(ジョン、微動だにせず燃え上がる小説を眺める。)
バイロン：今日は誰もがふざけて笑う日なのに、私たちはまるで死刑式じゃないか。遺憾だよ。
(ヴァンパイア･テイルの燃え残りをつかみ、散らす）蝶みたいだ。
♪♪♪
(ジョン)
自分を闇から抜け出させたくて
白い森を歩いた
濃い闇に染まらないように
カシミールの蝶を追って
そうして夢を見ながら
消した時間を生きる
目覚めれば誰なのかも分からない
夢を見ながら歩く
目覚めて夜を歩く
私も知らない夜を生きる
そこで終わってしまえばいいのに
そこで止まればいいのに
目を覚まさなければ
永遠に歩いていれば
私の肩にカシミールの蝶
輝く翼を畳んで 私にささやく
あなたの体は 私の墓
あなたの体は 私の墓
ジョン：あの時、短刀で僕が殺したかったのは！あの短刀で僕が刺し殺したのは！！
♪♪♪
(ジョン)
3年前のあの夜の 隠れた破片たち
目を覚ました時 手に短刀と赤い血だけが
あなたを密かに盗み見る 僕の瞳
鏡に映る あなたを渇望する僕
ジョン：あなたは会っても気づかないだろうと言ったでしょう？ イアンテは···僕です。
(教会の鐘の音が12回鳴る。)
バイロン：イアンテ、君のエイプリルフールが真実で終わった。私もこれ以上嘘をつくのはやめよう。
♪♪♪
心臓が止まりそうな
冷ややかで 不気味な灰色の瞳
鉛色に染まった両頬
視線を奪う魔性の貴族
どこにも存在せず
どこにでも存在する
生と死の間
生きてもいない 死んでもいない
君だけに生きている私
(バイロン、足を引きずらずに歩き始める。)
ジョン：ルースベン？
ルースベン：イアンテ…。
♪♪♪
(ルースベン/ジョン)
美しさと醜さ (美しさと醜さ)
憧憬と軽蔑が からみ合った (からみ合った)
壊れやすい君の欲望 (壊れやすい君の欲望)
欲望が創造した被造物 (僕の被造物)
夢の中を遊泳する蜃気楼 (僕の夢)
あ-あ-あ-あ- (僕のルースベン)
怖がらなくてもいい (怖い 怖い だけど)
怖い？ (そこに行きたい)
君は死ぬんじゃない (怖い 怖い だけどそこに)
永遠を生きる 私と一緒に (君と一緒に)
どこにも存在せず (大丈夫)
どこにでも存在する (君と一緒に存在して)
生と死の間 (大丈夫)
生きても死んでもいなくても (それでいい)
私にだけ生きている君 (僕にだけ生きている君)
君にだけ生きている私 (君にだけ生きている僕)
君にだけ (君にだけ)
生きている私 (君にだけ生きている僕)
君にだけ生きている私 (君にだけ生きている僕)