EP7
「ダーツでも注射器でもない。凶器がスープとは、何というどんでん返し。次の犠牲者が出る前に一刻も早く探し出さねばならない。」台所に閉じ込められ食欲と戦うイム・ウギの前に大俳優の理想の姿が現れる。
結局スープに手を出すが、毒入りかもと言うスンギョンの言葉に驚く。スンギョンの毒物検出キットで調べる。赤いスープが青色に変化すると無毒を意味する。交通巡査が好きだから赤や青なのかと冗談を言われたスンギョンは、あなたもウェイターが夢だったのかと切り返す。
元は刑事が夢だったと話している頃、食堂では謎の人物が死体を動かそうとしていた。検出キットのタイマーの音に驚き、テーブルに手形を残して去っていく。
スープは無毒であることが分かり、死因に悩むスンギョン。イム・ウギに死体を調べたか指摘され、慌てて調べに行く。
死体のポケットにあった鍵と、強く殴られたらしい頭の傷を発見する。そしてテーブルに残された手形も。
この手形と合致する手の持ち主を探せば、犯人を捕まえたも同じと張り切るスンギョン。
各部屋を回り、全員右手の輪郭をナプキンに写し取らせる。
ジョヨンは自分の手が怪物のように凶悪だからと拒否するが、スンギョンは構わず手袋を外させる。実際は赤ん坊のように可愛い手だぅた。何とも思わず去っていくスンギョンを見て、自分の手は怪物ではないと悟ったジョヨンはコンプレックスから解放される。
最後にトライェの手形を貰いに行ったスンギョンは、自分の初事件は解決が近いと自信を見せる。
ところが、残された手形と合致する人物はいなかった。ふと思い立ち、死んだグァンジャンの手を合わせてみると…。手形と完全に一致したのである。
EP8
全ての手がかりを集めて愛する夫を殺した犯人を見つけたと、スンギョンを呼ぶユン・チェア。グァンジャンと結婚したのかと混乱するスンギョンだったが、チェアはあくまで劇中のサーカス団長の話をしているのだった。
凶器は星座の首飾りだと言い、殺人の手がかりが出ている〈蒸気船サーカス団殺人事件〉の内容を語り始める。
ーー 船長とライオンの調教師が不倫しているのを、ピエロである妻が目撃する…。ブーケに隠し持ったナイフ。誰かを殺す前に捕まえようと船長が妻を探すが、見つかったのは密航者。パリから来てサーカス団に入ろうと船に乗ったら、すぐに出港してしまったと語る。
船長は乗せる代わりに働かせることにし、工具一式、ふたご座の首飾りなどの装備を与えた。
サーカスのフィナーレで団長が殺される。犯人を捕まえると固く誓い、歌う妻。「愛する人よ。こっそりあなたに愛を伝えた。あなたがこっそり隠した箱のように。私には犯人が分かった！」ーー
何かがひらめいたスンギョン。グァンジャンの部屋を探し箱を見つける。死体が持っていたカギで箱を開けると、そこに入っていたのは十字架のように見えるスタンプだった。
しかし左右対象ではなくハングルの「ㅏ」のように片側が太くなっている。
台本の作者名の赤くなっている部分をこすると、上からスタンプが押されているようだ。
「パミンを突き止めた！」と言うスンギョンを「ポミン(犯人)」と正すチェア。
EP9
殺人犯が分かったと各部屋に隔離されている俳優たちを呼び集めるスンギョン。
「部屋に2時間もいるのは大変だったでしょう。
この事件は暗闇の中で起こり、被害者は頭を殴られました。」
最初は明かりが消える。そしてキャー。
(私よ、とチェア。)
それから椅子がコンと鳴る音とム・デマンさんが階段でたてたキーッという音。
ナ・ジョヨンさんが「どこを触るのよ」と言って、
(ジョヨン、インボムに向かって「変態！」)
ソル・インボムさんがジョヨンさんを押し倒した。
チュ・インギョンさんがプー。
最後にドアの閉まる音。
さて、ドアを閉めたのは誰か？
ジョヨン：風！
ウギ：
チェア：他のサーカス船の船長
トライェ：風！
ジョヨン：もう私が言ったわ
インボム：すごく力が強い幽霊？
デマン：違うドアだったんでは？
インギョン：空気！風とは違いますから。ナゾナゾだとすると…正解はドアが無い！
スンギョン：違います。ドアはあります。そこに。
風でないなら、誰かがこの部屋を出て行ったのです。
♪♪♪
1人ずつ消していこう
犯人を捕まえるための
私の卓越した捜査法
さあ、1人ずつ消していこう
なぜスープに端を突っ込んで死んでいたのか？
ひとりでにそうはならない
さあ、考えてみて
隣に座ったナ・ジョヨンがドアを閉めたのか？
ソル・インボムが押し倒したから不可能だった
1人ずつ消していこう
死体を取り囲む殺人動機を探して
さあ、1人ずつ消していこう
ソル・インボムは毒注射で首を刺す
運命のいたずらで失敗に終わった
なぜ？
チュ・インギョンの投げたダーツのせいで
解毒したから
運命は止められない いたずら者〜
1人ずつ消していこう
2人とも犯人ではない
でも警察署に連行
さあ、1人ずつ消していこう
犯人にしては 自分の役に酔っている
テーブルの下に隠れたユン・チェアも除外
ム・デマンは明かりをつけに出て行った人
電気がつくとイム・ウギが包丁を持っていた
1人ずつ消していこう
この2人も潔白
Oh！だんだん終わりが見えてきた
1人ずつ消していこう
怪しいトライェにはアリバイがある
静かで鳥肌の立つおかしなアリバイ
全員が犯人でないなら
答えは結局1つ
真犯人はこの家に隠れている
