〈人間の法廷〉観覧(映像追加) | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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韓国ミュージカル
全ては自分の予習復習のため
(注意: 目標はネタバレ100%)
近頃はメモ付き写真アルバムとしても使用中。

(あらすじ) 

AIを搭載したアンドロイドがありふれた22世紀初頭。 

 

会社員ハン・シロは、自分のDNAをもとに製造されたアンドロイドを注文する。届いたアオと家族のように生活していたハン・シロは、ある日アオに意識がないことに気づき失望する。 

 

ハン・シロはアンドロイドに人と同じ意識を付与する意識生成器を闇市で求め、アオに設置する。 

 

意識を持つようになったアオは更に人間に近づいたが、自分の存在に対する懐疑に陥る。その上、アンドロイドが守らなければならない規則をアオが頻繁に無視し、ハン・シロとの間に葛藤が生じる。 

 

ある日アオは突然混乱を起こし、ハン・シロを殺害して逃げる。警察に逮捕されれば、裁判なしで直ちに廃棄される運命に直面したアオ。彼はロボット法専門弁護士ユンピョを訪ねて助けを要請する。彼らはアオも人間のように刑事裁判を受ける権利があると主張し、警察庁所属弁護士と法廷攻防を繰り広げるが…。

 

10月29日

去年のDIMFミュージカルスターに入賞したハラム君が現実の舞台に!キラキラ

応援せねば!飛び出すハートと意気込んだものの、カテコでは黄色い歓声が上がっておばちゃんの応援は不要だった笑い泣き

やばい。可愛いラブ!息子がまた1人増えてしまう。

 

 

幼い頃母を失い孤独に生きて来たシロは、共感してくれる家族のような存在が欲しくてアオを入手する。しかし人間のように見えても相応しいと解析された反応しかしないアオに失望する。

 

 

そこでシロは彼に意識を与えるが、自意識つまり自我を持ったアオは悲しい気分の時に楽しい歌を歌えなくなり、家にいろという命令に背いて自分が製造された工場を見に行ったりしてしまう。つかみかかるシロの手を思わず振り払い、自分で自分の反応に驚くアオ。

 

以前、アイデンティティが混乱したアンドロイドの投身自殺で下にいた人間が巻き添えになり、意識生成器が禁止された経緯がある。

 

ある日目覚めたアオは自分がシロで、アオが自分の恋人と眠っていると勘違いしシロを殴り殺してしまう。

 

「どうしたらいいですか?」

彼はこう言って弁護士に助けを求める。公判が進む間、アオは何度も「生きたいんです。どうしたらいいですか?」と言う。

 

 

考えてみると、これはAIだったら絶対に発しない言葉ではないか?AIというのは手持ちのデータから判断して、その中で最善の回答を必ず導き出せるものだと思うのだが。それはつまり、AIとして導き出した答えは「廃棄処分」だったということか。

 

「生きたいんです!」という可愛いアオに生きさせてあげたくなる。人間と全く同じ精神をもってしまったとすれば、明日壊される、というのは耐えがたいことだ。

 

 

人間が動物と異なるのは、自分が思考していると意識できること。意識が積み重なって感情が生まれて意思が生じること。

 

 

では、感情があり意思のあるアンドロイドは単なる機械なのか?それとも、法によって守られ裁かれるべき存在なのか。

 

持ち主の不法行為によって意思を持たされてしまったとすれば、全ての結果の責任も持ち主にあるのではないか?

 

弁護士は「すべての国民は法によって裁かれなければ罰することはできない」という法律の条文を根拠にアオにも裁判を受ける権利があると主張する。アンドロイドが「国民」か?と警察庁側は呆れるが、外国人にもその法律は適用され、意識を持つアンドロイドにも同様に適用されるべきだと主張する弁護士。

 

 

弁護士と検察官は人間だが、判断を下す判事はAIなのも怖かった。なので最後まで判事の心証を知ることはできない。

 

 

11月1日

歌も踊りもうまいアンドロイドの設定で、楽しい曲と言う主人の注文に、このアオが「昔わずかな期間に流行したVIXXの曲」と説明してガッツリ歌い踊ったのには笑った。ケン君だけバージョンと思われるので、テヤンさんだったらまた別のバージョンがあったのかも。

 

 

この作品、何が面白いと説明できないけど、なぜか飽きずにずっと見守ってしまう。

 

俳優たち、特にアオの熱演に感情を刺激されずにはいられない。

 

シロが悪ふざけをして、アオに自分の恋人ミナとキスさせてはアオの記憶を消していたことがブラックボックスの調査から判明する。単なるAIならデータを消せば終わるが、意識生成器を取り付けてからは、いわば深層心理にその記憶が残り事件につながったと結論が出る。

 

複雑な思いが渦巻いてきて、

「人間はなぜこんなに残酷なんですか?」

ひたむきなアンドロイドの問いに胸をつかれて涙が出た。

 

アオは裁判権が認められ勝訴する。だが合成音声の判事は続ける。

「裁判の開始まで、アオは機能を停止し裁判所で保管することとする。」(多分)

 

弁護士はこれまでと同じように自分の家で一緒に過ごせるよう要請するが判決を覆すことはできない。

 

「結局これは人間のための法廷だったのか」と絶望しうろたえるアオ。その場所を動くなと判事は命令するが、どうしたら良いかわからず右往左往してしまうアオのスイッチが強制的に切られてしまう。(どうやるのか知らないけど、リモートで切られてしまう。)

 

 

多分、観客それぞれの価値観や置かれている状況によって千差万別、様々なことを考えさせる作品だったと思う。

 

単にミーハー的にアンドロイドたちが可愛いのも魅力だ。なので余計に感情移入してしまうわけだが。

 

でも、うーん、何かが足りない。状況設定と判決内容、消された記憶の秘密とかが、どうもしっくり噛み合っている感じがしなくて、メッセージがあやふやと言うか、見終わってちょっと化かされたような気分が無くもない。

 

ズッシリした作品を観たような気もするけど、何がどうズッシリしてたのかは良く分からない、という感じ。

 

 

ナンバーもストーリーとしてスムーズに流れていくのだが、耳に残って何度も聞きたくなるものがあまりない。

 

そうは言っても面白くなくはないので、時間があればアオを全員観ていたと思う。