桃饅頭の中から出て来たのは…:紹介制の中華「CHUFANG」 | じきの食歴

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世の中には、美味しいいもので溢れている。
そんな美味なる料理やお酒の記録を食の歴史として記しておこう

「誕生日おめでとうございます!」そういって、おっきな桃饅頭が持ってこられた。
それと共に、カット用のナイフも…これって、アレじゃないかな?と期待に胸を膨らませる。
「表面部分に切り込みいれて、手で広げてくださいね」
やっぱりそうだ。
僕はおっきな桃饅頭に切り込みを入れて、中にあるものを広げて皆に見せた。
歓声がわきあがる。
中には、ちいさな桃饅頭がたくさん入っていた。
中国の祝い事でたまに出てくるアレだ。
実際に自分でカットするとは思いもしなかったし、実物を見るのすら初めてだった。
すでに大量の料理を食べてまったりしていた参加者達も、再びテンションが上がる(笑)

会員制の中華料理屋「CHUFANG」(チュンファン)。
あの、ミシュランの星を獲得している江戸中華 山野辺 の2号店で、紹介制のお店である。
今回は、個室も使っての貸切で予約させていただいた。

最初に出て来たのは野菜の煮びたし。賀茂茄子、三つ葉、しろだつ。
やさしい味で、胃をゆっくりと目覚めさせる。
そして、名物のよだれ鶏。特製ラー油でこれが旨い。
なすの紅麹揚げは、このままでも旨いが、ちょいと先ほどのよだれ鶏のタレにもつけてみる。
これまた旨い。
自家製チャーシューの赤はビジュアル的にも美しい。添えた緑の紅葉の葉が、その赤さをさらに引き立てる。
焼売が出て、餃子。
餃子は、よだれ鶏のタレにつけて召し上がってくださいとのこと。
この餃子とタレの組み合わせがまた、やたらと旨い。
コースだからって、この餃子2つまでだなんて、まるで拷問だ(笑)
彩り野菜とホタテのXO醤炒め。野菜の食感を残しながらもしっかりと熱が通されているので、野菜の甘みがしっかりしている。そこにXO醤とホタテのエキスがソースとしてまとわりついてるのだから、間違いない。
そしてここで、衝撃の料理。歓声と共に悲鳴も聞こえる(笑)
丸鶏のうずらを素揚げにしたものを飴でコーティングしたもの。
羽根と内蔵を抜いてるけど、頭とか足とか羽根もそのままついた状態。
歓声をあげたのは、これが旨いものだと知ってる人達。
悲鳴をあげたのは、ごく一部の女性達(笑)
これを半身にしたものと、腸詰2種類が出て来た。
腸詰は、豚トロで五香粉を効かせたものと、塩山椒やクミンで味付けしたもの。
何が入ってるんですかと聞いたら、レシピまで教えてくれた。ふむ、なるほど…
で、うずら。
もう、頭からボリボリと食べる。これが、苦味があり、脳の蛋白質の旨みがありで、クセになるような旨さ。いや、この独特な味わいは、人によって評価はまちまちかもしれない。でも、自分にとっては好きな味だ。
頭を噛み砕き、その他の部分もどんどん食していく。ほとんどの骨の部分は噛み砕けるほどしっかりと火が通っている。
この料理は、味もさることながら、このワイルド感がいい。
ああ、生命をいただいているんだという気分にさせてくれる。
そして次の料理ですといってもってきたのが、豚スネ肉の煮込み。これに、加藤シェフ特製の野菜ソースがかけられている。空豆やとうもろこし、ネギ等が刻まれたさっぱりしたソースが、醤油ベースでこってり煮込まれたスネ肉によく合う。
で、〆が2つ。麻婆豆腐丼と担々麺。
本当は、どちらか一方だけど、両方食べたいというリクエストに療法をハーフサイズで出してくれた。
当然ながら、どちらも本格的なもの。
自家製調味料が効いてるのだろう、味の奥行がある。辛みの中にしっかりとした旨味があるのだ。
お腹いっぱいだけど、するすると食せてしまった。
デザートは、ミルクティー風味の杏仁豆腐。
そして最後に冒頭の桃饅頭が。

これだけ色々なものが出てきて7000円(税サ別)というのは、今回多少特別な内容だったとしてもかなりお値打ちだ。しかも銀座の一等地である。
遅めの時間なら、アラカルトで担々麺とビールをいただくということもできるので、いったんこちらの会員になっておくと色々と使えて便利な店でもある。

 

 

 

銀座 やまの辺 厨房 CHUFANG中華料理 / 銀座駅新橋駅東銀座駅
夜総合点★★★★ 4.5