(競売の相手がドイツ人だと知り逡巡するホープだったが、カデルは、自分の人生は自分の選択、責任だと語る。ホープは幸福な新しい人生を夢見て競売の書類にサインする。)
(自分の願いを話す過去ホープを見ながら、母の語った言葉を呟くホープ。「願いは口に出したら叶わない」)
(原稿は高額で入札されるが、ベルトはホープに売却益をすべて譲るという書類にもサインさせていた。2人には十分と言えないこの金で、自分だけ完璧にやり直したいというベルトは詐欺だったことを認め、金を手に入れたいなら残りの原稿を同じように売ればいい、誰も信じるなと言い残し去ってしまう。)
(ホープは思う。誰も助けてはくれない。誰も愛してくれない。原稿が無ければ私にはなんの価値もない。)
過去ホープ: 私、その原稿が必要なの
原稿
あいつがまた戻ってくるとしても
君が理由じゃない
僕のためだ
母さん…
私、いつも母さんと同じになっちゃう
母さんみたいに生きるなんて 死ぬより嫌なのに
その原稿がなきゃだめみたい
本当にうんざりよ!
母さんも、その原稿も、この忌々しい泥沼も
(行っちゃだめ)
原稿がなくても 私がエバ・ホープだってこと
幸せになれるってことを証明したい
(行くな!)
母さんは一生、その紙切れがあればいいんでしょ!
そうでしょ!
(行くんじゃない、頼むから)
ここにない道が
そこには あるんだろうか
♪ 家を出た旅人
彼の世界はいつも夜 いつも冬
重苦しく降る 雪の中
長い一日を 一人で立っていたんだね
ずっと一人で
寒く暗かったその日 コートと帽子
靴を奪われ 恐ろしかった日
長い時間が流れて 今残ったものは
漠然とした絶望 あふれだす願望
家を出た旅人
彼の世界はいつも夜 いつも冬
春は来ない 凍りついた世界は
誰も 手をつなげない
抜け出したいと言った君は とどまっていて
抜け出したいと言った君は とどまっている
抜け出したいと言った君は とどまっていて
抜け出したいと言った君は とどまっている
家に帰る道さえ 忘れなければいいの
道に立つ旅人
彼の世界はいつも夜 いつも冬
重苦しく降る 雪の中
長い一日を 一人で立っていたんだね
ずっとそこに