今日は彼の最初の小説「絶壁の天使」の初サイン会がある日だった。窓を開けて空を見ると雲ひとつない蒸し暑い夏の日だった。薄いシャツを着て家を出て歩いていると、突然、晴れ渡った空から雨粒がひとつ、ふたつと落ち始めた。
♪♪♪
ポツポツと 何気なく落ち始めた雨粒
両手で遮ろうとしても 防ぎきれない夕立
傘のない彼にできたのは
全身で夕立を受け止めること
温められた熱気で加熱された地表面
上昇気流を通して出会う冷気
♪♪♪
ちょっと悪いんだけど、会合中なんでもう少し静かにしてくれないかな。
あー、僕も自分のすることをしてるだけだから、気にしないで。
トゥリー、ごめんね。
うん、気にしないで。
そうか、分かったよ。もう一回やるね。
♪♪♪
夕立のような成功に染まったまま
失ってしまった方向
突然変わってしまった彼の世界で
何が…
…した蒸気が作り出す雨雲
熱的循環が活発化して降る夕立
♪♪♪
集中できないじゃないか!
僕が何をしたって?
さっきから割り込んでくるじゃないか!
僕だって自分のすることをしてるだけだ!
なんなんだよ、お前は? どうしたんだよ?
お前、集中力が足りないんじゃないのか⁈
俺は生まれつき集中力がいいんだ!
集中力が足りないんだ。僕は1人で一所懸命…
お前がさっきから目障り…
(離れろと合図するキャロル)
♪♪♪
夕立のような成功に染まったまま
温められた熱気で
失ってしまった方向
加熱された地表面
突然変わってしまった彼の世界で
上昇気流を通して
何が傘になってくれるだろうか
出会う冷気
突然変わってしまった彼の世界で
蒸気が作り出す雨雲
夕立を避けることができない〜
熱的循環が活発化して降る夕立〜