1週間の入院治療を終え、無事退院。
入院中に父親から、新型コロナウィルスに感染して寝込んでいると報告を受けていたので、
「帰ったよ。調子はどう?」
と部屋の外で声をかけ、帰宅を知らせる。
父は罹患から5日が経過し、体調も概ね戻ったとのこと。
「早速で悪いが、熱い牛乳が飲みたい」
と、室内から返事が返ってくる。
オレの不在中、妻には遠慮して言えなかったのだろう。
温めた牛乳を届け、
「オレは体の抵抗力が下がっているらしいから、今日はじいちゃんには近付かないからな」
と、一応お断りをしておいた。
退院時に医師から、感染症対策をとり不特定多数の集まる場所は極力控えるよう忠告を受けたが、まさか手足の生えたコロナ菌が家の中にいたとは。
病院から持ち帰った汚れ物を洗濯機に放り込み、入浴の支度をする。
1週間もお風呂に入っていなかったので、入りたくてしょうがなかったのだ。
早速お湯を張ろうと浴槽のふたを開けると、誰の計らいかそこには既に新しいお湯がなみなみと。
父親のところに行き、
「もしかしてお風呂、準備してくれたの?」
と尋ねると、
「知らんよー」
と、まあ予想通りの反応。
妻はこういうことに気が利くタイプではないのだが、珍しく出勤前に溜めておいてくれたのだろうか。
お湯がかなりぬるめだったことも相まって、久しぶりのお風呂をゆっくり堪能することができた。
風呂上がり、自室に戻り体を休めていると、父からの着信。電話に出ると、
「TVのチャンネルを変えに来て欲しい」
とのこと。
帰ってきた途端に甘えられまくっている。
堪らず三男に助けを求め、オレは今コロナに感染しやすい状態であることを再度伝えてもらった。
午後から一気に副作用が出始める。
さっきまで感じていた、乗り物に揺られているような感覚が明確な倦怠感へと変化。発熱があるとか呼吸が苦しいとかそういう感じではないのだが、身の置きどころのない不快感に全身が包まれていく。
せめて眠ってしまおうと目を閉じるが、不快さが眠りを許してくれない。
実習生のKくんがいれば、この辛さもいい教材だったろうに。
この日は夕食にざる蕎麦をリクエストしたが、蕎麦特有のザラッとした食感が気になり美味しく食べられなかった(その後、酷い口内炎へ移行)。
脳内抗がん剤劇場では、現在抗がん剤三勇士が攻勢の状況。
キイト「多少の犠牲はやむなし!」
シスプラ「あいつの息の根を止めるまで攻撃の手を緩めるな!」
悪玉「ぐえっへっへ、オレ様を簡単に倒せると思うなよ!」
フルオロ「こうなったら、必殺スーパー抗がんアタックだ!」
シスプラ「待て!あの技は体への負担が大き過ぎる」
キイト「こいつの体はきっと耐えてくれるはずだ。いくぞ!」
三勇士「スーパー抗がんアターーーック!」
悪玉「ぎょえええええ!」
かくして第1次大戦は終了し、4日目から徐々に回復。体力の低下は否めないが、4kg落ちた体重も現在はマイナス2kgまで戻った。
そういえば後日、退院の日にお風呂の準備をしてくれたのは誰かと妻に尋ねたところ、あれはじいちゃんが前の晩に入った残り湯だったという驚愕の事実が判明。
いつの間にかじいちゃんが一番風呂に入ってしまっていたため、妻と三男は感染を警戒して湯船に浸からずシャワーで済ませたそうだ。
それなら何故流しておかない。
要するに適温で一晩培養されたコロナ液にゆっくり浸かっていたという訳ね、ルパン。
不〜二子ちゃ〜ん、そのとおりだよ。
