ジュヒョンがミュージカル界で破壊の女王だとか?
ジュヒョン;私が瞬間的に、発揮する力?それが、自分でも驚くくらい(笑)超能力が出るんです。
どんなことがあったの?
すごくいっぱいあります。〈シカゴ〉をやった時に、最初恋人と仲良くやっているんだけど、私を捨ててどこかに行ってしまうと言うので頭にきて、銃を持って「あんた、行くと言うなら殺してやる!」こんなシーンがあるんです。
で、瞬間的に怒りが、本当にすごくなって、こうバン!とやったんだけど…。この銃を…握り潰しちゃったの。これって何なの?自分でも分かりません。
漫画とかで相手から奪い取って、ザザザと握り潰すのがあるけど。
そういう感じ。器物破壊俳優という別名もあるにはありますが。
予想もしなかった力が出て、良かったこともあるんです。〈レベッカ〉の初演の時、ドイツの作曲家が来て、どう歌うかと説明した時には「♪よぎ メンダリロー
♪♪ 」これで終わりでした。私もそうやって練習してたんですよ。

でも初めて観客と向き合った時に、ものすごい爆発的な反応だったんですね。ずっと。拍手もわーっ

とするから!



ハイになったんだな。
完全にその瞬間何かが変わりました。正直葛藤もしましたよ。これはあまりにも高すぎる。声がひっくり返ったらどうしよう。ぶち壊しかもしれないじゃないですか。
それで?
だけど、やったんですよ。「おそーとらわー よぎめんだりろー レベッカ〜 

♬」って。すごく長く。



照明が割れそう。僕たちの聴覚も破壊するつもりですか?鼓膜破壊。
劇場の天井が、本当に粉々になりそうな歓声を送ってくださって。
うわー鳥肌。聞くだけでも鳥肌が立つな。
私が観客から受けたエネルギーだ。与えられたから超人的な力が出たんだと、その時感じて。物を壊したりもしますけど、時にはこうして良い方向に向かうこともありますので。
ウヒョク: こんな奇跡的なことがよく起こりますよ。そうでしょ?
そうよね。
舞台の失敗話で思い出すのは、この前アン・ジェウクとイ・ゴンミョンが出た時に「二度と私を父と呼びもしゅるな!」(プルディドマ)
演ってる方も観ている方も呆気にとられて、聞き間違いか?って。そうしたら、周りを気にしない子供が1人「呼びもしゅるな?」
それを周りのみんなが聞きつけて、どーっと客席中から笑いが起こったそうですよ。で笑った後にそのままやり過ごしてもいいのに、またやり直して。「二度と私を父と呼びもするな!」(プルジドマ)
うまく演ったのに、それがまたおかしくて大爆笑になったって。
でも舞台って、一番残酷な生放送ですよね。
そうそう!
僕も事件が多いです。ユ・ジュンサン先輩と〈ベンハー〉を演ったんですけど。2人の最後のシーンで僕が自分の剣を抜いて自殺する、最後の瞬間があるんです。
最初はその剣でベンハーをどうにか攻撃しようとジタバタするんですが、剣を握らなきゃいけないのに鞘を掴んじゃったんですよね。いっくら引っ張っても抜けない、どんなに引っ張っても。力任せに抜いたら剣が…舞台の外に飛んでいってしまったんです。
僕死ななきゃいけないのに、どうする?
どうなったの?
死ななくちゃ!オーケストラピットに落ちて死ぬか?さもなければ、自分でこうやって舌を噛んで死ぬか?どうにかして死ななきゃいけない。
そうしたら、ジュンサン兄さんの腰に剣があるじゃないですか。あっ、あれだ!

でも、ジュンサン兄さんも剣が飛んでいくのを見てますから、「アンデ、アンデ…」って言いながら後ずさって逃げて行くんですよ!
僕は目で「それが必要なんです〜」
って訴えたんですが、兄さんが「ダメだって言ってるだろ」と。すぐ後のシーンでアイビーさんがその剣を奪うシーンがあるんです。

とにかくまずは自分が助からないといけないから!(笑)
僕はまず自分が助かるのが先だし、兄さんは「お前も必要だろうけど絶対ダメだ」
アイビーがぶち壊しになっちゃう!
でも僕には選択の余地が無いんです。「うあーっ」って押さえつけて(剣を奪い)、こうやって死にました。
その時の兄さんの「アンデ」が本当に
アンデー!
アンデー !!!
アンデー!!!
(一同大爆笑)
僕が死んで退場するじゃないですか。するとアイビーさんが出て来ます。剣を奪って「絶対にお母さんに会いにいってはいけない。行くなら私を殺してから行ってください」と(剣を首に当てる)。
そうしなきゃいけないんだけど剣が無いから。アイビーさんがこうやって!自分の首を絞めて!
【状況対処能力
】

僕が本当に悪いことをしました。申し訳ありません。
ウヒョク、あんたのせいで!
アンデー!
あんなに絶叫の「アンデ」は本当に初めて聞きました。終わるや否や、「おい、ウヒョガ。俺があれだけアンデ、ダメだとサイン送ったのに。」って。
ああ、おかしい。