この家のどこかに見慣れた顔がある
ついに事件は解決
殺人者はあそこに！
♪♪♪
見事だと、拍手しながら起き上がるチョン・グァンジャン！生きていたのかと皆が驚く。
これがこの脚本での自分の役割なんだという彼に皆は拍手喝采。
チェアとどんな衣装のことで争ったのかを尋ねるスンギョン。
チョン・グァンジャンなら当然答えを知っているはずなのに答えられない。
なぜならあなたはチョン・グァンジャン氏ではないから！そう言ってスンギョンがクローゼットのドアを開けると…。
スンギョンは謎解きを始める。
答えは壁にかかった肖像画に隠されている。それは1人を2人の人間と拡大して描いた絵ではなく、双子の兄弟を描いた絵なのだ！
よく見れば1人だけがタートルネックを着ている。
首のほくろを隠すためにタートルネックしか着なかったと言う妻のトライェ。しかしホクロがない。
帽子を取ると頭にあったはずの傷も無くなっている。
自白が始まる。♪♪♪
兄はチョン・グァンジャン(ㅏ)
私はチョン・グァンジョン(ㅓ)
あ 違う、お 違う、となる
少しの違いで こんなに変わる
いつも兄にすべてを奪われた
だから今日はこの場所で
新しい歴史を書こうとした
今夜私が準備したミステリー
Oh キラーパーティ〜
最高のパーティ Oh〜
この台本は俺の作品
兄弟同士の殺し合い
お前たちには想像もできないだろう
♪♪♪
舞台でガブローシュを演じたのは私だ
兄貴は歌えない
(インボム：だから俺のミュージカルをやらなかったのか)
俺がプロの舞台に立ったと嫉妬したんだ。
だからある晩 俺を地下室に閉じ込めて
自分が舞台に上がった
(インギョン：まさか)
劇団は俺が変声期に入ったと思ってクビにした。でも俺は17歳まで思春期にもならなかった！それはともかく…。
重要なのは、俺の美しいガブローシュの声が、あいつの調子っぱずれな声だと誤解されたことだ。
だから俺は10年間復讐を準備した。
(スンギョン：どうやったんですか？)
♪♪♪
兄を探して銃で撃った
たが銃弾が外れた
刑務所に入った
台本を書いた
血が沸き立つ怒りを抑えるため
ところがだ
あのろくでなしは俺が書いた台本を
横取りする計画をばかり立てていた
こいつは偽物だ
完全に犬野郎
決心した
今度こそ
俺の惨めな人生を終わらせて
やり直すんだ
♪♪♪
俺が出所した日
兄は俺を家に連れてくるやいなや
地下室に閉じ込めて
新しい台本を書けと言った
（トライェ：家の地下室にいつからいたの？)
3ヶ月前から。ところで義姉さん、地下室を何とかしてくれよ。臭くてたまらない。
新しい台本を兄に渡した。兄はあのふざけたスタンプを、表紙に載っている俺の名前の上に押した。
チョン・グァンジョン(ㅓ)が、チョン・グァンジャン(ㅏ)になったわけだ。
俺はその時こう思った。俺がチョン・グァンジャンになればいいんじゃないか？
兄を殺して死体を隠し、入れ替わればいいんだ。実に簡単な計画だった。それこそがまさに、この〈蒸気船サーカス殺人事件〉!
台本を渡して計画したわけだ。
♪♪♪
お前たちが夕食を食べている時
電気を消して
あいつが降りてきたら殺すことにした
地下室で
服を着替え食堂に上がっていけば
すべて終わりのはずだった
どっちみち双子なんだから
だが、あいつを殺したい人間が
なぜこんなに多い
とにかくあいつ(デマン)には気づかれないように
通り過ぎた
俺は厨房でオタマを持って
あいつの頭に怒りを込めて
最後の1発をお見舞いした
明かりがつく前に
俺はクローゼットに隠れ
入れ替わるチャンスを狙った
誰もいないときに
チャンスのたびに入れ替わろうとしたがしたが
失敗した
ついにチャンスは来た
最後には俺がこの席に
俺だけのキラーパーティ
最高のキラーパーティ
緻密に準備した台本の中に
決して見つけられない数々の手がかり
双子の肖像画
ガブローシュの衣装
乗務員の手話 (頬にVサインは双子の意味)
押されたスタンプも
まさかあの巡査(スンギョン)が
本当に見つけ出すとは
夢にも思わなかった
とにかく俺の名前は
チョン・グァン・ジョーーン！
♪♪♪
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
最後はしっかり理解したかったので割と細かく訳してしまいました。
「最高のパーティ」と訳した元の言葉は
「죽이는 파티」つまり「殺すパーティ」
「죽이다」は「殺す」という意味ですが、口語では「死ぬほど痺れる」「最高」みたいな意味もありますよね。こういうのはどう訳すのか悩むところです。
殺人を楽しむのは主義に反しますが、楽しんでしまいました。歌だけ聞いていても楽しい。
観終わってタイトルを見たら…
あー！そういうことか！となりました。
この赤い部分はヒントだったんですねー。
最後まで行かなきゃ分かるはずないけど
そして The End の後に
が付きました。
が付きました。スンギョン刑事は再び人手不足で駆り出されていたので、次の事件簿も作られるんでしょうか。
2000円代でこれくらい楽しめれば安い気がする。
最初の断り書き
本作品は出演俳優が非対面で それぞれの空間で
撮影したオンタクト・ミュージカルです
最後の断り書き
撮影のため惜しみなく家を公開してくれた俳優たちとそのご家族に改めて感謝申し上げます