地元小学校からの依頼で、6年生の授業に登壇する。
開校10周年に際し、初代PTA会長としてどのような点に腐心したのか、当時の話を聞かせてほしいとのこと。

以前は保育士という立場で、たまに大学に講義に行ったり研修会の講師を務めたりしていたのだが、発病後は依頼があっても全てお断りしてきたので、こういう形で人前に立つのは3年振り。

今回はいろいろなお義理が重なって、断るに断れなかった。

学校へ到着すると、校長室に通されて担任の先生と事前打ち合わせ。その後、校長としばし雑談。
迎えに来た児童に先導されて、6年生教室へ向かう。
途中、廊下に飾られた歴代の卒業写真には、まだ健康だった頃の自分の姿が。

教室に入ると黒板に「ようこそ、〇〇〇〇さん」とオレの名前が大きく書かれており、16名の児童たちから大きな拍手で迎えられて席へ着いた。

余談だが、筋炎症のおかげで3階まで階段を上がるのが大変。悟られないようマスクの下で何度も深呼吸をして息を整える。

授業は児童たちの質問に、45分間ひたすら答え続けるという形で進行。
これも抗がん剤の影響で耳の聞こえが極端に悪くなっているので、質問に答えることよりも、質問を聞き取ることの方に神経を使った。

担任の先生からある程度内容はうかがっていたものの、時折子どもらしいイレギュラーな発言が飛び出して楽しい。

例えば、
「どうしてPTA会長になったんですか」
とか、
「PTA会長って何をするんですか」
とか、
「PTA会長で一番大変だったのはどんなことですか」
など。

もちろんその他にも、
「設立当時の様子を教えてほしい」
とか、
「現在通っている児童にどのようなことを期待されるか」
などの定番的な質問もあり、オレはその一つひとつに当時のおもしろエピソードを交えながら丁寧に答えた。

最後のまとめでは、
「全会員の賛成はいただけなくても、納得はしていただけるよう説明を尽くした、という言葉が心に残りました」
とか、
「PTAって何をしているのか分からなかったけど、今日のお話を聞いて、私たちのために働いて下さっていることが分かりました」
などの感想をもらい至極感激。

11月にこの日の学習の成果を発表する会を開かれるそうで、招待状を頂く。
歴代会長や校長にも声をかけられているとのこと。

ひと目で病人と分かる風貌なので、昔かかわりのあった人と会うのを避けてしまう傾向が強いのだが、これはこの授業に立ち会った人間として、どれだけ抗がん剤の副作用がキツい日でも出席しないわけにはいかないと思った。

願わくば症状の軽い期間に当たることを。
その前に、11月も無事に治療が継続されていることを。



近年はPTAという組織を廃止する学校や、組織はあっても加入しない保護者が増えつつあるとのこと。
役員の負担や人間関係の負担を敬遠する人が増加しているそうで、これも時代の流れなのだと思う。

オレは何につけてもやらないよりはやった方が得と思う性分なので、忙しい思いもしたが、PTAではいい経験をさせて頂いたと感謝している。


同時刻、妻と娘は卒業式用レンタル袴の展示&予約会場。
2日間開催の展示会に、初日の午前中から乗り込んでいたのはうちの家族だけだったようで、選び放題着放題の試着画像が矢継ぎ早に送られてくる。

でも、「どれがいい?」って聞かれても返答に困っちゃうんだよね。
せっかく尋ねられているのに、
「自分の気に入ったやつで」
って返すのも味気ない感じがするし、かといって、
「2番目かなぁ」
なんて適当なことを言って気を遣わせるのも忍びない。

こういう時は、何と返すのが正解なのでしょうか。

「どれもいいなぁ」

とか?

「父ちゃんは当日の楽しみにしようかな」

とか??