薪焼きによる独自の焼鳥「薪鳥新神戸」 | じきの食歴

じきの食歴

世の中には、美味しいいもので溢れている。
そんな美味なる料理やお酒の記録を食の歴史として記しておこう

麻布十番駅の2番口を上がって、渋谷川の下流である古川を渡って細い路地の奥に、その店はある。
焼鳥を炭ではなく、薪で焼く薪焼き焼鳥の店として東京オリンピックの開会式の日にオープンした当初から話題となっていたが、現在は予約2年待ちという人気店となった。
「薪鳥新神戸」
店主の疋田豊樹さんは、西麻布の「分けとく山」等で和食の修行を積まれた後、いまは無き「たて森」で焼鳥の修行をし、「ヨシモリ」にて大将をつとめていた方。

店内は、カウンター7席で厨房には薪窯がしつらえられている。
一般的に炭焼と薪焼の違いは、火力とその炎に含まれる水分の量。
薪焼きの場合は、しっとりとした焼き加減になるのだが、こちらでは、火力の強い杉と安定した火力の楢の2種類を使っているそうで、さらに薪からの高さを調整して焼き加減をコントロールすることにより、しっとりだけでなくパリッとした焼き加減も実現している。
こういった技法を取り入れて焼かれた焼鳥は、他では味わえないものとなっており、色々な表情を見せてくれる。
また、それらを供される皿も実に艶やかで、器を眺めるだけでも気分が高揚する。

そんな、薪鶏新神戸にていただいたのは、下記の料理。

比内鶏のモモ
松風地鶏胸肉のトリワサ
大根の甘酢漬け
山口県長州鶏のレバー
淡雪塩マッシュルーム
鶏焼売のお椀(鰹と昆布の一番だしにて)
長州鶏のハツ
比内鶏胸肉のハリッサのせ
アオサの茶碗蒸し
燕三条鴨胸肉
薪焼きブロッコリーのチェダーチーズがけ
薪焼きトーストと鶏肉のリエット
海老芋の竜田揚げ
振りそで
比内鶏手羽のネギマ
菜の花の花みぞれがけ
鶏そぼろ飯+うずらの卵、かんずりと生姜
いぶりがっこ
赤出汁
シャインマスカット飴
坪入り生キャラメル
お茶 東方美人

鶏ももちろん美味しいのだが、大根の甘酢漬けが旨く、何度もお代わりしてしまう。
また、窯焼きブロッコリーが絶品で、これを求めて再訪する人も多いとか。
最後に出る鶏そぼろご飯は新潟魚沼のコシヒカリで、炭化した薪を一緒に入れて炊くことによってほのかな燻香がつけられている。
そぼろは、色々な部位の肉や内臓を用いることにより、より複雑味が増している。
他には代え難いこれらの料理をいただき、お酒もそれなりに飲んで2万円ぐらいというのは、予約が取れなくなるのも納得である。

 

 

薪鳥新神戸焼き鳥 / 麻布十番駅赤羽橋駅
夜総合点★★★★ 4.5