VIP席=16万ウォン、ミュージカルマニアたちが「カモ客」扱いに怒った理由【イシュー&トーク】 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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元記事

[TVデイリーファン·ソヨン記者]

 

ミュージカル界が更なるチケット価格引き上げで痛みを経験している。

 

12日、ミュージカル〈ウエスト·サイス·ストーリー〉の全体キャストと共に公演関連情報が公開された。チケット価格引き上げのニュースが奇襲的に通知されると、マニア観客の間では否定的な世論が形成された。 

 

 

 

 3年ぶりに「また」引き上げ、問題点はそのまま

 

大型ミュージカル公演場の座席は通常VIP、R、S、A、多くはB席まで分ける。VIP席は1階席の前区域、中央区域を中心に策定され、R席は1階サイド区域、後ろ区域、2階前区域などにされる。11月に開幕する同公演のチケット価格はVIP席16万ウォン、R席13万ウォン、S席10万ウォンなどとなった。これまで一部の来韓公演が18万ウォン台の価格帯を形成したことはあるが、国内プロダクションが製作する公演が「VIP席15万ウォン」という不文律を破ったのは今回が初めてだ。

 

2010年以前に12万ウォン台で維持されていたVIP席価格は2011年頃に13万ウォン台を形成し、2014年に一部公演を通じて再び14万ウォンに引き上げられた。R席は11万ウォン台で維持されてきたが、2015年の一部公演を起点に12万ウォンに引き上げられた。以後数年間同じ価格帯を維持してきたが、2018年別名「週末差等制」が本格的に導入され金、土、日の3日間はVIP席価格が15万ウォンまで上昇する状況が起きた。その後、全日15万ウォンが適用される公演が増え、VIP席15万ウォン、R席13万ウォンが新たな基準として定着した。

 

今回の上昇は約3年ぶりの変化だ。この3年間、ミュージカル界はCOVID-19の余波をまともに受けた。ここに物価上昇率、人件費、製作費増加などが続き、この負担がそのままチケット価格に加わった。また、一部の公演製作会社では16万ウォン以上の価格帯をめぐって議論が交わされたりもした状況で、短期間帯に追加的な引き上げがなされる可能性も高い。

 

しかし、引き上げのニュースに接した観客たちは怒りを爆発させている。特にチケット価格が上がるからといって直ちに公演の質が目立って上昇するわけでもなく、支払った費用に見合う状態のVIP席が確保されていない状況で価格が引き続き上昇しているという点が問題として指摘されている。

 

客席の等級を付けることは製作会社固有の権限であり、公演ごとにセット形態、舞台の高さなどによって視野が変わる可能性があり、正確な基準は存在しない。しかし、通常は1階客席の中央部分を越えれば舞台との距離が遠くなり臨場感が落ちることになり、サイド座席もやはり中央ブロックから一定角度以上離れれば舞台の片方が隠れて完全に観覧できない部分が生じかねない。そのため、客席間に差をつけて価格を策定するのが一般的だ。2階、3階の客席にそれぞれ異なる価格をつけるのも同じ原理だ。

 

しかし最近、大劇場では1階の客席の大半がVIP席に策定されるのが慣例として定着した。従来は1階客席の前区域、中央区域中心に策定されてきたが、数年間少しずつ後部座席とサイド区域を含め、結局は視野を問わず1階座席のほとんどが同じ価格になった。自然に「チケット価格」対「観客の満足度」が落ちるしかない。VIP席価格ははるかに高額だが、舞台との距離、角度、視野などによって細分化された基準で価格差別化をするブロードウェイとは対照的な歩みだという指摘が続いている。

 

 

 悪循環の繰り返し、奇形的な製作環境はそのまま

 

国内ミュージカル市場は2000年の年間売上高の規模が100億ウォン台から20年ぶりに年間4000億ウォン台を突破し、40倍に達する急成長を遂げた。だが、人口5000万人という多少狭い内需市場で収益を見ると、米国ブロードウェイ、英国ウェストエンド、日本市場などに比べ多少奇形的な形態の製作·観覧文化が定着するようになったのが事実だ。

 

内需市場が狭く観客層が限定されているため、通常国内では無期限に公演を上げるいわゆる「オープンラン」形態の製作が難しい。そのため、公演製作会社は国内状況に合わせて2~3ヶ月という短期間で毎回新しい公演を上げる。毎回公演を上げるたびに舞台セット、衣装などを新しく製作しなければならないため、基本費用が上がる。短期間に確実な収益を出さなければならないため、マニア観客の多回観覧を誘導したり、あるいは一般観客を劇場に誘引できるスターキャスティングが盛んで、これによって全体的な製作費が上昇してきた。

 

この製作費を回収するためにチケット価格がまた上昇し、観客を誘致するためにまた別のスターキャスティングをする悪循環が繰り返されるので、これを支払わなければならない観客の負担は年々重くなている。また、チケット価格の相当部分がスターたちのギャラにつぎ込まれ、公演スタッフたちの処遇は改善されないなど、業界全般の問題点が解消されず不満が積もってきた状況だ。このような状況で「VIP席16万ウォン時代」が開かれるのが適切な引き上げなのか、懐疑的な反応が続いている。

 

最近、国内映画館街は前例のない水準の値上げを断行したが、逆風にさらされた。 観客がチケット価格引き上げに負担を感じ、これが観客不振につながり、夏の看板映画がまともに打撃を受けている。大衆的な文化生活として定着した映画市場の状況がこれだが、ましてミュージカルは大衆化に成功したと見るにはまだ無理がある。「贅沢」に近いジャンルだ。チケット価格を上昇させる業界の構造的矛盾を正すことができないまま断行した無理な値上げが、ややもすればミュージカル市場全体を沈滞させかねないという観客の憂慮が続いている。

 


 

チケットの座席指定ができて、キャンセルも比較的自由にできる韓国システムが羨ましいと感じることも多いながら、価格がどんどん上昇する時期を実際に経験してきて、さらに円安となると、弱り目に祟り目だ。悲しい

 

ただ、2017年から通い始めた私が価格12万ウォンの記憶があって、14万ウォンに上昇したのも経験した気がするので、記事に記載されている価格上昇時期とは認識がずれる。

 

それにしても、1階のごく前方席と、2階席の真ん中あたりが同価格というのはヒドくないか?しかも16万ウォン?VIPってネーミングはおかしい!

 

記事にもあったように、本当に選りすぐった良席を更に高額で売っても良いから、その分客席の等級をもっと細分化してほしい。

 

しかし2〜3ヶ月を短期と言っている。良くは知らないが、日本では四季など大手の作品以外は1ヶ月前後の興行期間をよく見る気がする。セットなど経費の元がとれるんだろうかといつも思う。