ミュージカル 練習過程 A to Z (前半) | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

韓国ミュージカル
全ては自分の予習復習のため
(注意: 目標はネタバレ100%)
近頃はメモ付き写真アルバムとしても使用中。


こんにちは。チョン・ビョンジュンです。
コメントを見て感じるんですが、ミュージカルの練習がどのように進められるのかご存じない方が多いようです。

1〜2ヶ月練習する、公演の3時間前に来る、そんな風に大雑把に思われてますがそれは正確ではありません。アンサンブルを馬鹿にしないでくださいと言う僕の動画でもちょっと申し上げたんですが、ミュージカル俳優たちは思ったよりもずっと長く練習します。どれぐらいをどうやって練習して、さらに劇場にはどのように行くのか、こういうことが考えていらっしゃるよりも実際はタイトです。

ミュージカル俳優は大変だ、こういうことを申し上げたいのではなくて、ミュージカルをお好きな方がミュージカル俳優をもう少し理解できるようにお手伝いしたい、そして俳優を夢見ている方たちにももう少し詳しい情報を提供したくてお話しすることにします。

まず…お腹すいた。
間欠的断食をしていました。 でも痩せない]

では話を始めましょう。練習が進行する順序は大部分小劇場と大劇場で大きな差はありません。もちろん小劇場の方がスケジュールの変動が自由で、練習ももっと親密にできるのが長所です。

大劇場は大規模にやるのでチーム別に進める場合がすごく多いです。大劇場の場合を中心にお話しすることにします。僕が小劇場でたくさんやったわけではないので…大劇場でも同じですけどね。

[テヘッ]

契約したら最初に演出補助かカンパニーのマネージャーから連絡がきます。何月何日どこどこで練習を始める、と。普通初練習は特別な事はしなくて、前に公演した時の映像をみんなで一緒に見る、簡単に台本のリーディングをしてみる、または挨拶だけして別れるとか、すごく簡単なスタートになります。ただ話をして、知り合いにこんにちは、久しぶり、元気だった?とか挨拶して、普通は翌日から練習に入ります。

演出補助かカンパニーのマネージャーがスケジュール表をずっと掲示します。昔はEメールで送ってくれました。ある時からカトクで送るようになったんですよね。

[2013~2014 三銃士の練習スケジュール表]
(Eメールで送っていた時代だから残っていた)

団体部屋ができてさらにスケジュール表が出たらそれを見ればいいんですが、1週目から2週目は簡単な練習をたくさんします。台本リーディングをしながらアンサンブルたちが引き受けられる簡単な助演の役、単独の役を割り振ります。コーラスをしてみたり台本のリーディングを主にやりながら、どんな劇でどうやって進行していくかを熟知していく時間を持ちます。

2週目が過ぎたら本格的な練習をします。朝10時に行って夜の6時に退勤する、あるいは昼食時間を過ぎて午後1時とか2時に来て、夜6時に退勤するとか。スケジュールがすごく流動的なんです。勤めている人のように朝9時に出勤して夜退勤するようなシステムではありません。

序盤の1ヵ月ぐらいは、誰の練習を先にすべきか、誰の練習量を多くしなければいけないか、誰々は少なくてもいい、こんな基準でするので、出勤退勤時間がわりと自由です。

こうして3週目が過ぎたら男女のアンサンブルは朝10時から夜の6時まで、無条件に出るようになります。その頃からはダンスも本格的になります。靴とかトレーニングウェアなどの動きやすい服などいつでも持ってきて、練習室に服や靴を揃えて。この辺からだんだん疲れてきます。ずっと踊らなきゃならないし、演技もしてるし、コーラスもずっとやるからです。でもここまではまだ、やるに値します。

(ああ、お腹すいた)
[16時間の空腹は辛かった…]

[思いだせない。もどかしい。単語が出ない]

あ!この時食事はこういう風に食べます。昼食と夕食が提供されて、もしくは午後に退勤すると言う場合は昼食だけになるんですが、昼食は普通周囲の食堂を押さえてくれます。食堂一軒位をとってくれるか、食券をくれます。食事時になったら年下たちが食券を受け取ります。それから1枚ずつ食事する人に食券を配ってくれます。食券が使える食堂を何軒か教えてくれるから自分が行きたい時、場所を変えて行くことができます。6000ウォンくらいの食券なので、それに応じたメニューを選べば良いです。食べない日もあるじゃないですか、食券は毎日もらえるんだけど。とっておいた分でもっと高い定食を食べるとか、こんなことをよくします。夕食も同じです。

[パプチャが最高]

それから、ミュージカル俳優だからといって全員が上手に踊れるわけじゃありません。大部分は必要な程度には踊るけれど、覚えるのが遅い人もいる場合が多いです。コーラスもみんながうまいと言うわけではないです。

僕は本当にコーラスが難しかったです。専攻が違ったのでコーラスの経験が少ないんです。学校の授業でコーラスを聞いたこともあるし、サークル活動をやりながらコーラスをやったこともあるんですが、完全にプロの世界なのですごく緊張して、もたもたするわけにはいきません。1人ずつさせる場合があるんですよ。テナー1人ずつやってみろ、ベース1人ずつという風に。1人ずつコーラスのメロディーをやってみろとも言うし、それがすごく緊張するんです。特に僕がそうなんですけど、初めてやったとき本当にものすごく緊張しました。オーディションより緊張した。知っているのに間違えて、そんな記憶があります。

と言うわけでミュージカル俳優だと言っても、みんながすぐに覚えて上手に踊れるわけではなく、コーラスもすぐに習得して上手にできるわけでないってことも覚えておいてください。だけど沢山練習すればできるようになります。

[上手にできるまで生きた心地がしないんだよ]

練習を始めて1ヵ月が過ぎると、皆さんよくご存知の10トゥ10が始まります。そうなると本当に疲れます。これは約1ヵ月ほど続きます。お勤めの方はご存じでしょうが、朝8時から夜の10時までやるんだよと言っても、僕が8時にぴったり始めるわけでは無いですよね。朝(練習室に)行くんですが、ソウルのような場合は行くだけで1時間、1時間半かかりますから。仁川から来る人は実に2時間かけて来るわけで。家に帰る時は夜の12時だったってことですよ。この生活が続くんです、1ヵ月の間。残業が1カ月間続くという感じ?

重要なのは週末がないこと。土日のうち1日しか休めません。ものすごく疲れます。

[だから10トゥ10〜、10トゥ10〜て言うんです]

朝の10時から夜の10時まで何をするのか。午前10時から午後1時の3時間はダンスをします。完成度を高めていくんです。そして1時から2時は食事時間。2時から6時までは台本のリーディングとか、コーラスをやるか、ランを一回やってみるとか、足りない部分を強化するとかします。この時は夕食も一緒に食べます。ほとんどずっと一緒にいます。神経質にになる時期でもありますね。

このように練習がタイトな時でもオーディションは受けに行かせてくれます。オーディションがある、書類審査が通ったとなれば、前もってカンパニーマネージャーか演出補助に話をしておいてオーディションにいかせてもらいます。午前中にオーディションを受けるなら行ってきて午後に来るとか。オーディションが何時だから何時までに来る、これだけ守れば大丈夫です。

公演の練習中なのにオーディションを受けたらマズイのでは?そんな事はありません。なぜならその公演が終わっても僕の俳優生活は終わらないじゃないですか。僕の俳優生活は続かなければいけないんだから。(公演は)3ヶ月とか6ヶ月で終わるから求職活動をするんです。

(続く)