク観覧後記
信じてくれる誰かが私のそばにいれば
会社で面接を受ける時、過去の履歴を尋ねる。あなたは過去にどんな仕事をしたのか、家族がいるのか、そしてどんな人だったのか。経歴者の場合は評判照会もする。私と一緒に働いていた同僚や上司に連絡して、彼はちゃんと仕事をしたのか、性格やチームワーク、どんな人だったのか聞いてみる。
私たちは過去を通じて人を評価するのに慣れている。私も誰かに言えない過去がある。他の人に分かるのが怖くもある。10代の少年犯のジャックが23歳で出所して社会生活を始めるためには、過去の自分が犯した犯罪を言えないように...過去の苦しみの中で今の私が生きていけたのは、私を信じてくれる誰かが私のそばにいたからだ。
あなたも私の心を理解して、私もあなたの痛みを理解して、そうやって私たちはお互いを慰めて、過去ではなく現在、これからの未来を見つめる。しかし重要なのは、過去によって誰かに痛みと傷を与えたなら、真の謝罪と反省を被害者に前もって行ってやらなければならない。
10代のジャックと一緒に幼い頃、同級生のアンジェラを殺害したフィリップ(A)との友情は義理ではなく、犯罪を犯した共犯だ。少年犯になって出所したからといって、彼の犯罪歴は消えない。過去は過去であるだけで、現在が重要だという主張はあまりにも利己的ではないか。ジャックが出所して一番最初にやるべきことは、被害者の家族に本当に謝ることだった。10代の一瞬のミスかもしれないが、被害者の家族は相変わらず地獄のような人生を生きている。
誰でも隠したい過去がある。過去のトラウマから抜け出すためには、本当に私を愛してくれて、信じる人が私のそばで助けなければならない。ジャックが世界から出ることができたのは、テリーとクリスが隣にいたからだ。テリーも、そしてクリスも隠したい過去がある。でも彼らは過去について聞かない。お互いの傷を暴くよりは、すでに知っている傷を癒して、もっといい人になれるよう成長できるように連帯しなければならない。
〈少年A〉は、同級生を残酷に殺害した罪で少年刑務所に収監された少年が仮釈放された後の人生を描いた公演だ。「ボーイA」とは、犯罪を犯した少年を保護しようと実名に代わる名称であると同時に、緋文字のように消えない烙印を意味する。2004年に発表されたジョナサン・トリゲルの小説が原作で、2007年に同名の映画で制作された。
原作小説はイギリスを揺るがした「ジェームズ・バルジャー事件」を題材にする。1993年、イギリスのリバプールのあるショッピングセンターで「ジェームズ・バルジャー」という2歳の男の子が行方不明になった。この事件は放送を通じて大々的に報道され、人々は子供が親の懐に無事に帰ってくることを望んだ。しかし、子供は冷たい死体で発見され、2歳の子供を残酷に殺害した犯人が10歳しかいない少年たちだったという衝撃的な事実が明らかになった。この事件はイギリスの犯罪史上最も衝撃的で悲しい事件として記録され、イギリスをCCTV天国にするきっかけになった。作家ジョナサン・トリゲルはこの事件を題材に少年犯罪に対する赤裸々な現実を告発した作品「boy A」を執筆し、イギリス最大の製作会社Film4とジョン・クロウリー監督によってスクリーン化された。
ストーリー構成は、ある少年は長い時間服役を終えて「ジャック」という新しい名前で末永く断絶した世界に飛び込む準備をする。保護観察官のテリーの助けを借りて仮釈放されたジャックは、新しい職場や友達など切実だったすべてのものと向き合うことになる。しかし、時間が経つにつれ、過去を隠しているという罪悪感も深まる。
ある日、交通事故現場で子供を救ったジャックは地元のマスコミを通じて英雄として浮かび上がるが、同時にボーイAの釈放のニュースが伝えられ、彼の過去が明らかになる。優しかった人たちは残酷な過去の前に冷たく豹変し、世界は少年を押し出し始める。
話を不幸の始まりだった幼年時代と偶発的殺人に参加するようになる過程、そしてジャックの出監後の生活に集中するという点が特異だ。観客がジャックに対して加害者だけど思いやりの感情を感じさせるという点と、少年犯に対する社会的な認識、そして最近の話題である犯罪者の身の公開について悩むようにする。
バックスクリーンと照明を通して、ジャックとクリスが働くマート、テリーとジェッドが住んでいる家の舞台演出をした。
ジャック役のヒョン・ソクジュン俳優は10代で殺人罪で収監されたが、23歳の成人になって仮釈放されて新しい人生を夢見る演技をよく見せてくれる。体は大人になったけど、心はまだ10歳のまま止まっている大人の子で、過去に対する罪悪感まで抱えている複雑で難しいキャラクターをよく表現する。
ジェドとA役のジョン・チャンホ俳優は、両親の離婚後、母と一緒に暮らし、父テリーへの恨みと欠乏を抱いたジェドと、ジャックの幼少期の友人であり、同級生を一緒に殺害したAを1人2役の演技をよく見せてくれる。特にA役で絶えずジャックを精神的に苦しめる演技を見せてくれる。
クリス役のイ・ドンス俳優はジャックが仮釈放後初めて付き合った友達としての演技をよく見せてくれる。
個人的にはテリー役のキム・テハン俳優の演技と歌が目立つ。ジャックの担当保護観察官で、ジャックが罪を悔い改めたと信じてくれる唯一の大人だ。唯一本音を語れるたった一人であり、「ジャック」の社会復帰を助けるメンターで、今私たちの社会に必ず必要な大人の姿ではないかと思う。声のトーンが良くて、発音と歌が安定している。
公演が終わった後、俳優たちのウェルカムステージの挨拶があった。演技をしながら感じた感情と観客に伝えたいメッセージを伝えた。カーテンコールデーだから写真撮影ができて公演の思い出を残すことができてよかった。
子供の頃、ひどい犯罪を犯して処罰を受けた後、社会に復帰しようとする青年と過去の少年犯と向き合うようになった社会の反応、そして少年犯罪に対する贖罪と許しについてもう一度考える機会を与えてくれる今回の公演、〈少年A〉を心から推薦する。