大学に入学したマリーは男子生徒たちに変人扱いされ、彼らよりも優秀なので更に疎まれる。しかしマリーは負けずに勉学に励む。
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誰もいない静かな実験室
精密機器を設置した実験台
ここがいい
実験服を羽織る
輝く目盛りを凝視すれば
宇宙の真ん中に立っているかのよう
生まれて初めて脳がすっきりする気分
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そんなある日ピエールと出会うマリー。「そちらはなぜこれをするのか」と質問するピエール。「女がなぜ科学をするのか」という意味か、と聞くマリーに、「女が」を省けば合っていると答える。変わり者のマリーに特別な魅力を感じるピエール。
アンダーク社は毎年優秀なソルボンヌ大の学生を支援している。社長のルーベンが求めるのは新しいプロメテウスの火。事業と科学の融合を唱え、利用価値のある学生を求めている。
今年も学生を探しているが、新しい元素を示唆するマリーの書類が目にとまる。
まだ確証を示せないマリーは失格しかかるが、「これまでとは比較にならない光とエネルギーを得られるだろう。私が誰であるかではなく、何をしているかを見て欲しい。」と訴え、最後までやり遂げる事を条件に合格となる。
マリーの誕生日を祝うためアンヌが研究室にやってくる。アンヌは差別的待遇に我慢ができず、ラルーシュ社を辞めていた。
新しい元素を発見したと科学的な説明で盛り上がる夫婦を前にキョトンとするアンヌ。ポーランドの国名からポロニウムと名付けた元素が周期表の空欄を埋めると聞き、感激する。
ポロニウムの研究過程で更に強力な元素の存在を突き止めたマリーだったが、認められるためには純粋な新元素の塊を抽出しなければならなかった。マリーは何10キロもの鉱石を砕いては煮沸攪拌する、肉体労働とも言える濾過作業に取り掛かる。
幼い娘と過ごす時間を犠牲にし、父親の死を乗り越え、いつ成功するとも分からない不安に襲われながらも研究は続いた。
そしてついに45ヶ月をかけて、原子量226、純粋な1デシグラムの抽出に成功する。光を発するその物質をラジウムと名付ける。
1903年ノーベル物理学の受賞者が発表された。ラジウムの発見者であるその名はピエール・キュリー。そしてキュリー夫人。
2人はこう発表する。
「私たちは人類が悪よりも善を引き出すと信じています。ですからラジウム抽出に関する技術は、特許を取らずに全ての人類に無償で献呈したいと思います。」
ルーベン:紳士淑女のみなさん
無限のエネルギーと無限の生命力を持つ
ラジウムを紹介いたします!
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自ら輝く 暗いところで
とても強烈 自体発光 ラジウム
エネルギーなしで爆発する
ひたすら自らを燃やす
奇跡の物質 革新的
世紀の発見 新しい時代
再びプロメテウスの火
メラメラと燃える
こちらにいらっしゃい
魅惑的で斬新な未来
あなたのためのVIPチケット
ラジウムパラダイス
魂さえも売りなさい
ラジウムチョコレート
ラジウム歯磨き
ラジウムシガレット
ラジウムマニキュア
全身いっぱいに
放射された力が溢れ出る
ラジウム水
ラジウム、逃さないで
真っ暗でもピカピカ光るラジウムクリーム
愛はいつまでも サンキュー ラジウムコンドーム
どんなものでも蘇らせる
(?)ラジウム
キラキラ光る時間をあげるよ
輝く時間
つけてごらんよラジウム時計
ラララ ラジウム
ラジウムパラダイス
(身体中に)
さあ いらっしゃい
(感じて)
パラダイス
パラダイス
夢に見ていた ラジウムパラダイス
あたり一面の 眩しさに囲まれて
過ぎた日は全部忘れて
空高く眺めていた星が 私の目の前に
完全に新しい人生
ずっと夢に描いていた 私の未来
ここに
ここに
Welcome to Radium Paradise
Radium Paradise
忘れていた私の夢が 目を覚ます
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アンヌ:社長、はじめまして。アンヌ・コバルスキです。
ルーベン:よく来たね。マリーから聞いているよ。ラルーシェで働いていたとか?
アンヌ:はい、その中でもワイングラスを作るラインで働いていました。
ルーベン:ワイン?ワインはいいね。
アンヌ:そうだ、社長。寄宿舎に入れるようにして下さってありがとうございます。
ルーベン:自分の家のようにくつろいで過ごしてください。
アンヌ:はい。本当に楽しみです。
ルーベン:何に期待しているとしても、実際はそれ以上だと思いますよ。アンヌ、アンダークラジウム時計工場に来られたことを歓迎します。
アンヌ:こんにちは。
ジョシュ:こちらは新しく来た第3ラインの新人よ。よろしくね。私は作業班長のジョシュよ。
ポール:やあ、僕はポール。
アリシア:私はアリシアよ。
マルチン:マルチン・リピンスキーだよ。力仕事はとにかく僕に頼むんだよ。分かった?
アンヌ:力仕事なら私の方が向いているかも。アンヌ・コバルスキです。
レフ:じゃあお願いするよ。レフだよ。
アメリエ:あら、どうも。私の隣ね。元々はベラ姉さんの席だったの。
アリシア:ベラはアメリエのお姉さんなのよ。
ジョシュ:心配はいらないわ、アメリエ。ベラが戻って来ればまた席をくれるって。それから休んでいる間の給料も治療費も出してくれるから。
アンヌ:本当に?そんなことが可能なんですか?
ポール:元々そういう所なんだ。他に比べれば給料だって3倍なんだぞ。
ジョシュ:女が作業班長になれる所なんて、ここしかないと思うわよ。
ポール:うちの社長は格別に先を行く人だからだ。
ジョシュ:ラジウムが格別に時代の先を行っているだけよ。私たちがその恩恵をすべて受けているって訳で。さあ、アンヌに発光板に筆で塗るのを教えてくれる人? アメリエ!ポール、あんたじゃないから座ってなさい。
ポール:わかったよ。
アメリエ:ほら。筆先を舐めて尖らせて、つけて、塗って。 慣れれば易しいわよ。
アンヌ:これがラジウムですか? 本当に光ってますね。
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ここにある すべてのものが輝く
私の人生も輝くわ
家に帰る時は 眩しいものだけ
いっぱい抱えて帰らないと
真っ暗な時は
ほんの小さな光 一つでも
明日を夢見ることができる
今日とは違う明日
闇を美しく照らせるのは まさにその光
闇を耐えさせるその光
プロメテウスの光
その光は私たちの希望
何て楽しい仕事
何と生きがいのある仕事
魂さえも売っておいで
マイ·グレース·パラダイスにおいで
パラダイス
ラジウムパラダイス
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ルーベン:皆さん今日もお疲れ様でした。戻ってゆっくり休んでください。明日もよろしくお願いします。