「今度韓国でも〈ベートーベン〉やるから見比べてみるね。」
「いや、あれは別物だから。〈ルドウィク〉の再演予定は無いと思うよ。」
そんな会話の直後に〈ルドウィク:ベートーベン・ザ・ピアノ〉の再演の知らせがあってびっくり。
「ルドウィク」
(声的に)重量級の方々。
右下のペク・インテさんは存じ上げないが、声楽家(ポップオペラ)なのだそう。今ではすっかりミュージカル俳優のKAIさんも初めの頃はそんなタイトルだったような。
「青年」
役名が「青年」なんで、登場人物全員の青年時代を担当する。
キム・ジュニョン君は「青年」経験者。21年8本、22年は7本のミュージカルに出演している人気者。
キム・ジェファン君はバンジーで観て役作りがうまかった。
ジョフン君は〈タッチング・ザ・ボイド〉で飄々とした役で観たので、アツい役どころだとどう変わるのか楽しみ。
初めましてのイム・セジュン君。歌手なのね?ジェファン君と共に〈イコール〉に出演していたとのこと。実力派なのかな?
「マリー」
イ・ウンユルさんは「マリー」経験者。
イ・ジヨンさんは〈キング・アーサー〉のギネビア。
ユ・ソリさんはこれが2作目で、前作は〈笑う男〉のデア!透明な美声だった!
「バルト」
役名は「バルト」。もちろんチビ・ルドウィクも担当。以前のバルトたちは素晴らしいピアノの腕前を披露してくれたが、今度はどうだろう?
キム・シフン君は〈ファントム〉や〈ビリーエリオット〉に出演。
パク・イドゥン君も〈フランケン〉経験者。
2人とも大物!
「ピアニスト」
今回は3人。
この冬は〈ウェストサイドストーリー〉〈ムーランルージュ〉〈ベートーベン〉など、大作ぞろいで、チケット価格もそれぞれ16万w、18万w、17万w。
〈ルドウィク〉は大学路では典型的な、R席6.6万w、S席4.4万wというお値段。大劇場の価格はその3倍。満足感も3倍…まではいかないと思う。
小劇場作品であっても資本が投下されていて豪華な舞台も多いし、質も高い。様々なジャンルがあるから好みの作品を選びやすいが、そこに頑として立ちはばかる言葉の壁。
大劇場以上に言葉の壁が高いのは否定できない。なので気楽にオススメできない。でも良い作品は多い。困った。
なので〈ルドウィク〉のように日本語で見ているかもしれない作品はぜひ経験してほしいと思う。
実は初回のチケットオープンは昨日の14日。日によって数席残っている状況。3月までやるのでいつかチャンスがあったら是非大学路に足を運んで欲しい。
日本版の観劇後の話だが、
韓国版ファンによる
「だってやっぱり壮年ルードヴィッヒが主役なんだよぉ。」という叫びや、
〈ルドウィク〉は未見、〈ルードヴィヒ〉も初めての方の
「ベートーベンが2人いる必要性は?」という素朴な疑問を目にして、
改めて韓国版を振り返ることになった。(勝手に引用ごめんなさい。)
ベートーベンが2人と感じるのは同年代を演じる俳優が2人いるからと想像する。うん。まったく自然な感想だと思われる。
青年時代から壮年まで継続して演じるなら、もう一人の存在の必然性は薄まるしかないのでは?
正確に言うとベートーベンは2人じゃなくて3人。死を目前にした老年ベートーベンが「少年時代」「青年時代」「そして中年から現在に至る自分」の人生を振り返るのが基本構成と言えるんじゃないだろうか。当然「壮年ルードヴィッヒが主役」だし、「少年」と「青年」が過去の各時代を代表する構成でとてもすっきりしていたと感じる。
韓国版の〈ルドウィク〉は今シーズンをラストと銘打っている。最後のチャンスなのである。