韓国版〈ウェストサイド・ストーリー〉のキャストが話題です。
人気の俳優たちが顔を揃え期待が高まる一方、愛する作品がどう料理されるのか心配する気持ちもあるようで、その気持ちは良く分かる。
ちょっと違う話だけど、近頃、韓国でライセンス物、つまり非韓国産の作品を観ることについて考えることがある。
今年見たライセンス物の中には、楽しく愉快だけど韓国的な胸のチリチリが感じられず物足りない作品もチラホラ。
せっかく韓国で観るなら、まずは韓国の創作物を観たら?と自分に聞いてみたりする。
韓国産ではあるものの、〈笑う男〉と〈マタハリ〉はクリエイティブスタッフがワイルドホーンさんたちだったりして、続け様に見ていると、畏れ多くも、似たパターンだなーと思ったりも。
でもそれはワイルドホーンさんの楽曲の責任ではなくて、大劇場作品の宿命と言うか、メインキャラクターがキラーナンバーをわーっと歌い上げるや拍手喝采というパターンに飽きるのかもしれない。(何というバチ当たり)
超絶歌唱力に酔うのも悪くはないし、実際酔ってしまうのだけど、拍手する余裕もなく、固唾を飲んで物語に集中し続けるような濃い大学路作品が恋しくなったりもする。
大劇場でも〈フランケンシュタイン〉なんかは息を殺して見守る感じなので、あくまで作品自体のスタイルの違いであって、大劇場/小劇場の違いとするのは間違いか?
そう言えば〈フランケン〉は韓国の作曲家による創作ミュージカルだった…。
大劇場の舞台規模が魅力であるのと同時に、頑として存在する物理的距離と俳優との距離。結局大劇場作品はショーなのだと悟る。
実は何が言いたいか?
「小劇場の魅力はハマると強力だ」
「韓国の音楽家によるナンバーには魅力的なものが多い」
「すなわち魅力的な作品も多い」
手持ちの作品から言うと〈こんなに普通の〉〈ワイルドグレイ〉もそうだし、ちょっと前の〈ブラック・メリーポピンズ〉〈スワッグエイジ〉とかもユニークだ。
今、リピしてしまうのは〈銀河鉄道の夜〉。ジョバンニはジョンウォン君の方が表現が深い気がするのだが、カンパネルラはそりゃあイケメンの方が気分が…というのは私の場合。好みは人それぞれだから、キャスト違いの見比べを楽しんでみたら?