じきの食歴

じきの食歴

世の中には、美味しいいもので溢れている。
そんな美味なる料理やお酒の記録を食の歴史として記しておこう

新年から人形町七福神巡りを行った後は、人形町駅から徒歩2分、創業1887年の老舗そば店「東嶋屋」へ。
11:30で、ちょうど暖簾がかかったところで6名で店内へ。
改装等しているのだろうが木造の一軒家で昔ながらの風情ある店内。
店の角上に設置されたテレビには正月番組が流されており、居心地が良い。
定員のおばちゃん達のほんわかとした雰囲気もあいまって、正月に親戚の家に立ち寄ったかのようだ。

当日は、正月用の限定メニューでの営業とのこと。
そばやうどんに混じってかつ丼もメニューに乗ってるのは、「勝つ」にあやかってなのだろう。
ということで、せっかくなので七福神そば(1300円)とかつ丼(1150円)の2つを注文。
先ずは、七福神そばが着丼。
7種類の具材が乗っており、それぞれ
恵比寿神:商売繁盛
大黒天:五穀豊穣・財福
弁財天:芸術・学業
毘沙門天:勝運
寿老人は:長寿
福禄寿:幸福・財産・健康
布袋尊:子宝、良縁
を表している。
そばは、パツンとした感じでのど越しが良くスルスルと啜れる。
つゆは、やさしく塩見の中に少し甘味がある。キリリとはしておらず、そばの味わいを引き立たさせるためか出汁感は薄めだった。
着丼して5分かからずに食べきってしまい、それからほどなくしてかつ丼が出てきた。
かつ丼の丼つゆは、こちらのそばつゆを用いてるのだろう、優しい味わい。
カツは、脂身のほとんどないロース肉で、ある程度の厚みがあり食べ応えがある。筋切等もしっかり行われているようで柔らかい。
カツは丼つゆで長めに煮られたのだろう、衣にしっかりとつゆを含んでいるのだが、衣がポロポロと剥がれるようなことも無い。
上品というよりも家庭的でありながら、それでいてしっかりと老舗らしい味わいのかつ丼だった。
気が付いたら、店内も満席となり店外で入店待ちしている人も居たので早々に退店。
正月から、「七福神」に「勝つ」をいただくとは、縁起が良かった。
ちなみに当日はメニューに無かったが、カレー南蛮が美味しいらしい。
次回は、こちらもいただいてみよう。

 

 

 

東嶋屋そば(蕎麦) / 人形町駅水天宮前駅浜町駅
昼総合点★★★★ 4.0

今年も開運アドバイザーの西河由貴さんアテンドで正月に七福神巡りへ。
今回のエリアは、人形町。
七福神巡りは、お寺と神社が混在することが多いけど、こちらのエリアはすべて神社。
またエリア的にもこじんまりとしたところが多かった。
以下、それぞれ巡った順にて紹介。
8:30にスタートし、廻り終えたのは11:00前だった。

小網神社(こあみじんじゃ)
福禄寿:幸福・財産・健康
社殿(昭和4年建立)が戦災を免れたり、同神社 の御守を受け戦地に赴いた兵士全員が無事帰還したことなどから「強運厄除の神」とされており、ゲッターズ飯田さんが「最強のパワースポット」として紹介したり、こちらでお祈りするとチケットが取れるといわれ平日でも参拝で行列になる神社。
また、「銭洗いの井」があり、そこでお金を清めて財布に一年間入れておき『種銭(たねせん)』にしておくと金運上昇するとのこと。
また、社殿向拝の左右にある彫刻の龍は、強運厄除の「昇り龍」「降り龍」としで、 「昇り龍」は、参拝者の祈りや願いを受けて神様に伝え、「降り龍」は、神様からの徳(神徳)を参拝者に授けると伝えられているそうです。
ちなみに正月は、参拝の列、お守り等を購入する列、銭洗いの列の3つに分かれており、銭洗いの列のみ短く、他は1時間ぐらい並ばないといけなかった。

椙森神社(すぎのもりじんじゃ)
恵比寿神:商売繁盛
宝くじの元祖である富くじ発祥の神社で、宝くじの当選祈念する人が多い。
江戸の頃には、烏森神社、柳森神社と並んで江戸三森のひとつと呼ばれていたとのこと。

笠間稲荷神社(かさまいなりじんじゃ)
寿老神:長寿
日本三大稲荷のひとつである茨城県の笠間稲荷神社から御分霊を奉斎された分所。社殿の裏に狐塚があるとのことだったが見ないで移動。

末廣神社(すえひろじんじゃ)
毘沙門天:勝運
毘沙門天の御神徳以外にも、昔は疫病鎮めの信仰も集め病気平癒で祈願される人も多いとのこと。
また、火消しの「いろは組」のは組の石碑が奉納され現存しているのは珍しく、火伏せ・災難除けともなっている。
あと、境内にある大きな椎の木の根元にある「満願成就 末廣徳の石」は、その上に財(お金)を置き願いを込めると徳運が貯まるとのこと。その財は、持っておいてもいいし使ってもいいとのことでこちら目当ての人も多く居た。

