昨今〈メアリー・シェリー〉関連でミューファン、リョウクファンの間で知名度を上げているジョン・ポリドリとジョージ・バイロン。
そんな2人にスポットライトを当てた2人劇
〈ザ・テイル・エイプリルフールズ〉を見てきた。
難しい。〈メアリー・シェリー〉もややこしかったが、その上を行く難解さ。
今更ながら調べてみた。
まずはインターパークより。
19世紀の英国で起きた実話をもとにした
致命的で魅惑的な物語
イギリスの代表的なロマン主義作家であり
社交界の有名人だった
「ジョージ·ゴードン·バイロン」と
彼の主治医で、最初のヴァンパイア小説
『A TALE: VAMPYRE』を書いた
「ジョン·ウィリアム·ポリドリ」
1819年4月1日、英国ロンドン
ミステリーな経路で発刊された小説
『ヴァンパイア·テイル』と
これをめぐって火がついた
ジョージ·ゴードン·バイロンと
ジョン·ポリドリーの
著作権論争を土台に生まれ変わった
現実と物語の中の現実を行き来する
真実攻防ストーリー
私の名前が消えた
1819年4月1日、どんな嘘もすべて許される日。
ロンドン社交界の名士バイロン男爵の元主治医で作家志望のジョン·ポリドリは「ニューマンスリーマガジン」に載せられたバイロンの新作、「ヴァンパイア・テイル」の発刊ニュースに接する。
誰にも公開しなかった自分の小説がバイロンの名前で出版されたという嘘のような事実に衝撃を受けたジョン。その彼の目の前に忽然とバイロンが現れる。
バイロンは許可もなく自分をモデルにヴァンパイア小説を書いたことに怒りながらジョンを責め立てるが···。
小説「ヴァンパイア・テイル」をめぐる2人の男の嘘と真実。果たして本当の「物語」は何なのか。
VAMPYRE A TALE
知ってみれば興味深い作品の中の実話。
小説「フランケンシュタイン」と同じ日、同じ場所で書かれた
雷と稲妻と暴風雨が吹き荒れた1816年の夏の夜、別荘に閉じこめられた一行は「奇怪な話」作りをする。 この夜のメンバーだったメアリー・シェリーとジョン·ポリドリはその日の話を基にそれぞれ「フランケンシュタイン」と「ヴァンパイア·テイル」を誕生させた。
「ヴァンパイア·テイル」はヴァンパイアを題材にした最初の小説である
ヴァンパイアが登場する最初の小説で,「ヴァンパイア」といえば浮かぶ青白い肌,貴族的で美しい外見,邪悪な魅力と女性を魅惑して吸血する行動などを初めて提示した。ジョン·ポリドリが確立したこのイメージは、後代のヴァンパイア小説に大きな影響を与えた。
「ヴァンパイア·テイル」は最初に「ジョージ·ゴードン·バイロン」の名で出版された
ジョンはこの作品を出版するつもりはなかったと言うが、1819年4月1日(エイプリルフール)、うそのようにこの作品がある文学マガジンに「バイロン」の作品として発表された。 その後,ジョンは自分が著者であることを,バイロンは自分が著者でないことを主張する手紙を出版社に送り,後に著者名が覆された。
「ヴァンパイア·テイル」の主人公ルースベンはバイロンがモデルだという
小説の主人公ルースベンはバイロンがモデルとされている。バイロンの内縁の女として知られるキャロラインがバイロンにちなんで書いた小説の中のキャラクター名も「ルースベン」だったという点と、女性たちを魅惑する美しさ、シニカルで冷たい性格などがバイロンを思い出させるという理由からだ。
登場人物
ジョン·ウィリアム·ポリドリー
「君が僕を飲み込もうとしても、結局話を進めるのは僕だ」
中間層出身でエディンバラ大学の最年少医学博士で作家志望生。 バイロンの主治医で秘書となり、一緒にヨーロッパ全域を旅したが、彼に解雇された直後、彼をモデルにした最初のヴァンパイア小説「ヴァンパイア·テイル」を自ら書いた。
ジョージ·ゴードン·バイロン
「私が始めたのだから、破壊する権利も私にある!」
男爵であり上院議員であり英国ロマン主義文学を先導した作家。秀麗な外見、革命家的気質、退廃的カリスマの持ち主であり、ロンドン社交界の有名人。
小説「ヴァンパイア·テイル」に登場するヴァンパイアでもある。
(以上インターパークより)
今まで見た中で一番美しいんじゃないかと思える舞台セット。物が映るような床面のセットを初めて見た。
左側の天窓?と右側(写真の外)に両開きの窓。湖に映る景色のように、窓からの光と部屋の中のものが床に映り込んでいる。右側の窓からは幻想の中のヴァンパイア(バイロン?)が入ってきたりする。
先に進む前に年代を確認しておこう。
1816年夏 ディオダティ荘の怪奇談義
