(時調に命をかけるなんてバカバカしいと笑うダンに、シプチュがダンの父ホン・チャモに15年前何が起きたのかを語る。逆賊の烙印を押された自分の息子と分かればダンに危険が及ぶと考えたチャモは、親子であることを隠してダンを育てていたのだ。シプチュとチャモは一人二役。)
(前王の面前でチャモとホングクは時調比べをするが、勝利者となり時調大判書に命じられたのは平民のチャモだった。ホングクは陰謀を巡らしチャモに汚名を着せ、自分が時調大判書の地位に就く。チャモは息子に対する想いを扇に書き残す。)
前王:平民出身のチャモと両班出身のソン・ホングク。2人とも良い時調であった。余は1人だけを優勝者として選ばなければならないのを残念に思う。優勝者は民の苦しみをよく描き出したチャモ!優勝者のチャモを時調に関する全ての任務と(?)を(?)する、時調大判書の地位につけることとする。
♪♪♪
반나절를 쓴다 해도 지루한 줄 몰랐네
チャモ: 小半日書いていても
退屈とは思わなかった
불완전한 이 세상에 힘이 되길 바랬고
不完全なこの世に 力となれるのを願い
힘이 없는 백성들에게 길이 되길 원했지만
力なき民の 道となるのを望んだが
시간이 흘러도 세상은 변하지 않는구나
時間が流れても 世の中は変わらないのだな
온화한 성품, 간직한 기운
人々: 温和な気性 内に秘めた気力
백성을 생각한 청렴한 사람
民を想う 清廉な人
♪♪♪
ホン・グク: 王様、ホン・チャモは時調を用いて民を扇動しています。王権に対する批判が雨のように降り注いでいます。即刻その罪を問わねばなりません!
♪♪♪
모두가 깨우치길 바랬지만
人々: 皆が目覚める事を願ったが
이제는 위험한 사람이 되었네
今や 危険な人間に成り果てた
♪♪♪
前王: 大判書よ、これは全て事実なのか?
チャモ: 王様!
♪♪♪
지금껏 전하를 위해 살아 온 몸
チャモ: これまで王様のために生きてきた身
나라를 위하는 마음으로 아뢰옵니다
国のためを思って申し上げます
백성의 생각을 깨우는 일이야 말로
民の考えを 目覚めさせることこそが
행복한 세상을 만드는 길이옵니다
幸せな世の中を作る道でございます
비겁한 변명 거짓된 얼굴
大臣たち: 卑怯な弁解 偽りの顔
왕권을 농락한 저자를 없애!
王権を翻弄した あの者を処分しろ
나라를 뒤흔든 저자를 처단하라
国を揺るがした あの者を処断せよ
왕권을 모독한 저자를 없애라!
王権を冒涜した あの者を処分しろ!
♪♪♪
チャモ: 王様!国の真正性はまさしく民でございます。彼らの自由な考えと、彼らとの疎通こそが、この国のための道でございます!
つまり王様を、泰山に劣る、登れない山ではないと申すのか!
この者達こそ、国の精神を失わせる者たちです。貧しい者達を見過ごす事なく、万民に目を配る聖君におなりくださいませ!
王様、その者を謀反の罪で罰しなければなりません。お聞き入れくださいませ!
王命である。罪人ホン・チャモに烙印を押し、城外へ追放せよ!
謀反の罪は極刑で罰するのが国法でございます!
これ以上口出しをするでない!
空席となった時調大判書の職はソン・ホングクに任せる。
恐れ大き幸せにございます。
ソン・ホングク、おのれ!王様と民の目と耳を塞ぎ、全ての権力を手に入れようとするのか!万民と天が恐ろしくはないのか!
チャモよ。私は民が恐ろしい。お前の言葉通り、国の真正な力は民心だ。だからこそ私は彼らの目と耳を塞ぐために、どんなことでもするつもりだ。
お前のような人間の手に、この国が任されるとは!この国は滅びるのだな
私は国を生かそうとしているのだ!声を上げたとしても弱りきって何もできないこの国を!大臣達よ、聞くのだ!今日から民の時調は禁止する。そして謀反の温床となっている朝鮮時調自慢は廃止する。
はい。時調大判書様〜。
♪♪♪
태산이 높다하되 하늘 아래 뫼이로다
泰山高しといえども 天の下の山
오르고 또 오르면 (그 입을 당장 다물라!)
登ってまた登るなら
(その口をすぐ閉じろ!)
못 오를 리 없건마는 (깊이 낙인을 새겨라!)
登れないことはなかろうが
(深く烙印を刻め!)
사람이 제 아니 오르고 (그 입을 당장 다물라!)
俗人は 自分自身が登らずに
(その口をすぐ閉じろ!)
뫼만 높다 하더라 (깊이 낙인을 새겨라!)
山だけ高いと言っている
(深く烙印を刻め!)
역적을 몰아내라 성 밖으로 몰아내라
逆賊を追い出せ 城の外に追い出せ
역적을 몰아내라 평생 숨어서 살아가라!
逆賊を追い出せ 一生隠れて生きて行け!
내 아들 단아 밝은 세상을 걸어라
我が息子ダンや 明るい世の中を歩けよ
밝은 세상아 내 아들 좀 살펴주게
明るい世の中よ どうか私の息子を守ってくれ