鮨屋が月に1度?不定期開催の「らーめん処とし」 | じきの食歴

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世の中には、美味しいいもので溢れている。
そんな美味なる料理やお酒の記録を食の歴史として記しておこう

いやー、旨かった。
この1年で食べた淡麗系ラーメンの中で、五指には入る。

2度目に食しても、その感想は覆らなかった。

足立区の五反野駅から徒歩5分ぐらいの場所に2022年9月23日オープンした「すし処 とし」。
大将の森敏也さんは、埼玉県三郷市にある鮨屋の息子さんで、新宿、日本橋、大宮で修行した後、一度家業を継いだがその後独立し足立区にて奥様と一緒にこの地にて店を立ち上げられた。
都心で一人3~4万円するような鮨を半分の値段で提供することを目指していらっしゃるとのこと。
そんな鮨屋が、月に1回ほど日曜の昼に不定期で「らーめん処とし」としてラーメン屋をしているとのことで先月訪問したのだが、今回2度目の訪問。
前回も開店時には8名の列となっていたが、今回も同じぐらいの列で1順で案内された。
店内は、カウンター7席に4席のこ上がりと、別途個室があり、かなり余裕のある作りとなっている。
ラーメンは独学で学んだとのことで、店主の趣味でラーメンを提供しているため原価無視とのこと。
そのため大量には作れず、1日限定30杯の提供となっている。
今回は店主とも色々とお話できたが、明るくテンション高めで、色々なことにこだわりがあることを伺えた。
店で使ってる水は、大本の水道管からカットして濾過しているため使っている水は全てが高純度の濾過水となっている。
昆布も天然物を北海道から仕入れ、醤油も香川から仕入れた木桶づくりの醤油を使っている。
実家の鮨屋3代目として一度は戻ったが色々あって飛び出し、もう戻る所は無いとか(笑)

注文は今回も貝出汁ラーメン(1500円)とレモンサワー(700円)も。
前回はラーメンの他にミニカレー(500円)もあったが、今回は無しとのこと。
ただし、ライス(150円)があるとのことでそちらを注文。
ちなみにネット上にもほぼ情報が出ておらず、1月は真鯛の皮や鱗を使ったラーメンだったそうで、それ以外の情報を探し出すことができなかった。
レモンサワーをいただきなが、今回一緒に訪問したラーメン評論家の大崎さんとラーメン談義等をしながら出てくるのを待つ。
今回は、わりと早く出てきて5分ほどで着丼。
トッピングには、チャーシューの変わりにホタテの貝柱の薄切り。あと、ワカメ、バラ海苔、青菜、白髪ねぎと前回と同じ。
今回のスープもかなり旨味が強いものだが、若干ブラッシュアップされている。
後で聞いたら、あさりの量を増やしたとのこと。
以前とある店でホタテのラーメンをいただいたことがあるけど、その時はホタテの臭みがきつくて食べれなかったが、流石鮨屋。良い食材を使っているのだろう、そういった臭みは一切無い。
干しほたて、あさり、昆布、干し椎茸、節類のスープに、油分を足すためキンキから取ったスープをブレンドしているそうで、魚介系の脂のみで動物性の脂を使わないのも鮨屋としてこだわりという。
乾物類を戻す工程から含めると仕込みには4日かかっているというこだわりよう。
具材も海鮮物で統一されており、これがまたスープに合う。
麺は、知人のラーメン屋を通して京都の製麺屋から仕入れているとのことで、自分も名前をきいたことのある製麺屋だった。
麺を食べ終わった頃にライスを持ってきてもらい、残ったスープに投入。
ちなみにこのご飯も昆布を少し入れて炊いたものとのことで、ご飯だけでも旨い。
そしてこれが、貝出汁のスープを吸ってとてつもない旨さとなる。
足立区のこの辺りで1500円のラーメンは、高額な部類に入るがこれだけ上質な食材を用い時間をかけているならば、むしろ安いとさえ思える。
ちなみに次回は、香川の木桶づくりの醤油を使った煮干しラーメンを出したいと言っていた。
予定があえば、こちらも食べに伺おう。

 

すし処 とし寿司 / 五反野駅小菅駅
昼総合点★★★★ 4.5