同年 ジョン・ポリドリ解雇
1819年4月1日 「ヴァンパイア·テイル」出版
1821年8月24日 ジョン・ポリドリ死去(25歳)
1824年4月19日 ジョージ・バイロン死去(36歳)
お気に入り君。
理解の助けにと思い韓国の方々のレビューを読んだら、母国語でも難解らしい。抜粋してみます。
観覧中も考えたり推理したり、頭の中の苦悩が激しいミュージカルです。初演だからレビューもなくて。帰り道ずっとどういう事か考えていた。実際シノプシスはそれほど役に立たないです。
時代背景と実話を土台にしてどのような創作要素を加味したのか、プログラムを読んで納得できました。
難しかった。 予習が切実に必要
エープリルフールの話?と思いながらシノプシスも読まず気軽に見に行ったが、大学路で公演する男性2人劇、3人劇が今までもそうだったように、初対面の作品と俳優たちが今回もびっくりするほど難しかった。
大劇場ミュージカルは、俳優たちが大勢出演して物語を私の口にすくって食べさせてくれるのに比べて、出演俳優が2人の時は気を引き締めてセリフと歌を聞きながら想像しなければストーリーが理解できない。
頭休めにミュージカル見ようと大学路に出かけて、見てみたらミュージカルに一発殴られたような気分だった。
ちょっと他のことを考えていると流れをすべて逃してしまい、何が何だか分からなくなるので気を引き締めないと!
どこまでが現実で、どこまでが想像か?頭の中の討論が大統領選挙候補者討論に劣らないほど熱かった。
私が最近、快楽的でマクチャン的、刺激的な作品にとても夢中だったからかな。深奥な作品を理解できないのをみると!
反省したが、終わってから友達と意見交換したら、よく分からないのは友達も同じだった。 私だけ馬鹿じゃないんだって思って少し安心した。
この話は…
この劇に惹かれた理由はシノプシスだったが、シノプシスだけを見れば、著作権と原作者を捜すこと、または盗作に関する内容などが出るかと思った。しかしそれが主なストーリーではなく、全体的な話は「ジョンはなぜこの話を書いたのか。ジョンがこの話を書いた本音は何か? 」についてだ。
観点によって違う解釈
観覧後、同行者と私の解釈が分かれた。最も基本的な前提から違ったためだ。彼女はジョンとバイロンがお互いを愛するという前提のもとで見ていたし、私はジョンはバイロンを愛しているがバイロンはジョンを恋愛対象として愛してはいないという前提で見たからだった。
私が見た話の骨子はこれだ。
ジョンの片思い。
バイロンの主治医であるジョンはバイロンと一緒に行動し、彼を愛するようになる。しかし、現実にはバイロンは好事家で、いろんな女性と愛を楽しんだ。ジョンはバイロンに自分の心も告白できなかったが、彼と一緒にいる女性たちにはいつも嫉妬を感じていたようだ。後半部にジョンはバイロンを求めていたと告白する。
ジョンの小説の中のバンパイア主人公でありバイロンに似せて描かれたルースベンは、ジョンが現実では成し遂げられなかった感情の対象なのだ。バイロンの分身であり、ジョンを絶望から救援してくれる存在だ。そしてジョンは小説の中にルースベンとオーブリーを表現することで、現実のバイロンとジョンの姿を描き、イアンテという象徴的存在を登場させて自分自身がなりたいキャラクターも作り出した。
バイロンは、ルースベンとオーブリーの関係が自分とジョンの関係であることを見抜き、イアンテが誰なのかと問うが、ジョンはバイロンがイアンテに会っても気づかないとしか答えなかった。しかし、後半部に感情をコントロールできなくなったジョンはイアンテがまさに自分であると告白する。
したがって、小説の中のオーブリーとイアンテは両方ともジョンの姿だ。ジョンの現実の中の姿であるオーブリー、ジョンが理想化した(ルースベンを魅了するほどの)姿であるイアンテ。
現実では実現できない願望や欲望であったとしても小説の中ではいくらでも可能だ。どのような欲望もすべて許可されている小説の中でジョンはオーブリーとイアンテを作って、その中では蝶のように自由で美しい自分を守ることができたのだろうと思う。
ジョンは小説の中のルースベンを通じて、結局、幻想の中のイアンテでなく、現実のジョンとして暮らすことを選択する。それで自分の小説「ヴァンパイアテール」を書いた人がバイロンではなく、自分であることを知らせて訂正を要求する書簡を出版社に送るために努力する。
カーテンコールが終わった後、最後に明らかになったエピソードでは、ジョンが死んだ後に名前が訂正された「ヴァンパイアテール」について、バイロンが言及しながら話が終わる。