(ヨゼフからベルトに原稿の所有権が移ったと図書館側は主張する。所有者である母のマリーから遺産として受け継いだというホープの言葉を認めない。)
(ホープの8歳の誕生日。マリーはケーキを作るが、貧しさのためにホープの欲しがっている白いワンピースと赤い靴を用意することはできない。ろうそくを吹き消すホープの願いはずっと母のマリーと一緒にいることだが、その時ベルトがやってくる。)
(チェコへドイツが侵攻してきたから、すぐに国境を超えてパレスチナへ向かえと言うベルト。マリーは、ユダヤ人は収容所に連れて行かれ銃殺されるかもしれないと聞き逃げることにする。戦争が終わったら必ず…と言うベルト。)
ベルト: これ。これは絶対に失くしちゃいけない
他のものを全部奪われても、これはダメだ
マリ: ホープの誕生日プレゼント？
ヨセフが残した原稿だ
またあの人の話なの
知識人は国境を越える時(?)だそうだ
僕が持っていたら
奪われるかもしれない
だから僕の代わりに、これを国境の外に…
あの人、死んだじゃない
これを燃やしてくれって頼まれたんでしょう？
あの人の望み通りに
そんなことできない
ベルト…
輝いているじゃないか
それじゃ私は？
僕にはとても書けない 本当の文学
♪ 輝いているじゃないか
純粋なテクニック 超現実への招待
夢と現実を混ぜ合わせる想像力
この世界にはない単語の舞
輝いているじゃないか
孤独と悲しみ 寂しさの中の絶望
刹那に等しい人間の感情
それを見つめる天才の記録
これを燃やせるものか
この世界から これを消せるものか
いつの日か 今ではない遠い日に
彼の文を輝かせるのは この僕
輝いているわ あなたの瞳
見たことのない 眼差し
隠すことのできない あなたの感情
そんなあなたを愛している私
これを燃やせるものか
それを やめさせることなどできない
この世界から これを消せるものか
それを 止めることなどできない
いつの日か 今ではない遠い日に
彼の文を輝かせるのは / あなたに愛されるのは
この僕 / この私
いつの日か 今ではない遠い日に
彼の文を輝かせるのは / あなたに愛されるのは
この僕 / この私
待ちくたびれたら
この原稿を燃やしてしまうかもしれない
きっと約束を守るよ
原稿を頼む
輝いていた 母さんの瞳
あのおじさんを見るとき
多分あの時 母さんはおじさんを
愛していたんだと思う
そしてあの時 母さんは
私のことも愛していた