笑う男 観覧後記 2018 | 韓国ミュージカルを 訳しまくるブログ

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韓国ミュージカル
全ては自分の予習復習のため
(注意: 目標はネタバレ100%)
近頃はメモ付き写真アルバムとしても使用中。

素晴らしい俳優たち、素晴らしい音楽、素晴らしい舞台美術、そして素晴らしいまではあと1歩のストーリー。

そんな評価が聞こえてくる「笑う男」を見てきました。

一つ気付いたこと。
雪嵐の場面。雪の中をさまよう幼いグィンプレンはそのまま凍え死んでしまうかのように、一度雪にすっかり覆われて見えなくなってしまうのです。

その時流れてくる歌声はこれ。

     그 소년은 자장가에 잠이 드네

     その少年は 子守唄で眠りにつくよ


     숨결마다 고요하게 죽어가네

     ひと息ごとに 静かに死んでいくよ…



動きの止まった舞台に突然響くのが赤ん坊の泣き声。するとグィンプレンがぱっと起き上がって姿を現します。


デアは雪の中でグィンプレンに救われたけど、グィンプレンもまたデアに救われたのだ、そんな想いがよぎりました。


成長した2人は公演で自分たちの物語を演じています。そこで歌われるのが「木の上の天使」で、こんな詩があります。


     눈 속에 숨어있던 선물

     雪の中に隠れていた贈り物


     참  작고 여린 

     とても小さくて弱々しい君


     참 밝고 따듯해

     とても明るくて暖かい


凍え死にそうな雪の中、グィンプレンがウルススの小屋までたどり着けたのは、ほんの小さな赤ん坊だけど暖かいデアを胸に抱いていたから。お互いの暖かさがなければデアはもちろんグィンプレンも死んでいたのだなぁと、4回目の観劇でようやく実感したのでした。(そんなの最初っから分かってるという方、ご辛抱ください🙏。 訳した時も「暖かい」という言葉に少し引っかかっていたのに今頃自分なりの答えが出ました。)


最後のシーンを現実的に表現すると、グィンプレンは川に入って自殺します。自殺しようとする息子(同然の子)を、いくらなんだって黙って見送る親(同然の人)がいますか⁈ 天に昇る姿をどんなに美しく見せられたって要するに自殺なんだし。少し納得できない展開だと思っていました。


そこで!前述の雪のシーン。お互いがお互いの存在によって救われた2人。片方の命はもう片方の命に結びついている、そう思ったわけです。だから1人だけ生き残るのはありえないのかなと。くるくる回りながら天にのぼる2人を見ながら、そうね仕方ないのねえーんと納得したのでありました。



細かいところまで理解した上で見ると、突然すぎる展開も以前ほどは違和感もなく、全体の流れを楽しめたし、ウルススが弱ったデアを膝の上に休ませながら歌う子守唄を聞いたらもう涙は止められないのでした。



良かったですシリーズ。

ヒョシン君は爆発的な歌声と感情。とにかく良かったです。


ガンヒョン君も安定して力強い歌声。元気でみずみずしい若者らしさが出ていて良かったです。


キンキン声で少し苦手と感じたヨンスク・ジョシアナも言葉を理解しながら聞くと、その感情のうねりが歌声とともに迫ってきて良かったです。

ジョシアナの色っぽい姿から凄みのあるお姿まで、そして歌声、コケティッシュなソナさんはやはりすごく良かったです。

スビン・デアの声がミルクのように心地よくて澄んでいて本当に天使のようでした。川でピョンピョン跳ねる姿も可愛くて、とても良かったです。


蛇足シリーズ。
私生児のデルモア卿が誰の子か確信がありませんでした。グィンの父が愛人に産ませた子と考えるのが順当なんだけど。
額縁の中で夫人と仲睦まじく、愛情深く歌うあのパパ‼︎あのパパが他の卿たちのように富と愛欲に溺れていたとは思いたくない!
だけどやっぱりグィンとは異母兄弟だと教えてもらいました。ガックリ。そういう時代だから仕方ないです。ショボーン

最後グィンとデアが天に昇るシーン。あれはリフト?足の下がどうなっているのか全く見えない。じゃあ吊っている?姿勢に不自然さが全くない。じゃあ…じゃあ、あれは映像???ご存知の方、ぜひコメントをお願いします。

どうせアイドルだからと食わず嫌いだったスホ君。とても素敵に立派に演じていたと聞きました。この場を借りてお詫びします(誰に?)