松島神社(まつしまじんじゃ)
大国神:五穀豊穣・財福
ビル一階の部屋にある珍しいお社様でありながら、御祭神は七福神の1柱である大国主神以外にも、ご神格の高い神様が13柱と他社に比べて多い。

水天宮境内 宝生弁財天(ほうじょうべんざいてん) 
弁財天:芸術・学業
コロナ中にリニューアルされた水天宮境内にある。当日は、戌の日ということもあり本堂とお犬様の像には安産祈願の参拝者が多くかなり混雑していたが、弁財天エリアはスムーズに参拝することができた。

茶ノ木神社(ちゃのきじんじゃ)
布袋尊:子宝、良縁
徳川時代には社の周囲を茶の木がぐるりと植込まれ、芝と茶の木の緑が見事だったと伝えられている。
ご祭神は保食神/うけもちの神で、お祈りすると食べ物着るものに困らないようになるとのこと。

 

 

神楽坂にて予約の取れない銘店として名をはせた「焼鳥 茜」。
その地にて8年半営業していたが、この度心機一転し、麻布十番にて店名も新たに2月4日移転オープンする。
今度の店名は「酉囃子」。
女将の名前でもある元の店名を引き継ぎつつも、焼鳥業界を盛り上げる意味もこめて「囃子」の文字をつけたとのこと。
店主の林裕太さんは、湯島の名店「鳥恵」などで修業された方。
爽やかな好青年だったが、もう40代になったそうだ。
奥様の話によると、海外への移転も検討していたそうだが、結局縁あってこの地で店をオープンしたとのこと。以前はご夫婦で営業されていたが、今回はスタッフも雇っての営業。
そんなお店のプレ営業に肉山の光山さんにお誘いいただき訪問。

今度の店は、環状三号線の都営大江戸線麻布十番駅の南2出入口を出てすぐの場所。
真新しいビルの4階で、カウンター8席の白木が美しい鮨屋や割烹料理の店のような佇まいだ。
新しい設備らしく、足元には電源とUSB端子が設置されている。
焼き台は、炭と薪の両方を使えるようになっており、高さも3段階に変化させて使用できるようになっている。
強火でからりと皮を焼くときは焼き台を低く、じっくりと火を通す野菜は焼き台を高くして用いる。
焼き方のスタイルはかなり煙を出して、煙を纏わすタイプだが、焼き台の三方をエアカーテンで仕切っているのでカウンター側には煙がほとんど流れてこない。

用いられる鳥は、比内地鶏、霧島産の黒さつま鶏である大作地鶏、長期肥育される淡海地鶏等。またホロホロ鳥や鴨も取り扱っている。
それらの鳥に紫蘇や柚子、金柑、藁の香り等をまとわせて、それぞれの鳥肉の旨味と風味を引き出している。
基本、何もつけないでいただけるようになっているが、七味や山椒も言えばば出てくる。

基本コース料理なのだが、まだ色々と試行錯誤しているとのこと。
今回いただいたのは、下記の内容。

・比内地鶏 ささみの湯引き
・淡路島の葉玉ねぎ
・ホロホロ鳥と比内地鶏の胸肉炭火焼き
・砂肝銀皮の煮込み
・ねぎま(皮の下には大葉を敷いている)
・骨抜きの手羽先(柚子皮の千切りを仕込んでいる)
・野菜のさつま揚げと、チーズとクミンのさつま揚げ(奥様が鹿児島出身とのことで)
・野辺地蕪(赤蕪)の薪焼き(じっくりと70分ぐらい焼いていたもの)
・砂肝(中心には牛タンを仕込んでいる)
・鴨の胸肉(満月という最高峰ブランド金柑の皮を間にはさんで)
・大作地鶏の白レバー薪藁焼き
・手羽元の紅白ナマス
・ミニハラミ丼(おかみさん提案で途中にご飯ものを)
・百合根(糖度24%という北海道十勝の希少な品種「月光」に柚子味噌を合わせたもの)
・大作地鶏の上腿

ここで追加串の注文を。
実際に串に刺した状態で選ばせてもらえる。
今回は7種類の中から3本追加注文した。

・椎茸の肉詰めブルーチーズに卵黄を添えて(追加でワンスプーンのごはんを残った卵黄に投入しちょろっと醤油をかけていただく)
・ぼんじり(追加串)
・つくね(追加串)
・レバー(追加串)
・漬物
・ミニ親子丼
・つけ麺(冷)
・つけ麺(温)
・レアチーズケーキ(鶏型 下の黒いのは竹炭を用いたもの)

どの火入れも素晴らしく工夫がこらされており、刺激的でありながら優しい味付けで舌も疲れない。
またソムリエでもある女将の細やかな気配りも心地よい。
ノンアルの飲み物にも力を入れており、ジャスミン茶(ジャスミン杉林渓)の炭酸割等も用意されている。

正式なグランドオープンは2月4日(火)でOMAKASEからの予約だが、すでに解放されている2月末まで空席無しといった状態。
なお貸切でなければ毎日2席は空けておき、その一週間分を電話予約として週初めの月曜日に開放する予定とのことで、ネット予約を嫌う層にも配慮されている。
ミシュランの星も見据えた良店が、また一軒オープンする。

 

 

酉囃子焼き鳥 / 麻布十番駅六本木駅赤羽橋駅
夜総合点★★★★ 4.5