投薬1週間後の検査の日。
順調ならば血液検査の数値を見て「問題ないですね」と言われて帰るだけの、さしたることない受診なのだが、副作用のピークともろに被っているので病院へ行くという行為自体にかなりの体力と精神力を要する。
前の晩から準備にかかる時間を逆算して「〇〇時には起きよう」と思っていても、いざその時間になると脳が立ち上がることを拒絶するというか。
何とか身体を布団から引き剥がし、パラパラと新聞をめくりながらトーストとコーヒーで朝食。
新聞は基本的に1面から順に全ての面を読んでいく。時間がある日は、読み終わったら別の新聞に変えてまた1面から読み始める。
新聞社によって同じ記事でも論調が異なるため、横の比較をしながら読むのが子どもの頃から習慣になっているのだ。
これは以前の日記でも触れたと思うが、書き手が意図するしないに関わらず、文章になった時点で事実は編集されるということだ。
同じ物体を描いても、見る角度が違えば全く違う絵になるように、新聞が変わればニュースを切り取る視点も意見も異なる。そういう新聞社ごとの個性を楽しむのが、新聞読みの醍醐味だと思う。
うちは現在読売、日経、地元紙の3紙を購読しているが、昔は5紙も取っていたので、元日には入りきらない新聞がポストの上に積み上がっていた。
150年も前から配達によって入手するという基本システムは変わらず、情報の鮮度においてはネットニュースに太刀打ちできるはずもないオールドメディア、新聞。
オレは新聞を読む家に生まれてよかったと、今でも感謝している。
さて、本日の受診は11時半に終了。
体調は最悪なのだが、せっかく市内まで出てきたので、昼食にラーメンを食べて帰ることにする。
病院の帰りに外食するのが密かな楽しみになっているのだ。
行った先は、牛骨ラーメン専門店の「八起」(やおき)。
ここは6月に三男に初めて連れて来られて、牛骨ラーメンの評価が180度変わったお店。
鳥取のソウルフードと言われる牛骨ラーメンだが、オレは20年くらい前に2度だけ食べて「好みでない」と結論づけて以降、1度も口にしなかった。
それが6月以降どハマりして、もう3度目の訪問。
牛の上品なスープと中太ストレート麺の相性がよく、箸でほぐれるくらい柔らかなチャーシューも絶品。
体調は最悪と言っておきながら、テンションが上がって大盛りの食券も買ってしまった。
スープを啜るとき、
「ラーメンなどもってのほか」
と言った循環器N医師の恐ーい顔が一瞬脳裏に浮かぶが、雲を散らすようにかき消してやる。
どうせ、
「塩分を控えても、今出ている症状は死ぬまで治らない」
って言われてんだ。
実は朝の新聞に「各浜でキスが好調。60〜200匹の釣果」という記事を見つけて、後部席には釣り竿まで積み込んで来ていたのだが、駐車場とラーメン屋の往復だけでそこそこのダメージを喰らってしまったので、食後はまっすぐに帰宅する。
それにしてもオレという人間は、何故この体調で炎天下の海へ出ようという発想になるのだろうか。
ホント、理解に苦しむ。


